独ポルシェは5月17日、「911 GT3 RS」をベースとしたレーシングカー、新型「911 GT3 R」の概要を発表した。
現行911(タイプ991)のラインナップ中、最もスパルタンに走りを突き詰めたGT3 RS。リアにマウントされる4リッター水平対向6気筒自然吸気エンジンは、最高出力520psを8250pmで発生。リッターあたりの出力は130psとNAとしては驚異的だ。その究極のロードゴーイングスポーツをベースに、さらなるチューンを施したGT3 Rとは一体どんなパフォーマンスを示すのか。
まず車体について、ルーフやフロントフード、ドアなど主要ボディパネルは炭素繊維強化プラスチック(CFRP)製で、ウインドウはすべて軽量なポリカーボネート製とされている。ベース車でも簡素だったインテリアトリムは、ほぼ剥き出しのカーボン地となり、張り巡らされたロールケージと一脚だけ残されたドライバーズシートが戦うためのマシンであること伝える。
パワーユニットはベース車とほぼ同一の4リッターNAで、最高出力は従来型よりも50psアップの550psという値が示されている。そのパワーは6速シーケンシャルトランスミッションを通じてリアタイヤを駆動する。ドライバーはクイックリリース付きカーボン製ステアリングホイールに備わるパドルでシフトチェンジを行う。なおGT3 Rとして初めてエアコンを装備しており、シートとヘルメットへ直接冷気を送り込むことで、ドライバーの集中力向上を図っていることも注目すべきポイントだろう。
911 GT3 Rの価格は税抜で45万9000ユーロ(約6000万円)。納車は2018年12月以降が予定されている。