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自社開発をやめても販売は続ける! マツダやスバルがOEM軽自動車を扱う「止むに止まれぬ」事情

掲載 更新 17
自社開発をやめても販売は続ける! マツダやスバルがOEM軽自動車を扱う「止むに止まれぬ」事情

 軽自動車は薄利多売でありながら売れ筋のカテゴリーだ

 軽自動車はOEM(相手先ブランド供給)が活発で、もっとも顕著なのは軽商用車だ。スズキが製造するエブリイは、日産NV100クリッパー、マツダ・スクラムバン、三菱ミニキャブバンとして供給される。スズキも含めると、乗用車メーカー8社のうち、4社が同じクルマを扱う。

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 ダイハツが製造するハイゼットカーゴも、スバル・サンバーバン、トヨタ・ピクシスバンとして供給され、3社が販売している。残りの1社は、基本的にOEM関係を持たないホンダのN-VANだ。

 そしてOEM関係は軽乗用車でも活発に行われる。たとえばスズキ・スペーシアはマツダにフレアワゴンとして供給され、ダイハツ・ミライースも、トヨタにピクシスエポック、スバルにはプレオプラスとして供給されている。とくにマツダとスバルは、OEM車の取り扱いが多い。

 日産と三菱は、軽商用車はスズキから供給を受けるが、軽乗用車は両社が合弁で立ち上げたNMKVが開発を行う。生産は三菱が受け持つ。

 OEM車を扱う根本的な理由は、軽自動車が薄利多売の商品であるからだ。近年の軽自動車は、衝突安全ボディ、エアバッグ、横滑り防止装置などの安全装備、各種の低燃費技術を採用してコストが高まった。値上げも行ったが、コストアップを埋められるほどではない。軽自動車は売れ筋のカテゴリーだから競争も激しく、価格を高めれば販売台数が下がる宿命もある。値上げしにくい商品だ。

 そこでマツダ、三菱、スバルの3社は、かつて軽自動車を自社で開発/製造していたが、今は終了して小型/普通車に専念している。

 軽自動車をやめると普通車の顧客をも失う可能性!

 ただし販売まで含めて軽自動車市場から完全に撤退すると、今までの顧客を失う。点検や車検、保険などの仕事も得られない。今は車両の販売に基づく利益が減り、各種サービスの重要性が増したから、車検や保険は失いたくない。そこで顧客を繋ぎ止めるためにOEM車を扱う。

 とくに軽商用車では、複数の車両を購入する法人も多い。その顧客を失うのはアフターサービスも含めて痛い。また仮にマツダが軽商用車の取り扱いを終了して顧客がスズキ・エブリイに乗り替えると、同じ法人が所有する営業車のMAZDA2まで、スズキ・スイフトに変わる心配も生じる。

 つまりクルマの販売会社にとって、自社の顧客はなるべく他社のセールスマンと接触させたくない。顧客の流出を防ぐため、軽自動車の開発や製造を終了した後も、OEM車の導入でラインアップの穴を塞ぐわけだ。

 一方、日産とトヨタは、以前は軽自動車を扱っていなかった。しかし近年では軽自動車の販売比率が急増して、小型車から軽自動車に乗り替えるユーザーも増えている。また小型/普通車のユーザーが、セカンドカーとして軽自動車を併用することも多い。そこで軽自動車のOEM車を扱うようになった。

 日産は2002年にスズキMRワゴンのOEM車をモコの名称で導入した。この背景には、日産車ユーザーの22%が軽自動車も併用しているデータがあった。日産が自社で軽自動車を扱えば、ビジネスに結び付けられる。当時は軽自動車の売れ行きが急増して、国内の新車市場に占める軽自動車比率も、従来の20%台から30%を超えるようになった。そこで日産はスズキ製の軽自動車を導入した。

 ただしその結果、日産では国内で軽自動車の販売比率が増え続け、2020年には43%に達した。日本のユーザーのために開発された軽自動車は、販売力も強く、小型車の顧客を奪っていく。これも近年、日産の新型車が滞った原因のひとつだ。OEM軽自動車の難しさも明らかになった。

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みんなのコメント

17件
  • 86や90スープラでは湧いて出るOEMウジが、ここでは湧かない不思議。
    都合の悪い事は棚上げか、だんまりって何時ものパターン。
  • せめてキャロルみたく、外観くらい変えろや。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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