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上海モーターショー2023「イッキ見」 日欧の注目発表続々 迎え撃つ中国メーカーは

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上海モーターショー2023「イッキ見」 日欧の注目発表続々 迎え撃つ中国メーカーは

激アツの上海 圧倒的な開催規模

大規模なモーターショーは近年、欧州では衰退しつつあるが、今年の上海モーターショーはその重要性を再認識させてくれるものだ。

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正式名称は「第20回上海国際自動車工業展覧会」だが、「オート上海」というブランド名で開催される。このイベントの規模は計り知れない。32万平方メートルの展示スペースに1000以上の出展者が集まり、100以上の新型車を紹介するプレスカンファレンスが150も開かれる。

そして、アップデート、バリエーション、サードパーティによるコンバージョン、既存製品の中国デビューに目を通したとしても、まだまだ注目の展示はある。前回の開催は、2021年、新型コロナウィルスの感染が拡大する中で、多くの海外企業が欠席した。

中国での規制が緩和され、海外企業は世界最大の自動車市場とのつながりを取り戻すべく、一斉に戻ってきた。欧州からはメルセデス・ベンツ、BMW、フォルクスワーゲン、ポールスター、日本からはトヨタ、ホンダ、日産などが、広大な展示場で重要な発表を行った。

一方の中国企業も、特に膨大な数のバッテリー電気自動車(EV)で、迎え撃つ準備を万全に整えている。デザイン、パワートレイン、製造品質において、中国の最高級モデルは欧州車ともまったく遜色がなく、デジタル技術の面でも優れていることが多いのだ。

もちろん、中国政府が輸入ガソリンへの依存度を下げ、国内の自動車産業を加速させるために電動化へ移行するという大きな好機もある。しかし、中国には、国家統制、検閲、人権、地政学など、考慮すべき重要な問題があることも忘れてはならない。

ただ、自動車という観点で見れば、感銘を受けざるを得ない。BYDやジーリー(吉利)、スタートアップのニオ(NIO)といった中国企業のブースを見て回ると、彼らが現在生産している自動車の量、規模、種類に感心してしまう。

勢いを強める中国企業 海外進出も

だが、見るべきが多い今回のショーにおいて、最も特徴的で印象的だったのは、たった2台のクルマが展示されたブースだった。ポールスターは、8万本以上の赤いチューリップに囲まれた台座の上に、新型クーペSUV「4」と大型SUV「3」を並べて展示しているのだ。忘れられないドラマチックな光景で、大胆なビジュアルデザインを得意とするスウェーデンのブランドらしさを体現している。ポールスターがボルボから独立し、明確で魅力的なアイデンティティを確立したことの象徴でもある。

ポールスターが親会社である中国の巨大企業ジーリーのリソースと技術を活用できることは、言うまでもなく大きな助けになっている。同じくジーリー傘下で、ポールスターやボルボと共通のプラットフォームを使用し、欧州市場を意識したZeekr(ジーカー)とLynk & Coもかなりの存在感を示していた。

Zeekrは新発表の展示はなかったが、プレスカンファレンスで欧州市場への参入を発表した。欧州部門責任者のスピロス・フォティノス氏は、Zeekrが今後10年以内に「メジャープレーヤー(大手)」になると豪語している。大胆な発言だが、そのためのリソースは確かにある。

Zeekrは現在、中国で高級EVブランドとして事業を展開しているが、この分野のトップブランドはおそらくニオであり、ポールスターに匹敵する虎の子のEVブランドである。欧州導入は予定より遅れたかもしれないが、中国ではトップクラスの企業であることを証明しており、顧客(ニオが言うところのユーザー)は純粋にニオに対して情熱的であるように見えた。

ニオのCEOであるウィリアム・リー(李斌)氏が、来場者にツーショットの写真撮影を要求されながら、自分のスタンドで交渉する姿を見れば、その熱意がわかるはずだ。ニオは顧客の間でコミュニティ意識を高めており、このゲームにおいてブランドがいかに重要であるかを示す好例と言えるだろう。

「新旧」入り交じる混戦模様 注目は?

