アルファ・ロメオ・スパイダー&1750
アルファ・ロメオは独自のロータリー計画を立ち上げ、ロータリーエンジンをスパイダーと1750に実験的に搭載するまでに至った。
【画像】伝統のロータリーエンジン、ついに現代へ復活【マツダMX-30 eスカイアクティブR-EVを写真でじっくり見る】 全42枚
他社がロータリーに情熱を注ぐ中、1973年にアルファ・ロメオは信頼性の低さと燃費の高さを理由に手を引いた。現在はアレーゼのアルファ・ロメオ博物館にエンジンのみが保管されており、ロータリー開発プロジェクトが実在したという唯一の物的証拠となっている。
シボレー・ベガ
ゼネラルモーターズのロータリーエンジン計画は、ベガの生産開始と同じ1970年に始まった。当初はロータリー版ベガが発売される可能性はなかったが、やがて1974年モデルへの導入が噂されるようになる。
プロトタイプが製作され、テストも行われたが、最終的にはGMの判断によってロータリー開発から撤退することになった。1970年から1977年にかけて約200万台のベガが販売されたが、そのすべてにピストンエンジンが搭載されている。
シトロエンGSビロトール
前述のM35に対する好意的な反響に勇気づけられたシトロエンは、GSに新しいコモトール製エンジン(今回はツインローター)を搭載したビロトールを1973年に投入する。標準のGSよりもはるかに高価であり、驚異的なスピードで燃料を消費したが、それはまさに世界的な石油危機の中で誰も望んでいないものだった。
当然のことながら、売れ行きは芳しくなく、プロジェクトはほぼ即座に破綻した。シトロエンは同エンジンを発展させ、ヘリコプターに搭載している。1974年、シトロエンは経営破綻し、プジョーに救済されることになった。GSビロトールだけがその原因ではなかったものの、少なくとも助けにはならなかった。
シボレー・モンツァ
先のベガとは異なり、シボレー・モンツァはGMのツインローターエンジンを搭載し、1975年のモデルイヤーから発売される計画だった。
ロータリー計画が放棄されたことはベガの項でお伝えした通りで、モンツァのロータリー版がどんな結末を辿ったかは推して知るべし、といったところだろう。モンツァは4気筒、6気筒、8気筒のエンジンを搭載して販売されたが、ローターは導入されなかった。
マツダ・ロータリー・ピックアップ
2代目Bシリーズがすでに10年近く生産されていた頃、マツダはヴァンケルエンジンをトラックに搭載し、世界で唯一のロータリー・ピックアップを生み出した。
1974年から1977年まで、米国とカナダでのみ販売された。約1万5000台のロータリー・ピックアップのうち、ほぼすべてが1974年に製造されたというデータを見れば、世界的な石油危機がロータリーエンジン車にどのような影響を与えたか、一目瞭然だろう。
AMCペーサー
もし初期の計画が実現していれば、AMC(アメリカン・モーターズ・コーポレーション)は1975年の導入時からペーサーにロータリーエンジンを搭載していただろう(前輪駆動の可能性もある)。問題は、ロータリーエンジンがGMによって開発されたものだったことで、1975年までにGMはそれを製造するどころか、誰にも供給していなかった。
代わりに、ペーサーは信頼できるAMCの直6エンジンを搭載し、後に5.0L V8エンジンを追加して、後輪駆動方式とした。
マツダ・ロードペーサーAP
マツダのロータリー車の中でおそらく最も無名なのが、ロードペーサーAPである。前項のAMCとは無関係ながら、「ペーサー」の名が被っているのは奇妙な偶然だ……。それはさておき、1975年に発売されたロードペーサーは、出力の割に車重が重く、あまり速くなかった。また、車名のAPとは排ガス対策を示す「Anti Pollution(公害防止)」の略だが、これは一般的にロータリーが得意とする分野ではない。
ベースとなっているのはオーストラリアで製造されたホールデン・プレミア(HJ)で、日本に輸送された後、マツダ独自のツインローターユニットが載せられた。これにより、ホールデンの親会社GMによる正規の計画ではないものの、GMが生産した唯一のロータリー車となったのである(生産台数は非常に少なかったが)。
