まるで二世タレントやスポーツ選手かのように、かつて一世を風靡した名車と同じ名を冠しながら、イマイチ人気がふるわないクルマがある。そんな名前負けしちゃったともいえるビミョーなクルマとは?
文/井澤利昭、写真/ホンダ、三菱自動車、CarsWp.com
ご先祖さまにあやかりたい!? [復活したけどビミョーだった]残念なクルマ
【画像ギャラリー】ご先祖さまは一世を風靡したしたものの…(13枚)
三菱の名車の名を継ぐも国内ではふるわず…「三菱ミラージュ」
現在のところ国内では最後のモデルとなっている6代目ミラージュ。写真は2020年にマイナーチェンジが施されたモデルで、タイ仕様車で先行して導入されていた「ダイナミックシールド」と呼ばれるフロントフェイスを採用し、よりスタイリッシュな姿となっている
1978年に初代モデルがデビューし、三菱を代表する小型自動車ともいえるのが「ミラージュ」だ。
4速MTに副変速機を加えることで8速MTのように使えた「スーパーシフト」を備える初代や、エリマキトカゲを起用したCMで話題となった2代目。
1.6リッター・インタークーラー付きターボを搭載したスポーティモデル「CYBORG(サイボーグ)」を擁する3代目や、世界最小の1.6リッターV6エンジンを採用した4代目の「ミラージュ6」などなど、歴代モデルのいずれもが個性的かつ魅力的なオーラを放っていた。
ミラージュはその後も、1995年に登場した5代目モデルまでモデルチェンジを繰り返すものの、2000年をもって販売を終了。その長い歴史にいったんはピリオドが打たれることとなった。
国内でミラージュの名が蘇ったのはその12年後の2012年。タイ生産の世界戦略車であるコンパクトカーに6代目となるミラージュの名が与えられた。
多くのパーツを現地調達し、コストを削減することで実現した廉価グレードで100万円を切る低価格や、剛性を落とすことなく徹底した軽量化を図ったことによる低燃費の実現。
コンパクトな車体が生む取り回しの良さなどを売りにし、唐沢寿明や本仮屋ユイカをCMに起用するなど、プロモーションも大々的に行われた。
ところがチープにも見えるグリルレスのフロントマスクや非力な直列3気筒1リッターエンジンなどが国内ではウケなかったためか、苦戦。
発売年である2012年に掲げた目標販売台数3万台は半数程度にとどまり、翌年以降も低迷することに。
エンジンの1.2リッター化やタイ仕様で先行して採用されていた「ダイナミックシールド」と呼ばれるスタイリッシュなマスクへとエクステリアを変更するなどのテコ入れがなされたものの、そのかいもなく国内での販売を2023年2月に終了することとなった。
国内ではその歴史に再度ピリオドが打たれてしまったミラージュではあるが、アジアを中心とした海外ではまだまだ健在。果たして三度その名が日本で蘇ることはこの先あるのだろうか?
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スペシャルティカーから独創的なSUVスタイルに!「ホンダZ」
大ヒットとなったN360をベースに、軽自動車初のスペシャルティカーとして1970年に登場したのがホンダの「Z」だ。
クーペらしい流れるようなラインを持つ2ドアハッチバックのボディは、その小ささもあってどこかキュートさを感じさせ、「水中メガネ」とも呼ばれた後ろ姿も愛嬌があるものだった。
登場の翌年である1971年には5速MTと前輪にディスクブレーキを備えたグレード「GS」も追加され、スポーティなスタイルそのままのキビキビとした走りは実に魅力的であった。
Zはその後登場するスズキのフロンテクーペや三菱のミニカスキッパー、ダイハツのフェローMAXなど、軽スペシャルティカーの先駆けとなったものの、軽自動車から小型自動車へとシフトしていく時代の流れもあり、わずか4年でその生産を終えることとなった。
それから24年後となる1998年。2代目として蘇ったZは、初代とはまったく違うSUVタイプの姿となって人々の前に登場した。
同時期に登場したライフとともに、新しい価値を創造する世界基準のスモールカー「Kムーバー」と呼ばれた2代目Zは、驚くことにエンジンをミドシップ、しかも床下に搭載したUM-4(アンダーフロアーミッドシップ4WD)を採用。
エンジンを縦置きにしたミドシップ4WDというレイアウトは、「ランボルギーニディアブロと同じ」として、話題となった。
また、前後の重量配分を理想的な50:50とすることで高い運動性能とともに、フラットで広々とした室内空間も実現。
