ランドローバー レンジローバーイヴォーク のみんなの質問

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ロータリーエンジンはなぜ主流にならなかったんでしょう?マツダの16Xでしたっけ?あの開発もとまってるみたいですし、

燃費はわるいが軽量なのはすごくいいと思うし、なんかもったいないですね。

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ベストアンサーに選ばれた回答

燃焼効率が悪いからです。以下,少し詳しく説明いたします。

●メリット
・バルブがなく簡単な構造
三角おむすびのロータリ型ピストンが回転することで、吸気と排気をおこないます

★2サイクル・エンジンと同じ排気量
現在、通常、使われている4サイクル・エンジンは、出力軸2回転に1度、燃焼がおこなわれます。2サイクル・エンジンでは、出力軸1回転に1度、燃焼がおこなわれるので、同じ排気量でも約2倍(実際は、燃焼効率が悪いので1.5倍程度)の出力があります。

ロータリ・エンジンも出力軸1回転あたりに1度、燃焼するので、2サイクル・エンジンに似ています。つまり出力(馬力)やトルクを4サイクル・エンジンと比較する場合、排気量を2倍にすると、比べやすくなります(後述の比較)。

==> 排気量の定義
ロータリエンジン出現時は2サイクルエンジンが多く,現在の数値になっていますが,もし現在なら,4サイクルエンジン換算し,2倍に定義されるでしょう。

★同排気量では、非常に小型のエンジン
サイズが小さいだけではなく、部品点数が少なくて、重量も非常に軽くなります。

★なめらかな回転
2ロータリでは、レシプロエンジンの6気筒に相当し、3ロータリ・エンジンでは、V8型エンジン以上のなめらかさ(トルク変動)をもっています。またエンジンの回転上昇は極めて優れ、あっという間に8000rpmに到達できます。

★窒素酸化物NOxを生成しにくい
燃焼室の冷却損失(後述)が大きいため、燃焼温度が低く、比較的、NOxを生じにくい構造になっています。同じ理由で耐ノック性が高く、比較的、低いオクタン価の燃料でも使えます。現在のレシプロエンジンは三元触媒を使うため、このメリットも消えました。

●弱点
★混合気流動が弱い
バルブがないため、吸気慣性が小さく、吸排気効率が低く、かつ混合気の流動速度が低いため、不完全燃焼になりやすい。このため燃焼圧力が低く、燃焼効率が悪い。
特に低回転数域では、流動が悪いため、回転する燃焼室端部で未燃ガスが多く残り、燃焼安定性が悪い。

★燃焼室壁面積が大きい
排気量に対して、表面積が大きいため、燃焼エネルギが壁面を通して、冷却水、排気ガス、オイルなどに流出し、その結果、燃焼圧力が低下し、燃焼効率が悪い。この熱エネルギの流出損失を冷却損失といいます。

★偏心量が小さい
トルクを出すためには、燃焼圧力の合力の成分ベクトルと出力中心までの距離、つまり偏心量が大きい必要があります。単純に比較はできませんが、レシプロエンジンと比較して、わずか15mmの偏心量では、効率的にトルクに変換できません。
なおマツダのエンジニアの方も、この欠点はご存知で、2007年に発表した新世代ロータリエンジン(RENESIS 16X)では、いわゆるロングストローク化(正確には、幅を広げないで、偏心量を増やすことで、低速トルクを稼ぎ、燃費改善)を果たしています。この改善をマツダの方は「ロングストローク化」と言っていました。
この欠点は、偏心量の増大とともに創成半径が大きくなるため、摺動速度(特にアペックスシール)が高くなり、高回転化がやりにくくなる点です。

じつは、この問題は、ずいぶん古くからマツダの中で分かっていました。マツダのロータリエンジンの形式で「13A」(1969~1972年)というのがありますが、これがまさに、「RENESIS 16X」と同じく、偏心量をアップしたものでした(17.5mm)。しかし他のロータリとの設備共用がむずかしく、13A以外の偏心量はすべて15mmに統一されています。

★燃焼ガスの漏れの増大
開発でたいへん苦労したアペックスシール(おむすびの先端)だけではなく、サイドシールの漏れも大きな課題です。レシプロエンジンのピストンリングは円周でみると、ほぼ一様に力がかかります。しかしロータリエンジンのサイドシールは、場所ごとに力のかかる方向が異なります。このようなシール形態なので、レシプロエンジンの数倍の漏れ量があります。

●レシプロエンジンとの比較
下記をご覧ください。ほぼ同じ排気量のレシプロエンジンと比較すると、ロータリはトルクが小さく、このため回転数で馬力を稼いでいることがわかるでしょう。また燃費が20%程度悪く、燃焼効率のさらなる改善が必要なこともわかるでしょう。

マークX(前型) 2.5L 6AT 215馬力/6400rpm 26.5kgm/3800rpm 12.6km/L
RX-8 Type RS 6MT 1.3L(2.6L相当) 235馬力/8200rpm 22.0kgm/5500rpm 9.4km/L
RX-8 MT1.3 5MT 1.3L(2.6L相当) 215馬力/7450rpm 22.0kgm/5500rpm 10.0km/L

ちなみに 馬力=2π×回転数×トルク(π=円周率)です。

●ロータリに未来はあるか
16Xは昨年まで,本社に展示されていました。しかし今年から撤去されています。このため将来はかなり暗いといえます。なお水素エンジンへの適用も燃費が悪いので,将来はありません。

ご参考になれば幸いです。

質問者からのお礼コメント

2010.9.14 08:31

丁重なご説明ありがとうございます。やはりなくすべきエンジンではないですね。いつかはロータリーにのってみたいものです。

その他の回答 (4件)

  • ロータリーエンジンは理想的なエンジンでレシプロエンジンを越える予定でした。
    しかしアペックスシールの問題を越える事が出来ず、長く使えば使うほど排気ガス汚染で環境破壊です。
    アペックスシールの問題がなければレシプロエンジンを越えれたかもしれませんね。

  • 開発にめちゃめちゃめちゃ金がかかるし、出来たものは燃費悪いし。
    エンジンとしての性能は良いんですけどね・・・

    一般車用のエンジンとしては、開発費用に金がかかって、燃費悪い。
    同程度のパワーを得るならレシプロエンジンで排気量上げたほうが良いってことになります。

    確かに、軽量であることは車の性能としては魅力ではありますが、一般車にそこまで軽量化を求めてもあまり意味はないです。

  • 日本が誇るべきエンジンと言って過言ではありません。わたしもユーノスコスモ(3ロータ:20B)に乗っています。圧倒的な欠点は燃費でしょう。エコの時代に反します!不具合も多い…ディーゼルで運用出来れば究極でしょうが…

  • 燃費がうるさいとか色々と問題がありました
    ネットで検索すれば、その理由が多く語られています

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