マツダ・コスモ/RX-5
日本ではコスモ、輸出市場ではRX-5として知られるこのモデルは、ロードペーサーAPに遅れること数か月、1975年に登場した。ロードペーサーAPより一回り小さいものの、20世紀に販売されたRXシリーズの中では最大であった。
販売面では一定の成功を収めたものの、サバンナやルーチェほど注目を集めることはなく、マツダのロータリー車で最も人気となる次期モデル(後述)の影に隠れてしまった。
ラーダ・クラシック
ラーダ・クラシックは、1980年代のスヌーカー(ビリヤードの一種)大会のタイトルであると同時に、アフトワズがロシアで製造したフィアット124由来の乗用車シリーズの総称でもある。
数百万台が生産されたうち、ほぼすべてが1.2~1.5Lの4気筒ガソリンエンジンを搭載している。ごく少数の例外として、シングルローター(1978年~)またはツインローター(1983年~)が搭載されたが、そのほとんどは一般消費者ではなく当局に販売された。信頼性には問題があったと言われている。
マツダRX-7(初代)
1978年から2002年までの3世代にわたって、マツダは81万1634台のRX-7を生産した。総販売台数の半分以上を占めるのが初代で、単体のロータリー車としては最も人気がある。
この栄光は間違いなく、トップクラスのモータースポーツでの大勝利に助けられたものだ。RX-7はスパとデイトナの24時間レース、オーストラリア・ツーリングカー選手権、そして1980年と1981年にはウィン・パーシー氏(1943年生まれ)の運転で英国サルーンカー選手権(後のBTCC)を制したのだ。
ラーダ・サマーラ
ロータリーエンジンを搭載したラーダ・クラシックに驚かれた方は、サマーラの存在を知ると、さらに驚かれるかもしれない。
サマーラの発売は1984年だが、ロータリー版が登場したのは90年代に入ってからのようだ。生産台数はごく少数だが、警察や当局だけでなく個人顧客によって購入された例も多く、最高出力は140psとされている。
マツダRX-7(2代目)
1985年、初代に代わって2代目RX-7が登場。基本的にはクーペで(コンバーチブルも用意された)、スタイリングは初代に似ているが、より現代的に仕上げられた。
ツインスクロールターボを採用し、最高出力は後期型で約200psに高められた。最高速度は240km/h、0-100km/hは6秒だった。
ユーノス・コスモ
1990年に日本でのみ発売された最後のコスモ。頭から爪先までマツダそのものだが、当時はユーノスブランドから販売された。3つのローターを持つ初のヴァンケルエンジン搭載の市販車であり(メルセデス・ベンツC 111はプロトタイプだった)、ツインターボチャージャーを備えている。
最高出力は公式には280psで、これは当時の「自主規制」による上限値であった。コスモは、GPS対応の衛星ナビゲーション・システムを搭載した最初の市販車でもある。
マツダ787B
787Bは、1991年にル・マン24時間レースで優勝したことで知られるグループCレーシングカーの最終モデルだ。ロータリーのイメージに反して特別速いわけではなく、予選では劣勢に立たされたものの、非常に信頼性が高くライバル車がトラブルに見舞われる中、最後まで走り切った。
ベルトラン・ガショー氏、ジョニー・ハーバート氏、フォルカー・ヴァイドラー氏の3名がドライブした787Bは、2位のジャガーに2周の差をつけてゴール。これは日本車による初の、そして2018年まで唯一のル・マン優勝だった。1992年からはレギュレーションが変更され、ピストンエンジン搭載車のみとなったため、ロータリー車の優勝はもう見られないかもしれない。
マツダRX-7(3代目)
20世紀最後のRXは、ユーノス・コスモと共通のツインターボを搭載するが、3ローターではなく2ローターを採用している。それでも、少なくとも日本でのみ販売された後期型では、出力は同じく280psに達した。
