昔も今も、とかく“派手さ”や“速さ”がもてはやされることは致し方ないところ。いっぽう、ライバルに比べて存在感がなかったり、見た目が地味だったりして脚光を浴びることが少ないクルマも数多く存在する。
だけど、そんなクルマに限って良い(=マジメな)クルマが多かったりすることもまた事実。何をもって良いクルマと判断するのかは人ぞれぞれで考え方が違うだろうけど、ここでは“もっと注目されてしかるべし”な影が薄いクルマをピックアップ。マジメが取り柄なクルマたちに幸あれ!?
これぞニッポンのベストサイズ!! トヨタがカローラアクシオを意地でも残す意義はどこにあるのか
文/FK、写真/スバル、ダイハツ、トヨタ、マツダ、三菱自動車
人とは違う軽自動車が欲しい人はこそっと可愛いミラ トコットを選ぶべし
最小回転半径4.4mという取り回しの良さも大きな魅力。衝突回避支援ステム「スマートアシストIII」、SRSサイドエアバッグ&SRSカーテンシールドエアバッグも標準装備と、安全面も万全
今や一大勢力となった軽自動車市場はカテゴリーも多岐に渡り、“可愛い系”と称されるモデルも数多く存在する。
例えばホンダのNシリーズ、ダイハツのムーヴ キャンバスやキャスト、スズキのラパンやワゴンRスマイルなど、可愛い系の軽自動車は枚挙に暇がないが、本来はこのなかに属するはずのミラ トコットの存在感は少々希薄で、街なかでも見かけることが少ない……というのが正直なところ。
しかし、自然体で親しみやすく扱いやすい角が取れた優しいスクエアボディと見た目のアクセントとなる前後の丸いランプで他車にはない個性を発揮。シンプルかつ愛着のわくエクステリアも、先に挙げたモデルと比較して決して見劣りしない秀逸なデザインともいえる。
2021年9月には5つあったグレードが2つに集約されたものの一部グレードに専用ホイールキャップを標準装備したり、ボディカラーを一部変更・追加するなどの改良が行われている。価格も116万2700円からとリーズナブルなだけに、もっと人気になっても不思議ではない一台だと思わない?
このままオサラバ(?)するのはもったいなさすぎるMAZDA6
2020年4月~2021年3月末まで期間限定販売されたマツダ創立100周年を記念する「100周年特別記念車」の一台としてMAZDA6もラインナップ。その際に2.5リッターガソリンターボ車が設定された
2019年8月、アテンザから車名を変更して登場したMAZDA6。
低重心ならではの佇まいの良さや操る楽しさを前面に押し出した4ドアセダンと5ドアワゴンのふたつのボディタイプを設定するとともに、エンジンもアテンザから続くクリーンディーゼルと自然吸気のガソリンという2種類に加え、2.5リッターガソリンターボのSKYACTIV-G 2.5Tを新たに導入して幅広いグレードを展開。
そのなかでも、SKYACTIV-G 2.5T搭載車は加速重視となるファイナルギヤ比の設定や高い制動力を生む17インチ大径フロントブレーキなど、ドライビングが楽しめる装備を充実するだけでなく、スポーティさを演出するブラック塗装のホイールやブラックレザーインテリアを専用設定することで上質さと走りの良さを両立したが、2019年12月に鳴り物入りで登場したSKYACTIV-X搭載のMAZDA3の影に隠れて存在感を発揮することができず……。
とはいえ、MAZDA6のなかでもSKYACTIV-G 2.5T搭載車は羊の皮を被った狼的な性能を有しているだけに、このまま埋もれていくのは惜しすぎる一台とも言える。
地味=リーズナブル? お買い得感がハンパないRVR
2010年以来、フルモデルチェンジなしの状態だが、2019年8月にエクステリアデザインが大きく変更に。実質的にはビッグマイナーと言えるほど外観のイメージは変わった
今の状況に近いアウトドアブームに沸いていた1991年に登場して人気を博した初代から数えて3代目となる現行RVR。