もちろん、欧州の老舗企業はブランドを構築する必要はない。課題は、EVへの移行期にも顧客にアピールできるようにすることだ。

フォルクスワーゲンは今回のショーで、中国市場のトレンドにぴったりなEVセダン「ID.7」を、IDの全シリーズと共に披露した。また、その向かい側では、ジェッタ(Jetta)の大きな展示があった。ジェッタは中国限定の低価格ブランドで、かつてのセダンに対する中国人顧客の愛情を反映して名付けられた。

BMWは、人目を引く「i Vision Dee」コンセプトを展示しているが、同社のブースで最も新しいのはM部門の2台のマシン、「i7 M60」と「XMレーベル・レッド」であった。どちらも賛否両論あり、英国人記者の目には、アンディ・ウォーホル氏のアートカーである美しい「M1」の近くに、巨大なi7が置かれていることが不利に映るようだ。しかし、BMWは自社のマーケットを理解している。中国のインフルエンサーのカメラは皆同じ方向を向いている。

BMWグループからはミニのコンセプトモデル「エースマン」が登場し、クラシックなハッチバック(電動化されているとはいえ)を手元に置いてブランドの伝統を強化している。日産とトヨタは、中国限定のEVコンセプトを発表している。いずれも、1つの市場に限定するにはあまりにもったいないものだ。

創立75周年を迎えたロータスのブースは、モーターショーにおける過去最大の規模を誇っている。EVハイパーカーの「エヴァイヤ」と電動SUV「エレトレ」を見守るように、1980年代のF1マシンとその歴史を紹介するディスプレイがあり、まさに新旧が融合した展示内容となっている。

中国の消費者は必ずしもロータスを知っているわけではない。ロータスの目標は、彼らを啓蒙することだ。ロータスはジーリー傘下で若返り、過去からの脱却を図っているが、その中核には長年培ってきた価値観を保持しようと、強く意識している。

そのほかにも、中国の主要メーカーが勢揃いし、主力製品だけでなく、急成長するEV市場のさまざまな側面に焦点を当てたサブブランドも増加している。BYDのブースでは、その規模を如実に示しており、その規模を英国に持ち込めばメジャープレーヤーとなり得る。しかし、BYDで最も際立っていたのは、最小のモデル「シーガル」である。今の欧州にもっと必要な、低価格の乗用EVである。

そして、あまり知られていないブランドからの印象的な展示もあった。Xpeng(シャオペン)、HiPhi(ハイファイ)、Arcfox(アークフォックス)、Aion(アイオン)などなど。何時間でも見ていられそうだが、すべてをリストアップするだけで日が暮れてしまうだろう。注目すべきは、中国国外での成功が確実視される中国製マシンがいかに多いかということだ。上海モーターショーで印象的だったのは、その規模だけではない。

アウディF1マシン

アウディは、ザウバーとのパートナーシップで2026年にF1に参戦する準備を進めており、F1における中国市場が重要性を考慮して、上海でフォーミュラカーを披露した。持続可能な燃料への移行と、各チームのコスト上限が、アウディのF1参戦の大きな動機となった。

BMW i7 M70

本格的なMモデルとまではいかないかもしれないが、i7 M70は660psのパワーと一軒家をも引っ張れそうな大トルクを備えており、スーパーカー顔負けの性能を持つ高級リムジンと言えるだろう。実際、0-100km/h加速はポルシェ718ケイマンGT4よりも速い。しかもBMWによれば、1回の充電での航続距離は540kmに達するそうだ。究極のオールラウンダーかもしれない。

BMW XMレーベル・レッド

非常にパワフルなハイブリッドSUVが、上海で正式デビューを果たした。XMレーベル・レッドは、0-100km/h加速を3.8秒で駆け抜ける、最高出力748psの過激なスタイルのSUVだ。価格は17万860ポンド(約2860万円)から。通常のXM(653ps)をベースに、V8エンジンを改良してパワーアップを実現。電気のみで走行できる距離は75~83km、EVモードでの最高速度は140km/hに達する。また、オプションのMドライバーズ・パッケージを装着した場合、最高速度は290km/hに引き上げられる。

BYDヤンワンU9

アウディR8に対する中国の回答。12万2100ポンド(約2000万円)のスポーツクーペで、各車輪に電気モーターを搭載し、0-100km/h加速は2.0秒以下と言われる。ヤンワンU9は、BYDが開発したEV技術を採用しており、アルファ・ロメオやアウディで経験を積んだヴォルフガング・エッガー氏をデザイン責任者に置き、このスタイリングを仕上げた。

