今回は、所有しているクルマのほかに、買い物や通勤に使うチョイノリで使えて、走りを楽しめる中古セカンドカーを紹介。しかも誰もが買いやすい30万円という予算で、走りを楽しめるクルマを探すという。どんなクルマが出てくるのか??
文/高根英幸、写真/スズキ、日産、マツダ、ダイハツ、AdobeStock
【格安MT車検討勢必見】30万円以下かつ15年落ちがキモ!? 超穴場なクルマ6選
■ネット上にある中古車の中からどう選ぶべきか
多くある中古車の中からどういう基準で選ぶのかもユーザーにとって悩むところ(写真: xiaosan - stock.adobe.com)
一時の高騰ぶりから、やや価格が落ち着いてきた中古車市場だが、インターネットで中古車を探そうとした時、どういう選び方をするだろうか。
車種や型式で希望が決まっているなら、それを選択して価格順に並べ変えればいいが、具体的に車種が決まっていないなら、ボディタイプや予算、あるいは排気量で選ぶような絞り込み方をするだろう。
それでもネット上に公開されている中古車の数は膨大だ。何千台もの中古車からお買い得なクルマを選び抜くには、どうしたらいいのか。今回は安くて運転が楽しめるクルマを選ぶ方法を解説しよう。
■低予算で走りが楽しいセカンドカーを手に入れよう!
新車、中古車問わず、何よりも優先されることは「予算」だ。どのぐらいの予算にしようか悩むところだ(写真:Angelov - stock.adobe.com)
この場合、何よりも優先されるのは予算だ。
低予算でクルマを購入する場合、特定の車種で探すことも不可能ではないが、欲しいクルマがある場合はそのクルマに見合った充分な予算(分割払いなら支払い回数を伸ばせば予算は増やせるが)を用意することが必要だ。
ここでは今所有しているクルマに加えて、遊べるセカンドカーを増車する時のことを想定してみよう。ミニバンを家族で利用していて、もう1台キビキビ走れるクルマが欲しいクルマ好きも多いハズだ。
あるいは今や人気急上昇で価値も高まっている旧車のオーナーたち。
週末に走らせたり磨いたりを楽しむのはいいが、通勤や近所の買い物などちょいノリや足代わりに使うのは、クルマのコンディションを維持することを考えると、ちょっと避けたいところだ。
そんな旧車オーナーにも手頃な価格で手に入るセカンドカーは、ちょうどいい存在なのではないだろうか。
そこで誰もが買いやすい30万円という予算で、走りを楽しめるクルマを探すことにしてみよう。まずは中古車サイトで車両価格を30万円に設定し、絞り込んでみる。
■車両価格30万円台で買うなら中古MTを選ぶと良いって本当?
筆者曰く、15年落ちとMT車という条件で絞り込んでみると、30万円の予算でも走りが楽しめるクルマを手に入れることができる、という
例えばスイフトスポーツのようなホットハッチでも30万円から探すことは可能だが、それは15万km近く走っているクルマであったりして、そのまま長く乗れるようなクルマとはちょっと言い難い。
そこで走行距離は5万km以内、純正パーツの供給状況も考えて、年式は2008年以降、つまり15年落ちまでのクルマに絞り込む。
それでも1000台以上のクルマがリストアップされるが、運転が楽しめるかはまた別の問題だ。
そこでMT車に絞り込んでみると、グッと数が絞り込まれると共に意外な車種が浮かび上がってくる。
軽トラックは、カスタムするとなかなかカッコいいし、走りも楽しめるがそれはカスタム費用がある程度必要だから、今回の趣旨からはやや外れるから除外するとして、軽バンなども同様の理由で対象外とする。
30万円台で買えるクルマの中でMTを選んだのは、その予算ではAT車でスポーティに走りを楽しめるクルマは、ほとんどないからだ。
ATで走りが楽しいモデルとなると、ある程度車格に合わせたパワフルなエンジンが必要で、パドルシフトやMTモードなどのスポーティに走れるための装備も必要だ。
しかし、それらは30万円の予算では届かない。ところがMTに乗れる人であれば、30万円の予算でも走りが楽しめるクルマを手に入れることができる。それはなぜか。浮かび上がってきた車種を見れば、ある種の法則があるのだ。
■スイフトスポーツではなく「スイフト」を狙え!?
