現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 高性能モデルや遊び心満点なバンがあった!? ユニークすぎる商用車5選

ここから本文です

高性能モデルや遊び心満点なバンがあった!? ユニークすぎる商用車5選

掲載 更新 3
高性能モデルや遊び心満点なバンがあった!? ユニークすぎる商用車5選

■荷物を運ぶだけじゃつまらない! 個性的な商用車たち

 国内メーカーが生産する商用車のラインナップは、昔と比べると激減してしまいました。かつては、主要なメーカーすべてが商用車を生産していましたが、現在は撤退してしまったメーカーもあります。

キムタクが乗っていた車が人気!? ドラマに登場して話題となった車5選

 各メーカーが商用車をつくっていたころは、競争の原理から個性的なモデルも多数存在していました。

 そこで、ユニークな商用車を5車種ピックアップして紹介します。

●ホンダ「パートナー」

 ホンダのライトバンというと、かつては「シビックバン」(後に「シビックプロ」)が主力でしたが、1996年に新型のライトバン「パートナー」が発売されます。

 初代パートナーはステーションワゴンの「オルティア」をベースに作られ、外観はオルティアに準じているものの、素地のバンパーやリアゲートの意匠の変更などにより、コストダウンが図られています。

 パワーユニットは1.3リッター、1.5リッター、1.6リッター(4WD専用)の3種類の直列4気筒エンジンが設定され、トランスミッションは5速MTと一部グレードを除き4速ATが選択できました。

 そんなパートナーの特徴は、商用車でありながら4輪ダブルウイッシュボーンサスペンションを採用していたことで、ダブルウイッシュボーンは路面の追従性に優れ、現在はスポーツカーなどに採用される形式です。

 理由は単純で、当時のホンダ車の多くはダブルウイッシュボーンを採用しており、パートナーはシビック系のシャシを使っていたことに起因します。

 その後2006年にステーションワゴンの「エアウェイブ」をベースとした2代目にモデルチェンジされ、サスペンションはフロントがストラット式、リアが車軸式と、オーソドックスなタイプに変更されました。

●ダイハツ「ハイゼットカーゴ ハイブリッド」

 ダイハツは2005年に、軽商用車として初となるハイブリッド車「ハイゼットカーゴ ハイブリッド」を発売しました。

 ハイゼットカーゴ ハイブリッドは、1モーター方式のコンパクトなハイブリッドシステムを搭載し、エンジンパワーをアシストすることで高い走行性能と優れた環境性能を両立。

 走行用バッテリーはニッケル水素を採用し、リアシート下に格納しており、荷室容量への影響は最小限に留められています。

 価格は215万5500円(消費税5%込)と、ベース車に対して100万円以上高額ということもあり、主なユーザーは官公庁や環境問題に関心の高い企業でした。

 燃費は20km/L(10・15モード)と、15km/Lのベース車より約3割低燃費でしたが、100万円の価格差を燃料代の差額で相殺するのは現実的ではありません。

 メーカーとしても、一般のユーザーを想定していないスタディモデルという位置づけだったようで、2010年に生産を終了。その後、軽商用車のハイブリッドモデルが作られることはありませんでした。

●日産「エスカルゴ」

 1987年に発売された日産「Be-1」は「パイクカー」と呼ばれた最初のモデルで、その第2弾として1989年に「パオ」が発売。同時にライトバンの「エスカルゴ」も発売されました。

 エスカルゴはカタツムリを意味しますが、正式な車名は「S-Cargo」と表記され「Cargo=貨物」のスペイン語読み「カルゴ」と「S」を組み合わせて、エスカルゴと読みます。

 文字どおり車体はカタツムリのようなフォルムとなっており、とても商用車のイメージではありませんが、荷室の高さは1230mmと、十分に実用的でした。

 また、荷室部分の外板は広い面積のパネルとなっており、店舗名や会社名、イラストなどによる宣伝スペースになることも想定していたといいます。

 内装にはセンターメーターを採用し、その手前にインパネシフトの先駆けであるATのシフトノブを配置。

 さらに、シフトノブ、ウインカーレバー、ワイパーレバーのデザインイメージが統一され、ハンドルもフランス車のようなユニークな形状となっているなど、内外装共に遊び心満載のクルマでした。

■ハイメカを搭載したスバルの名車とは!?