BYDシーガル

ヤンワンと並ぶBYDのもう1つの大きな発表は、小さな小さなクルマだった。シーガル(Seagull、カモメの意)という素晴らしい名前を持つ、4人乗りの小型EVで、新しいナトリウムイオンバッテリー技術を使って270km以上の航続距離を実現。価格は8000ポンド(約130万円)以下に抑えられている。モーター出力は75pspと100psの2種類あり、航続距離405kmのロングレンジ仕様もある。インテリアでは、BYDの従来車と同じ回転式のタッチスクリーンが搭載されている。安価なEVが求められている欧州市場にこそ導入してほしいが、今のところは夢物語でしかない。

HiPhi Y

HiPhi(ハイファイ)は現在、大型SUVの「X」とグランドツアラーの「Z」を展開している、中国の高級EVブランドだ。エントリーモデルの「Y」は、HiPhiの欧州進出の足がかりとなる、Xより一回り小型ながら奇抜さに劣らない電動SUVである。年末に受注開始予定で、7万5000ポンド(1250万円)以下の価格と量販を目指している。

レクサスLM

レクサスは、LM(Luxury Mover)の第2世代を上海で発表した。トヨタ・アルファードの上に位置する高級ミニバンで、広さと快適性に重点を置き、3列7人乗りと2列4人乗りが用意されている。シートは低弾性ポリウレタン素材を採用し、リクライニングや7種類のマッサージ機能を備える。また、1列目と2列目のシートの間にはガラスパネルが設置され、ショーファーカーとして乗員のプライバシーを守ることができる。パワートレインは2.4Lまたは2.5Lの直4ハイブリッド。日本や欧州にも導入予定だ。

メルセデス・マイバッハEQS SUV

メルセデスの超高級サブブランドであるマイバッハの電動SUVフラッグシップ。高級車による利益重視の戦略に移行する新時代を象徴するものだ。マイバッハがEQS SUVに期待しているのは、まだ高級電動SUVを展開していないベントレーやロールス・ロイスよりも一足先に地盤を固めること。マイバッハの特徴であるツートンカラーの塗装と、「ファーストクラス」と呼ぶにふさわしいインテリアを備えている。パワーは最高出力668psと最大トルク97kg-mを発生する2基の電気モーターを搭載し、航続距離は600kmとなる。

ミニ・エースマン

コンセプトモデルとして発表されたエースマンは、ミニ初のEV専用車であり、非常に重要なモデルである。2025年に登場し、ハッチバックのクーパーとSUVのカントリーマン(日本名:クロスオーバー)の間を埋めることになる。2012年のペースマン以来となる新しいネーミングを採用し、市販車はコンセプトとほぼ同様のものになるとされている。

ミニ・クーパーS Eコンバーチブル

英国で150台、欧州で999台の限定生産となるミニ・クーパーS Eコンバーチブル(英国名:エレクトリック・コンバーチブル)が、中国で公開された。通常のハッチバック仕様をベースにソフトトップを装備し、最高出力183psのシングルモーターにより0-100km/h加速8.2秒、航続距離200kmと見込まれる。

ニオES6

ニオの電動SUV、ES6の改良新型がショーで披露された。第2世代のプラットフォームを採用し、航続距離と性能のわずかな向上が期待されているが、詳細は未確認だ。ES6は、7人乗りのES8と同じプラットフォームを採用し、前後に電気モーターを搭載する。スポーツグレードの「パフォーマンス」では、326psのフロントモーターと218psのリアモーターを使用する。ベースグレードの「スタンダード」は、218psのモーターを前後に搭載している。航続距離は最大513kmだ。

日産アリゾン

日産はデジタル時代のオーナーの生活をより快適にすることを目指し、無骨なSUVに顔認識機能付きのバーチャルアシスタントを搭載した。現時点ではコンセプトモデルだが、おなじみのCMF-EVプラットフォームをベースに、アリヤと密接に関係する市販車へと進化する。

日産マックスアウト・コンセプト

日産の奇抜な電動2シーターが、中国デビューを果たした。持続可能性と「革新的なモビリティ」の開発を目指す一環として登場したマックスアウトは、市販化されれば、おそらく固体電池技術が採用されることになるだろう。ユニークなアロイホイール、四角いオープンエアインテーク、フロントグリルを模した形状のリアライトバーなど、フューチャリスティックなデザインになっている。「優れた操縦安定性や快適性など、新次元のドライビング体験」の提供を目指したオープンカーである。

