■マツダ初の量産EV「MX-30」とはどんなクルマ?
マツダ初の量産ピュアEVとして東京モーターショー2019で世界初公開された「MX-30」。マツダが作る市販EVとは、どのようなクルマなのでしょうか。
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欧州仕様車として公開された新型MX-30のボディサイズは全長4395mm×全幅1795mm×全高1570mm。車体デザインは独自ですが、プラットフォームは「マツダ3」や「CX-30」に使われているものをEV用にモデファイしたものです。
バッテリー容量は35.5kWhで、航続距離は欧州計測モードで約200km。この距離はロングレンジを実現した昨今のEVに比べると短いように感じますが、マツダは次のように話します。
「欧州の人たちの使い方を考えたもので、日常な1日の平均走行距離を満たすものです。バッテリーを多く積めば航続距離を伸ばせますが、環境負荷を考えて必要以上に積みません。環境性能の本質を考えての選択です」
サプライズは、ドアの開き方でした。リヤドアもついているのですが、ドア自体が小さく、フロントドアを開いた状態でのみ後ろ側に開く仕掛けとなり、いわゆる観音開きです。
マツダが「フリースタイルドア」と呼ぶこの方式は、2003年に発売されたロータリーエンジン搭載車「RX-8」にも採用されたもので、そのドアが復活したのです。
もうひとつの驚きは、展示車両が左ハンドルだったこと。日本で開催されるモーターショーにおいて、日本の自動車メーカーが初公開するクルマとしては異例といえるハンドル位置といえます。
理由としては、「MX-30」の販売計画が日本よりも先に欧州で販売されることになっているからで、公開当日(2019年10月23日)から欧州で受注を開始し、2020年後半から納車がはじまるそうです。
もちろん日本にも導入されるのですが、マツダ広報部によると「日本での発売時期は未定」とのことでした。
マツダは「まずはノルウェーなどEV先進国で顧客に届けたい」と説明しますが、どうやらそれだけではなさそうです。背景には、欧州において2021年から始まる自動車メーカーごとの平均値を引き下げることを求められる厳格な二酸化炭素規制(平均燃費規制)への対応もあるでしょう。
ところで、昨今のマツダのSUVの車名は「CX-5」や「CX-8」、「CX-30」など「CX」で始まるのが通例です。しかしこのクルマはSUVながら「MX-30」を名乗ります。どうしてなのでしょうか。
「MX」といえば、日本名「ロードスター」が海外では「MX-5」と呼ばれていたり、かつては「MX-3」や「MX-6」というクルマも存在しました。
マツダによると「『MX』とは常識にとらわれることなく、その時代ごとに新たな価値を提供できるクルマを呼ぶ名称です」とのことです。
マツダ初の量産電気自動車であり、観音開きドアボディを備えたSUVはマツダにとって「新しい扉を開き、新しい価値を提供するモデル」なのかもしれません。
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