クルマとしては魅力溢れるものであった2代目Zではあるが、当時としては高価であった車両価格(NA:114.8万円~、ターボ:128.8万円)が災いしてか売り上げのほうは伸び悩む結果に。
初代と同じく発売からわずか4年で販売が終了することとなった。
発売当時はビミョーな存在であった2代目Zではあるが、軽自動車の高級化が進みSUV全盛の現代でなら、ヒットする可能性があるかもしれない。
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一度途切れたはずのその歴史が復活するも苦戦中!?「ホンダオデッセイ」
それまでの常識を覆す低ルーフスタイルのミニバンとして1994年に登場し、その後訪れるミニバンブームを牽引。当時業績が低迷していたホンダの危機を救うほどの大ヒットとなったのが初代オデッセイだ。乗用車ベースの走りの良さも、人気の秘密だった
「クリエイティブ・ムーバー(生活創造車)」の第1弾として1994年に登場し、業績が低迷していた当時のホンダを救った救世主とまで言われるほどの人気となった初代「オデッセイ」。
当時のミニバンにはなかった低ルーフの異色なスタイルや、FFだからこそ実現した低床化、セダンベースの走りの良さなどがヒットの要因とされ、初代モデルは1999年までのロングセラーに。
その後もその名は受け継がれ、5代目モデルが2013年に誕生。狭山工場の閉鎖に伴い、2021年をもって国内での販売が終了した際は大きな話題となった。
ところが2023年の春、ホンダは突如オデッセイの販売を再開することをアナウンス。その年の12月に再び国内市場へと投入されることとなった。
販売が再開されたオデッセイは国内販売を停止した際の最終モデルであった5代目と同じではあるものの、中国で生産したものを改良して輸入するという形態がとられ、これはホンダ車としては初の試みに。
歴代初の両側スライドドアを採用し、大柄になったボディを持つ5代目オデッセイだが、再登場した新モデルでは全車が「e:HEV」モデルとなるなど、時代に合わせた変更もなされた。
いっぽうで、ベースとなっているモデル自体の古さや、従来のオデッセイファンには違和感のある内容からか販売のほうはイマイチの結果に。同クラスのライバルと比べても地味な印象は否めず、その人気は低迷している言わざるを得ない。
名車の名前を残すためにも、初代オデッセイのようなインパクトのある次期新型の登場を期待したいものだ。
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不名誉なカタチで有名になった迷車をさらに超えた!?「三菱プラウディア」
プラウディアに2代目があると聞いて、その姿を思い浮かべられる人は、なかなかなのクルマ通(?)ではないだろうか。
韓国の自動車メーカー、ヒュンダイとの共同開発で生まれた初代プラウディアは、三菱の高級セダンとして長年親しまれてきたデボネアの後継として2000年に登場。
高級車=FRという当時の常識を覆し、高級セダンでは珍しいFFを採用することで限りなくフラットに近いフロアを実現し、後部座席の快適性をより追求したモデルだった。
また、4.5リッターV型8気筒DOHC32バルブエンジンを採用したグレードも用意され、他に類を見ないV8大排気量搭載のFF車としても知られている。
ところが登場からわずか1年1カ月でその販売は終了。しかも総生産台数も1228台で、日本車史上もっとも短命なクルマとして、クルマ好きの記憶に残る“迷車”となってしまった。
それから11年後の2012年、今度は日産のフーガをOEM供給として受けることでプラウディアの名が復活。2代目モデルとして登場することに。
2代目プラウディアは仕様変更こそ行われなかったものの、その販売は2016年までの約4年間続き、悪い意味で歴史に名を残してしまった先代の記録を大きく更新。
とはいえ総生産台数は初代の半分以下となる552台にとどまるビミョーな結果となってしまった。
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みんなのコメント
まさにメイドインUSAが、初代の偉大なネームバリューをつぶした
後発なのに、デビューしてからだいぶ経つGT-Rに負けっぱなし、プロレーサーにも酷評され早期に販売終了
いいとこひとつもなし
丸っ切り性格の違うクルマに名車AE86の名前をつけないで欲しい。