ポールスター4

ポールスター4は、次期ポルシェ・マカンEVに対抗するスポーツ・クロスオーバーである。セダンの「2」とSUVの「3」の中間に位置づけられ、価格は5万ポンド(約830万円)から6万5000ポンド(約1080万円)とされ、シングルモーターとツインモーターから選択できる。

ポルシェ・カイエン

ポルシェのフラッグシップSUVが刷新され、この春に発売される。EVのタイカンにインスパイアされたキャビン、エクステリアの小変更、20万kmのテスト走行で磨かれたシャシーなど、マイナーチェンジながら包括的に再設計された。「ポルシェの歴史上、最も大規模な製品改良」とも言われている。さらに、カイエンSはV6エンジンからV8エンジンに変更され、ターボGTは0-100km/h加速で911 GT3よりも速くなった。……しかし、高性能モデルは環境規制の影響で一部の市場でしか購入できない。

スマート#3

スマートにとって最大のモデルとなる#3は、人気の高い電動SUV市場への足がかりとなるべく設計された新型EVである。技術仕様はまだ一般には公開されていないが、中国から流出した情報によると、全長4400mm、全幅1800mm、全高1600mm、ホイールベース2785mmで、フォルクスワーゲンID.5に近いサイズであることが判明している。ベースモデルには、最高出力272psと最大トルク34.8kg-mのシングルモーターが搭載され、高性能なブラバス仕様もラインナップに加わるようだ。

トヨタbZコンセプト

トヨタは、上海モーターショーで2台のEVコンセプトを発表した。イエローの車両はと呼ばれ、若いZ世代をターゲットにしており、おそらくbZ4Xがベースになっていると思われる。もう一方はbZフレックススペースという家族向けのSUVである。2024年に中国で発売予定とのことだ。

トヨタbZ3

テスラ・モデル3のライバルとなる、トヨタの5ドアEVセダン。中国大手BYDのブレード・バッテリー技術を使って640km近い航続距離を実現し、「レスポンスの良い」走りを持つという。bZ3は中国で生産され、今のところ中国でのみ販売される予定だ。しかし、AUTOCARがトヨタの欧州製品責任者に、欧州導入の可能性はあるかどうか尋ねたところ、「期待していてください」との返答が。

フォルクスワーゲンID.7

ドイツの大手自動車メーカー、フォルクスワーゲンのMEBをベースとしたEVセダン。同社のIDシリーズにおける6番目のEVであり、やがて、欧州Dセグメントにおける唯一のモデルとなる予定だ。フォルクスワーゲンによると、このモデルは「長距離走行用」に特別に設計されており、プロとプロSの2種類のグレードが用意されるという。WLTP航続距離は700km、価格は約5万ポンド(約830万円)を見込む。最高出力286ps、0-100km/h加速は6.0秒で、2023年末に欧州でも発売予定だ。ステーションワゴンも後に登場する。

シャオペンG6

シャオペン(Xpeng)の5番目の市販車となるG6は、2024年から欧州で販売される予定のミドルサイズの電動クロスオーバーだ。ミニマルなデザインが特徴で、前輪駆動と四輪駆動があり、出力は210psから296psになると予想されている。

Zeekr X

Zeekr Xは、同社の関係者が「積極的なグローバル・マーケティング攻勢」と述べているように、今年の販売台数を14万台以上(昨年の2倍)にするという目標に向けた、屋台骨となる電動クロスオーバーである。関係の深いスマート#1や近日発表予定のボルボEX30と同じシングルモーター/後輪駆動とデュアルモーター/四輪駆動のパワートレインを採用するようだ。最速バージョンでは、0-100km/h加速が4.0秒未満になるという。

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みんなのコメント

3件
  • 参加150社の東京モーターショーに対し、
    参加1000社以上の上海モーターショー。
    日本は完全に捨てられた感じだね。
    少し寂しい。
  • 今頃日本メーカーはbydのシーガルを見てヤバいと危機感を持ったみたいだけど
    五年以上前からEVシフトすると言われてたのにあの全社長がEV嫌いのために日本は終わるかもしれん
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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