●スズキ「キャリイバン」

 スズキ「キャリイ」は現在、軽トラックのみが販売されていますが、かつては1BOXバンもラインナップされていました。

 1969年に発売された4代目キャリイは、外観のデザインを巨匠ジウジアーロに依頼してライバルとの差別化が図られます。

 ジウジアーロは当時、国産車では、いすゞ「117クーペ」や初代マツダ「ルーチェ」をデザインした実績があり、世界的にも有名なデザイナーでした。

 巨匠の手による4代目キャリイバンは、フロントウインドウとリアウインドウの傾斜角度がほぼ同じで、横から見ると前後が対称に見える斬新なフォルムを採用。

 秀逸なデザインでしたが、バンは限られたサイズのなかでいかに荷室容量を稼くことが重要で、このキャリイのデザインでは荷室を大きくできないという問題がありました。

 そのため、わずか3年ほど販売された後、5代目にモデルチェンジされ、オーソドックスなスタイルに戻されてしまいますが、いまとなっては非常に希少なモデルです。

●スバル「サンバー」

 スバル「サンバート」は、1961年に発売され、一貫してリアエンジン・リア駆動のRRを採用してきた軽トラック/バンです。

 そして、1990年に発売された5代目からは、軽商用車ながらも直列4気筒エンジンと、さらに上位グレードではスーパーチャージャーが搭載されています。

 1999年に発売された6代目のスーパーチャージャー仕様は、中低速のトルクを重視しながらも58馬力を発揮。

 4輪独立サスペンションと相まって「農道のポルシェ」の愛称で親しまれ、一部には根強いファンも存在します。

 また、サンバーは通称「赤帽」と呼ばれる軽貨物運送業向けに特化した仕様の「赤帽サンバー」が存在するなど、プロからも絶大な信頼を得ていました。

 しかし、スバルは登録車の開発に注力するために、2012年に軽自動車市場からの撤退を決め、サンバーの生産を終了。その後、スバルが販売する軽自動車は、すべてダイハツからOEM供給されています。

※ ※ ※

 現在、軽トラックを生産しているのは、スズキ、ダイハツ、ホンダのみですが、ホンダは2021年に「アクティ・トラック」の生産を終了する予定です。

 アクティ・トラックは1977年から販売されている長い歴史を持つモデルで、ホンダが最初に発売した4輪自動車も「T360」というDOHCエンジンを搭載した軽トラックでした。それを考えると、ホンダの礎となったのは軽商用車と言っても過言ではありません。

 しかし、軽トラックのシェアはスズキとダイハツの2強が続いており、ホンダがアクティ・トラックの刷新をおこなう合理的な理由が無く、ファンにとっては寂しい限りでしょう。