このエンジンは、マツダが1970年代に導入したロータリー技術を高度に発展させたものである。しかし、新世紀が近づくにつれ、世界各地の排ガス規制に適合させることは難しくなっていた。次のRXでは、新しいことに挑戦しなければならなかった。
マツダ・ロードスター/MX-5
ロードスターのエンジンをロータリーに換装した例は世界中に数多くあるが、マツダ自身が市販向けのロードスターで行ったことはない。しかし、マツダは1993年、ガソリンではなく水素を燃料とするロータリーエンジンのプロトタイプを製作したのだ。
水素エンジン車の排気ガスのほとんどは水であるため、ロータリーにつきまとう環境性能の問題からは解放される。難しいのは、ロードスターのような小さなクルマに水素を貯蔵することである。さすがにこれは解決できなかったため、水素ロータリーのロードスターは非常に興味深いものの、実験段階にとどまった。
マツダRX-8
RXの最後のモデルであり、21世紀に販売された唯一のモデルであるRX-8は、レネシス(Renesis)と呼ばれる新開発のロータリーエンジンを搭載した4ドア・クーペで、2003年にインターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤーの総合賞を受賞した。ハンドリングは抜群に良かったが、マツダの懸命の努力も及ばず、排ガスを抑えることができず、20万台弱を生産した後に2012年6月に生産終了となった。
ガソリンでも水素でも走行可能なバイフューエル仕様のRX-8も数年間販売されたが、企業向けのリース販売のみだった。
マツダ・プレマシー
輸出市場ではマツダ5やフォードiマックスとしても知られる2代目プレマシーは、通常ガソリンエンジンまたはディーゼルエンジンを搭載するミニバンである。ごく少数がRX-8と同じガソリン/水素のバイフューエル・ロータリーを搭載したが、今回はハイブリッド・パワートレインの一部として電気モーターに接続されている。
RX-8と同様、プレマシーもリースでのみ販売され、一般消費者に直接販売されることはなかった。
アウディA1
アウディ最小のハッチバック、A1をベースとするA1 eトロンは、バッテリーの充電量が一定レベルを下回ると小さなシングルローターがレンジエクステンダー(発電機)として作動するEVである。2010年、本誌はこのプロトタイプを「非常に卓越したもの」と評しており、短時間の試乗でロータリーが4回始動したものの、記者にその始動音は聞こえなかった。
A1 eトロンは結果的にプロトタイプ止まりだったが、アウディがこのようなプロジェクトを試みたのは、歴史的に見ても妥当なことだ。現在のアウディという企業は、ロータリー車を初めて生産したメーカー、NSUの一部を受け継いでいるのだ。
マツダ・デミオ
マツダは2012年、デミオのEV版、その名も「デミオEV」のリースを開始した。その1年後には、レンジエクステンダーとしてシングルローターエンジンを搭載したプロトタイプも公開した。
その原理は前項のアウディA1 eトロンとまったく同じだが、本誌はアウディよりもマツダのエンジン音がかなり大きいと報じた。いずれにせよ、アウディと同様、レンジエクステンダーEVのデミオは本格的な量産には至らなかった。
マツダMX-30
マツダはRX-8以降、ロータリーエンジンの復活を目指してきたが、その努力がついにMX-30 eスカイアクティブR-EVで結実した。新開発の8C型シングルローターユニットにより発電し、バッテリーの充電間隔を大幅に延長する電動モデルである。
EVでありながら通常のガソリン車に近い感覚で使用できる。既存のEVモデルは航続距離が短いが、R-EVは米国でも受け入れられる可能性がある。
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(たとえそれが電動化されたロータリーであろうと)
だから挑戦を意味するMXと名付けられている。