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昔あった230馬力の「シルビアミニバン」!? 日産「プレーリーリバティ」スポーティ仕様はどんな車だった?

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昔あった230馬力の「シルビアミニバン」!? 日産「プレーリーリバティ」スポーティ仕様はどんな車だった?

■最高出力230馬力のエンジンに小型ボディ+両側スライドドアの組み合わせ

 日産は、2019年現在自社のミニバンラインナップとして、「セレナ」と「エルグランド」の2車種を揃えていますが、かつてはこの2台以外にも「プレサージュ」や「ラフェスタ」、「キューブキュービック」などさまざまなミニバンを揃えていました。

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 そんな、かつて日産で販売されていたミニバンのひとつに「プレーリーリバティ」というクルマがあります。なかでも、高いエンジンスペックが特徴的だった仕様「プレーリーリバティハイウェイスターGT4」は、珍しいクルマとして知られていますが、具体的にはどんなミニバンだったのでしょうか。

 1982年に登場した初代「プレーリー」が、1998年発売の3代目モデルで改称されて「プレーリーリバティ」が誕生します。5ナンバーサイズのボディで両側スライドドアを持ち、扱いやすいミニバンとして知られる存在でした。

 そんななか、1999年10月にプレーリーリバティへ追加設定されたグレードが、ハイウェイスターGT4です。

 ハイウェイスター自体は、日産がミニバンや軽自動車で現在もスポーティグレードに使っているサブネームですが、車種によって走行性能の強化度合いはさまざまで、現行「セレナ」のハイウェイスター仕様のように、専用サスペンションの採用にとどまっているクルマもあります。

 一方、プレーリーリバティに追加設定されたハイウェイスターGT4は、小型ミニバンとしては異例ともいえるスポーティさが特徴でした。

 エンジンは、最高出力230馬力/最大トルク28.0kgmを発生する2リッター直列4気筒ターボ「SR20DET型」が搭載されました。

 SR20DET型エンジンは、同社の2ドアクーペ「シルビア」にも搭載された実績をもちます。トランスミッションは4速AT、駆動方式は4WDシステムが組み合わされました。

 タイヤサイズはベースモデルの195/65R15から205/60R15に変わり、さらにフロントコンビランプのアンバー色化、本革巻3本スポークスポーツステアリングの設定など、実際の走行性能強化からスポーティさの演出までさまざまな変更が加えられました。

 発売当時、日産はプレーリーリバティハイウェイスターGT4について、「ミニバンの特長である快適な室内空間・ユーティリティ性に、スポーティワゴンのもつ優れた走行性能を融合した、従来にないスポーティミニバンです」と説明しているなど、走行性能への自信がうかがえます。

 乗車定員は7人で、価格(消費税抜)は269万円(東京・名古屋・大阪エリア価格)で、エントリーモデルに160万円台のモデルもあったなかで、群を抜いていました。

■エンジンまでは変えられない? 現行ミニバンのスポーティ仕様とは

 プレーリーリバティハイウェイスターGT4のような過激なスポーティさを持つミニバンは、現在や当時のミニバンと比べて、どのような存在だったのでしょうか。

 ミニバンをはじめとしたファミリー層を対象としたクルマでは、同乗する家族が体感する乗り心地などにも考慮する観点から、他のボディタイプと比べるとスポーティさは比較的敬遠されがちです。

 しかし、スポーティさではなく多人数乗車時の動力性能という観点から見ると、余裕のあるエンジンパワーはむしろ歓迎され、大型ミニバンでは大排気量・ハイパワーのエンジンを搭載したミニバンが数多く存在します。

 2019年9月時点の現行モデルでは最高出力301馬力を誇る3.5リッターV型6気筒エンジン搭載のトヨタ「アルファード/ヴェルファイア」や、最高出力が280馬力で同じく3.5リッターV型6気筒エンジンが搭載された日産「エルグランド」などがあります。

 5ナンバー小型サイズのミニバンでは、価格を抑える観点もあることから、ハイパワーのエンジンが搭載された仕様やスポーティさが強調されたグレードが設定されることは少なく、一部現存するスポーティグレードのトヨタ「ノア GR SPORT」やホンダ「ステップワゴン Modulo X」でもエンジンに手は加えられていません。

 一方、1999年前後に発売されたミニバンを見ると、プレーリーリバティと近いボディサイズでは、5ナンバーサイズという点で共通する背高タイプのノア(当時はタウンエースノア/ライトエースノア)やステップワゴン、セレナのほかに、現在ないモデルとして1999年発売のマツダ「プレマシー」や2000年発売のホンダ「ストリーム」、2003年発売のトヨタ「ウィッシュ」などが存在。

 しかし、いずれのモデルにもプレーリーリバティハイウェイスターGT4ほど過激な性能のエンジンを搭載するグレードは設定されていませんでした。

 プレーリーリバティハイウェイスターGT4より前の発売ではあるものの、1999年から遡ること4年、1995年には三菱「シャリオ」に「リゾートランナーGT」が追加設定されていました。

 このクルマは同社のスポーツモデルである歴代「ランサーエボリューション」シリーズに搭載されていた2リッター直列4気筒ターボ「4G63型」エンジンが搭載され、最高出力230馬力を発揮。プレーリーリバティハイウェイスターGT4と立ち位置は近かったといえます。

※ ※ ※

 プレーリーリバティハイウェイスターGT4は、2001年にプレーリーリバティが「リバティ」に車名を変更したタイミングで消滅します。また、シャリオリゾートランナーGTも、シャリオ自体のフルモデルチェンジ(車名を「シャリオグランディス」に変更)でラインナップされなくなりました。

 約20年が経過した2019年現在、5ナンバーサイズのミニバンに搭載されているエンジンを見ると、1.5リッターから2リッター程度のガソリンやハイブリッドシステムを搭載したクルマが目立ちます。なかには1.5リッターターボ(ステップワゴン)というクルマもありますが、こちらはダウンサイジングが目的のターボとなっています。

 効率のよい走りを見せるミニバンがそれだけ増加したということではありますが、一方で前出のノア GR SPORTやステップワゴン Modulo Xの設定があることから、ミニバンの走りの良さに対する需要もいまだ存在しているといえます。

 小型ボディにハイパワーのエンジンを組み合わせたミニバンを、国産メーカーが再びラインナップすることはありうるのか、注目されます。

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