こんな記事も読まれています

【角田裕毅F1第22戦展望】ファクトリーと現場の連携で活きたレッドブル製リヤサスペンション。改善の継続が7番手に繋がる
【角田裕毅F1第22戦展望】ファクトリーと現場の連携で活きたレッドブル製リヤサスペンション。改善の継続が7番手に繋がる
AUTOSPORT web
エバンスとの実質的な一騎打ちもタナクはトップ譲らず。ヌービルは7番手に挽回【ラリージャパン デイ3】
エバンスとの実質的な一騎打ちもタナクはトップ譲らず。ヌービルは7番手に挽回【ラリージャパン デイ3】
AUTOSPORT web
メルセデス・ベンツCLE 詳細データテスト 快適で上質な走りが身上 動力性能と燃費効率はほどほど
メルセデス・ベンツCLE 詳細データテスト 快適で上質な走りが身上 動力性能と燃費効率はほどほど
AUTOCAR JAPAN
WRCラリージャパンSS12恵那での車両進入事案について実行委員会が声明。被害届を提出へ
WRCラリージャパンSS12恵那での車両進入事案について実行委員会が声明。被害届を提出へ
AUTOSPORT web
2024年も記録保持中!? カローラ ロードスター…… ギネスブックに登録された「日本のクルマの世界一」【10年前の再録記事プレイバック】
2024年も記録保持中!? カローラ ロードスター…… ギネスブックに登録された「日本のクルマの世界一」【10年前の再録記事プレイバック】
ベストカーWeb
80年代バブル期に日本で人気だったMG「ミジェット」に試乗! 英国ライトウェイトスポーツの代表格はいまもビギナーにオススメです【旧車ソムリエ】
80年代バブル期に日本で人気だったMG「ミジェット」に試乗! 英国ライトウェイトスポーツの代表格はいまもビギナーにオススメです【旧車ソムリエ】
Auto Messe Web
【正式結果】2024年F1第22戦ラスベガスGP予選
【正式結果】2024年F1第22戦ラスベガスGP予選
AUTOSPORT web
角田裕毅が予選7番手「大満足。アップグレードへの理解が改善につながった」努力が報われたとチームも喜ぶ/F1第22戦
角田裕毅が予選7番手「大満足。アップグレードへの理解が改善につながった」努力が報われたとチームも喜ぶ/F1第22戦
AUTOSPORT web
勝田貴元、木にスピンヒットも間一髪「メンタル的に難しい一日。明日はタイトル獲得を最優先」/ラリージャパン デイ3
勝田貴元、木にスピンヒットも間一髪「メンタル的に難しい一日。明日はタイトル獲得を最優先」/ラリージャパン デイ3
AUTOSPORT web
クラッシュで50Gを超える衝撃を受けたコラピント。決勝レースの出場可否は再検査後に判断へ/F1第22戦
クラッシュで50Gを超える衝撃を受けたコラピント。決勝レースの出場可否は再検査後に判断へ/F1第22戦
AUTOSPORT web
胸を打つ「上質な走り」 アウディQ6 e-トロン・クワトロへ試乗 優秀なシャシーを味わえる388ps!
胸を打つ「上質な走り」 アウディQ6 e-トロン・クワトロへ試乗 優秀なシャシーを味わえる388ps!
AUTOCAR JAPAN
オーテック&ニスモ車が大集合!「AOG湘南里帰りミーティング2024」で見た「超レア車5台」と「中古車で狙いたいクルマ5台」を紹介します
オーテック&ニスモ車が大集合!「AOG湘南里帰りミーティング2024」で見た「超レア車5台」と「中古車で狙いたいクルマ5台」を紹介します
Auto Messe Web
なぜ潰れた? 名車と振り返る「消滅した自動車メーカー」 32選 後編
なぜ潰れた? 名車と振り返る「消滅した自動車メーカー」 32選 後編
AUTOCAR JAPAN
ラリージャパン3日目、SS12がキャンセル…一般車両が検問を突破しコース内へ進入、実行委員会は理解呼びかけると共に被害届を提出予定
ラリージャパン3日目、SS12がキャンセル…一般車両が検問を突破しコース内へ進入、実行委員会は理解呼びかけると共に被害届を提出予定
レスポンス
【F1第22戦予選の要点】苦戦予想を覆すアタック。ラッセルとガスリーが見せた2つのサプライズ
【F1第22戦予選の要点】苦戦予想を覆すアタック。ラッセルとガスリーが見せた2つのサプライズ
AUTOSPORT web
なぜ潰れた? 名車と振り返る「消滅した自動車メーカー」 32選 前編
なぜ潰れた? 名車と振り返る「消滅した自動車メーカー」 32選 前編
AUTOCAR JAPAN
NASCARの2024シーズン終了! 日本からスポット参戦した「Hattori Racing Enterprises」の今季の結果は…?
NASCARの2024シーズン終了! 日本からスポット参戦した「Hattori Racing Enterprises」の今季の結果は…?
Auto Messe Web
ジャガーEタイプ S1(2) スタイリングにもメカニズムにも魅了! 人生へ大きな影響を与えた1台
ジャガーEタイプ S1(2) スタイリングにもメカニズムにも魅了! 人生へ大きな影響を与えた1台
AUTOCAR JAPAN

みんなのコメント

3件
  • うちの周りではスバル製サンバーが現役で働いてる姿を数多く見かけます。
    使っているのはほぼ高齢のJA経由で購入した兼業、専業で農業を営んでいる方たちで「農道のポルシェ」と呼ばれている事は知らないでしょう。
    所有者の母はメーカーと社名はわかってると思うけどエンジンの詳しい位置は知ってるはずかありません。

  •  2ボックスのライトバンってほんと減ったと思う。それで間に合う職種はただのコンパクトカーでいいし、ワンボックスの方がつぶしが効くんだろう。海外だとカングーとか魅力的なモデルがあるけど、日本はプロボックスがトヨタの最後の良心で優秀すぎるし。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

122.0133.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

50.0199.0万円

中古車を検索
エスカルゴの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

122.0133.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

50.0199.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村