昨年、18年ぶりのWRC(世界ラリー選手権)参戦で大きな話題を呼んだトヨタが、6月1日(金)公開の映画『OVER DRIVE』に特別協賛&全面協力したということで、さっそく試写会に潜入してきました。正直、若者のクルマ離れが話題にのぼる昨今ですので、「クルマ、それもラリーが舞台で関心を呼べるのか…?」という思いもよぎりましたが、メガホンをとったのがあの「海猿」シリーズの羽住英一郎監督ということで、これはもう期待が高まります。
ざっくりですがストーリーは、WRCへのステップアップを目指す若き天才ラリードライバー檜山直純(新田真剣佑)が、メカニックを務める兄・檜山直純(東出昌大)と共に、その登竜門である国内トップカテゴリーで苦闘しながら年間チャンピオンを目指し、人間としても成長していく物語。クルマ好き目線でその注目&魅力ポイントをいくつか紹介していきましょう。
まずは、いきなり大迫力で「バリバリバリバリッ~、グイ~~~~ンッ、キュキュキュキュキュッ~~~」と押し寄せるモンスターマシンの大音響とリアルな走り。実際に南アフリカ国内選手権で2年連続輸優勝したというヤリスを国内に持ち込み、さらにレースシーンでステアリングを握るのはトップラリードライバーである奴田原文雄さんと勝田範彦さんのお二人だとか。本物へのこだわりが伝わってきます。
次は、アジア2戦を含め、日本全国を転戦しながら年間13戦を争う“SEIKOカップラリーシリーズ”と名付けられた架空のタイトル。そのロケーションが凄いんです。世界中のコースを知るモータースポーツ・フォトグラファーと協力して選ばれたという舞台は、それぞれが「ありえない!」と叫んでしまうようなコース設定。詳しくは映画館で確認して欲しいのですが、お台場や首都高速などの身近なコースを激走するシーンでは、自然と興奮も高まります。当たり前ですが、映画館を出た後に決してマネをしないようにお願いします。
最後は、劇中でちょいちょい出てくる専門用語。おそらく映画館にいる大多数の観客が「?」の中、クルマ好きだけが「なるほどね~」と理解できる愉悦を強く感じられます。以上、少しストーリーの本筋から離れた目線で楽しんでしまいましたが、もちろん最後には素晴らしい感動が待ち受けている『OVER DRIVE』。クルマにさほど興味がない方でも、十分に楽しめる映画だと思いましたよ。