使い勝手の良いトールワゴン型の初代&2代目に対して、スタイリッシュなCUVに生まれ変わった3代目は見晴らしの良いアイポイントによる運転のしやすさと軽量コンパクトなボディがもたらす取り回しの良さ、さらには幅広い用途に対応する余裕のスペースユーティリティが功を奏してスマッシュヒットを記録。
1.8リッターDOHC 16バルブエンジンと6速スポーツモードCVTの組み合わせが質の良い走りをもたらしただけでなく、減速エネルギー回生システムや電動パワーステアリング、空力性能の向上をはじめとした細部にわたる低燃費化技術も採用された。
2019年8月にはデザインを一新し、力強さと堅牢さを表現した現在のスタイルへと大きな変貌も遂げる。強豪ひしめく国内のSUV市場では影が薄いRVRだが、その実力は間違いなくピカイチ。しかも、ライバルよりも明らかにリーズナブルな214万3900円~274万4500円の車両本体価格も大きな魅力だ。
カローラ アクシオは日本が誇る“ザ・マジメ”な一台
2021年9月には、衝突回避支援パッケージ「Toyota Safety Sense」のプリクラッシュセーフティを歩行者(昼)検知機能付き衝突回避支援タイプに変更し、全車に標準装備となった。これで155万7600円~213万4000円と、価格も非常にマジメな設定!?
4セダン、5ドアハッチバック、5ドアワゴン、SUVと多彩なラインナップを誇る現行のカローラシリーズ。そのなかにあって、2012年5月の登場以来5ナンバーサイズのボディで販売を続ける異端モデルが4ドアセダンのカローラ アクシオだ。
“大人4人が安心・安全、快適に長距離を移動できるミニマムサイズのクルマ”をテーマに日本の道路環境にフィットするコンパクト車として登場したカローラ アクシオ。
2013年8月にハイブリッド車を追加、2015年3月のマイナーチェンジで1.5リッター新開発エンジンやToyota Safety Sense Cを採用、2017年10月のマイナーチェンジでフロントグリル周りのデザインを変更、2021年9月の一部改良で安全装備を強化するなど、着実な進化を遂げている。
また、マジメの象徴とも言える教習車に採用されている“トヨタ教習車”(2018年2月発売)もカローラ アクシオがベース。ワイドで良好な運転視界、指導員用インジケーターランプ、後方視界を確保する指導員用ドアミラーなどを標準装備する専用車両が全国各地の教習所で活躍中だ。
安心・安全・安価の“3安”が魅力のインプレッサG4
2021年12月にも小変更が加えられ、さらに、専用デザインのホイールや、エクステリアをブラックカラーでコーディネートした特別仕様車「1.6i-S EyeSight AccentBlack」が設定された
次世代プラットフォームのSUBARU GLOBAL PLATFORMや国産初の歩行者保護エアバッグといった新技術が導入された第5世代と呼ばれる現行インプレッサが発表されたのは2016年10月。
インプレッサといえば5ドアハッチバックのイメージが強いが、マジメという点においてはカローラアクシオと同様に教習車として採用されることが多い4ドアセダンのG4を思い浮かべる。
そんなインプレッサの注目ポイントは、2019年10月の大幅改良でレヴォーグ、WRX S4、フォレスターに採用されていたドライバーの運転負荷を軽減するアイサイト・ツーリングアシストを全車標準装備としたこと。
先進技術による予防安全性能に磨きをかけただけでなく、SUBARU GLOBAL PLATFORMの強みを引き出すサスペンションの改良で優れた乗り心地とハンドリング性能を高い次元で両立。躍動感あふれるエクステリアと相まって走りの楽しさも提供した。
手頃な価格も高く評価され、2016年にはスバルとしては2003年のレガシィ以来13年ぶり2度目となるカー・オブ・ザ・イヤーを受賞している。
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みんなのコメント
デザインも踏ん張っているように見えてカッコいいですよ。
トヨチキより