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絶滅、定着? 2ドアセダンからSUVまで クルマのボディ形状、統廃合の歩み

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絶滅、定着? 2ドアセダンからSUVまで クルマのボディ形状、統廃合の歩み

じつは馬車の時代から いまも残る形

クルマを選ぶとき、デザインや性能、価格とともに僕たちが気にするのが、セダンやSUVなどのボディタイプだろう。

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このボディタイプ、クルマの進化にともなって増えていったと思っている人がいるかもしれないが、そうとも言えない。

クーペやカブリオレ、ワゴンなどはクルマが生まれる前、馬車の時代から存在していたからだ。

ゆえに初期の自動車もワイドバリエーションで、同一の車種でセダン、ワゴン、クーペ、カブリオレを用意することは珍しいことではなかった。

当時多くのクルマはフレームとボディが分かれていたので、バリエーションを作りやすかったし、現在に比べれば高価格・少量生産だったので、顧客の好みに応じて作り分ける方式が一般的でもあった。自動車メーカーはシャシーとエンジンだけを作り、ボディはコーチビルダーが担当するという分業体制も、馬車時代から受け継がれたものだ。

モノコックボディが導入され、メーカーがボディを手がけることが一般的になってからも、1つの車種で多くのバリエーションを用意することは、とりわけ大メーカーの量販車種では一般的だった。

たとえばトヨタ・カローラは、1966年に登場した初代の時点で、2/4ドアセダン、2ドアクーペ(カローラスプリンター)、ワゴン/バンと、現行カローラを上回る5つのボディタイプがあった。

一方世界を見渡すと同じ1960年代に、その後ポピュラーになっていく2つのボディタイプが生まれている。ハッチバックとSUVだ。

遅れてきたのに定番化 2つの選択肢

ハッチバックの元祖は、1961年デビューのルノー4と言われている。

それ以前からシトロエン2CVやBMCミニのように、小型車は2ボックススタイルが多かったが、3ボックスと同じようにリアウインドウとトランクリッドが分かれていた。しかしルノー4はセダンでありながら、ワゴンのようなリアゲートを備えたのだ。

一方のSUVはアメリカで、ピックアップの荷台にシェルを被せてレジャーユースに活用していたユーザーのライフスタイルを、メーカーが取り入れることで生まれた。

農業機械の生産が本業だったインターナショナル・ハーベスターのスカウト、最近本国でリバイバル版が登場したフォード・ブロンコあたりがパイオニアだ。

ハッチバックは1970年代に世界に広まったのに対し、SUVが世界的にブームになったのは21世紀に入ってからと時間差はあるものの、今やどちらのボディタイプも欠かせない存在。

現行カローラもセダンやワゴン(ツーリング)とともにハッチバック(スポーツ)、SUV(クロス)を用意している。

しかし新旧カローラのラインナップを比べると、あることに気づく。

初代では主流だった2ドアが、現行型ではすっかり消滅してしまっていることだ。

消えるボディタイプ そのワケは?

かつて2ドアセダンは珍しい存在ではなかった。

フォルクスワーゲン・ビートルやBMCミニなど、4ドアを用意しない実用車も多かった。

4ドアより安く作れるためで、フリートユースでも重宝された。

一方で4ドアより軽く剛性が高いことからスポーツモデルの素材にもなった。

昔のツーリングカーレースで活躍したBMWの02シリーズやロータス・コーティナは代表格だし、WRCでチャンピオンマシンになったフォード・エスコートRSやフィアット・アバルト131ラリーも2ドアセダンだ。

それが4ドアに一本化されていったのは、安さよりも使いやすさを重視するユーザーが増えたからだろう。

ビートルやミニはハッチゲートを加えた3ドアになったが、それだけでは市場の要求に応えることは難しい。

ゆえにザ・ビートルは生産中止に追い込まれ、ミニはボディタイプを一気に増やすことで3ドアを存続させている。

4ドア化の波 クーペの世界にも?

2ドアが少数派になっているのはセダンだけではない。

最近はクーペにも4ドアや5ドアが増えてきた。きっかけになったのは、メルセデス・ベンツCLSではないかと思っている。

CLSが発売された2005年は、すでにメルセデスMクラス(現在はGLE)、BMW X5などのSUVが現れており、ユーザーはこれをセダン代わりに乗り回しはじめていた。

実用車の主役がセダンからSUVに移行した結果、4/5ドアクーペが出現したと理解している。

昔のユーザーはカッコよさのためには実用性・快適性を犠牲にする人も多かったが、贅沢になった現代人にそのロジックは通用しにくい。

そんな中、両方の願いを叶えるボディタイプとして考えられたのが、4ドアや5ドアのクーペと言える。

好きだけど…安全・環境という現実

ただし4ドアクーペに近いボディは昔からあった。4ドアハードトップだ。

ハードトップはそもそもソフトトップの対語で、オープンカーに装着する固い屋根のことだったが、その後ルーフをボディと一体化したタイプもこう呼ばれるようになった。

クーペとの違いはセンターピラーレスであること。

当初はオープンカー同様2ドアのみだったが、第2次世界大戦後にアメリカで4ドアハードトップが登場し、1970年代には日本車にも波及。前述したカローラに設定されたこともあった。

ところがそのハードトップ、最近は言葉自体をあまり聞かない。

側面衝突対応が難しいために、多くが姿を消してしまったようだ。現在の新車ではメルセデスEクラス・クーペがセンターピラーレスであるが、ハードトップとは名乗っていない。

オープンカーの屋根を固い材質にしたリトラクタブルハードトップも、かつては多くのブランドが揃えていたが、現在残っているのはマツダ・ロードスターRF(リトラクタブル・ファストバック)ぐらいだ。

ボディが重くなるので環境性能や燃費性能で不利になることが影響していると思われる。

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