スイフトスポーツのようなスポーティモデルではない、スイフトMTモデルは、人気が低いこともあり、リーズナブルな価格で購入することができる(写真は2代目)
まずはスズキ・スイフトだ。スズキ・スイフトと言えば、歴代のスイフトスポーツはどれも走りを楽しむクルマ好きに人気のクルマだ。
(編注:2008年式だと、2代目スイフトが該当する)
しかし30万円で手に入るのはスイフトスポーツではなく、普通のスイフト 1.3XGである。
市街地や郊外を走る程度なら1.3Lでも充分だし、パワーが少ない分加速時にはエンジンを高回転まで引っ張って、シフトワークを楽しむことだってできる。
スイフトスポーツなどのスポーティグレードのMT車は人気が高いので、低走行車は値落ちが少ない傾向にある。しかしスポーティではない普通のグレードのMTモデルは、人気が低いので価格が低め。
さらにこうした一般グレードのMT車は、比較的高齢なドライバーがATを嫌って選ぶことも多く、走行距離が少ないだけでなくクルマのコンディションも良好であることが多いのだ。
しかも近所の買い物などに時々使っていた程度で、シートや足回りなどにヘタリが少ない個体も多い。
■フィット・デミオ・マーチ 人気コンパクトカーも予算範囲内で手に入る
ホンダ2代目フィットの1.3Lエンジンを搭載したGかAといったグレードが狙い目
次に挙げたいのがホンダ・フィットだ。30万円の予算で狙いたいのはGE系と呼ばれる2代目のフィットで、1.3Lエンジンを搭載したGかAといったグレード。
フィットであればスポーティグレードのRSが人気だ。1.5LエンジンのRSは確かにパワーがあって、フィットをよりキビキビ走らせてくれるが、人気車種とあってMTは価格は未だに高い。
それでも前期モデルのAT仕様ならRSでも人気が低めなのとタマ数も多く、30万円前後でも見つけられる。
だが1.3Lモデルなら、30万円の予算でもさらに高年式低走行でコンディションのいいクルマを見つけやすいのだ。
マツダのデミオもDE系と呼ばれる3代目、しかも1.5Lエンジンでスポーティグレードのスポルトまで30万円の予算で手に入るが、フィット同様スポーティグレードは30万円では個体が少なく、走行距離も多めだ。
13CのMTでも走りを楽しんでいるオーナーは多く、カスタムされた個体や、コンディションのいい個体が見つけられる。
同じ理由で日産マーチの3代目、K12マーチも12SRではなく12Sや12Cなら、コンディションの良いMTが激安で手に入る。
しかも足回りや補剛パーツなど、フットワークやスタイリングをチューニングするパーツは、人気のグレードと共通だから、アフターマーケットには未だに豊富に見つけられる。
つまり走り好きのセカンドカーには打ってつけのクルマたちなのである。凝りすぎてカスタムやモディファイにお金を注ぎ込みすぎないように気を付けたい。
■日産ノートを狙うならパワフルなエンジンを持つ初代モデル!??
初代ノートのベースグレードにあたる「16X」が予算30万円の射程圏内に入る。ただし、自動車税が割高になることが難点だ
そして日産ノートも初代モデル、グレードは16Xが射程距離に入る。1.5LのCVTモデルも買えるが、これは買い物用には申し分ないが、クルマ好きには物足りずすぐに飽きてしまう可能性が高い。
ノートであればニスモが人気のスポーティモデルとなるが、初代モデルには設定がなく、MTが用意されたのも16Xと16RS、RZの3グレードのみ。
16RSでも30万円で買えるモデルもあるが、ベースグレードの16Xの方が走行距離が短い傾向にある。
難点はエンジンの排気量が1.6Lなので、自動車税が割高になるということだ。パワフルなエンジンを搭載しているからと、割り切れる人はノート16Xを手に入れても満足できることだろう。
軽ならダイハツ初代エッセは、一部の軽マニアには人気のクルマで走りの楽しさにも定評がある。
やはりキビキビ走らせるなら、ダイレクト感の高いMTを選んだ方がいい。数年乗っても売却するときに値落ちが少ない可能性もある。
国産車なら5年乗って遊べるクルマが30万円でも手に入る。ネットでこうしたクルマ探しをして、妄想するだけでも楽しめる、というものだ。
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みんなのコメント
一代限りだったはずですが。
3年前に7万で購入、ノントラブルです。
紹介されている車種の他に「Vitz RS」を加えて良いと思います。