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ワゴンが下火だからこそ逆張り! いま乗れば目立ち度最高の80~90年代輸入ステーションワゴン5選

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ワゴンが下火だからこそ逆張り! いま乗れば目立ち度最高の80~90年代輸入ステーションワゴン5選

いま欲しい1980~90年代の輸入ステーションワゴン

 かつてクルマ販売の中心はセダンやハッチバックだったが、現在はすっかりミニバンやSUVが主流に。その結果、セダンだけでなく一斉を風靡したステーションワゴンすら車種が激減した。その傾向は国産車で顕著に見られ、海外の一部メーカーではセダンやハッチバック、ステーションワゴンをしっかり残しつつSUVが脇を固めるというラインナップも見られる。

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 でも今だからこそ、あえてミニバンやSUV以外を選ぶというチョイスはどうだろうか? しかも多くの人が憧れた1980~90年代の輸入車、とくに当時絶大な人気を誇ったステーションワゴンなら、さらに一味違ったクルマ選びになるはずだ。そこで今回は、日本で現在も手に入れられる車種のうち、入門的な車種からマニアックな車種までを5つ取り上げたい。

元祖「おしゃれステーションワゴン」【ボルボ240エステート】

 以前の日本では、ステーションワゴン“商用バンの延長”的なイメージが強く、あまり売れなかった。そんななか1980年代末から90年代にかけてようやくステーションワゴンが流行した。空前のスキーブーム、アウトドアがレジャーとして当たり前になったこともそれを後押しした。輸入車でもステーションワゴンは大きく注目を集めたものだ。その一台が「ボルボ240エステート」である。

 240シリーズは元を正せば原設計が1960年代の「ボルボ140シリーズ」なので、当時でもすでに十分クラシックな雰囲気をたたえたモデルだった。そのため、普遍的とも言えるスタイルはむしろ古くならないまま、現在に至っている。カメラマン、デザイナーなどクリエイティブな職業の人が乗るクルマ、というイメージも当時から大きく変わっていない。

「角目ベンツ」を代表する名車【メルセデス・ベンツW124Tシリーズ】

 メルセデス・ベンツにおける主力シリーズのひとつ「Eクラス(以前はミディアムクラス)」。なかでも「W124型」は適度なサイズと性能で、すべてにおいてバランスが優れたモデルとして知られ、究極の実用車とも言われている。そのため当時のステーションワゴンモデル「Tシリーズ」では、そのイメージがさらに強い。W124型セダンをベースに優れた積載性も備えているのだから、これ以上何を望めば良いのか……。

 また、この時代のメルセデス・ベンツの特徴として、内外装が質素ということが挙げられる。しかし質感が低いのではない。スイッチ類やワイパーなど、その多くのパーツに不要な装飾を与えず、機能が形状を決定している。すべてにおいて、無駄なことがないのだ。メルセデス・ベンツは高級車だが、その本質は「極めて実用的な道具」ということを、W124型は今なお教えてくれる。

アメ車イメージど真ん中の“ベンコラ”車【フォード・トーラスワゴン】

 1990年代に流行したワゴンに、「フォード・トーラスワゴン」があった。世界に冠たるアメリカンビッグ3メーカー、フォードのクルマが現在は、ヨーロッパ・フォード含め正規で日本に上陸していないことに驚きを禁じ得ないが、かつてはこのトーラス(アメリカ)、モンデオ(ヨーロッパ)など、日本でもスマッシュヒットを飛ばした車種があった。

 トーラスは1986年に登場。主力の中級モデルとして、莫大なコストを投じて開発された。1992年には、細目の精悍なフェイスにチェンジしている。1988年から日本にもセダン・ワゴンともに輸入していたが、細目トーラスになって売れ行きが向上。大柄な車体、ベージュの内装、水平基調のダッシュボード、ベンチシートにコラムシフトなど、「みんなが思うアメリカ車」そのもの姿は、アメリカ映画の中で見たような「豊かなライフスタイル」が始まる予感を与えてくれた。

まさしくイタリアンラグジュアリー【ランチア・テーマ・ステーションワゴン】

 輸入車のステーションワゴンといえばドイツ車やスウェーデン車というイメージが強いが、イタリア車やフランス車でもオシャレなステーションワゴンはいくつもある。その筆頭格が、名門ランチアが1984年に発売した「テーマ」のステーションワゴンだ。

 テーマというモデルは、イタリア車としては大きめの車体を持つ同社のフラッグシップセダンだった。高級車需要が少なく、自社だけでは開発費をペイできないフィアット、ランチア、アルファロメオ、サーブの4社が、共同で開発したモデルのひとつとしても知られている。スポーティかつ高級なメーカーというランチアらしさをそのまま詰め込んだテーマは、内装にはゼニアの生地やアルカンターラを用いており、派手ではなくシックさで上質感と高級感を醸し出していた。

 1986年には、ボディ後半をピニンファリーナが再造形したステーションワゴンを追加。セダンはジウジアーロデザインなので、極めて豪華なカロッツェリア・コラボレーションによって生まれたクルマということになる。

レア度は星5つ! 伝統の英国流コンパクトワゴン【ローバー400トゥアラー】

 イギリスでもステーションワゴンの歴史は古く、1950年代~60年代からすでにミニ、オースチンA60、モーリス・マイナー、フォード・コルティナ、ボクスホール・ヴィクター、ハンバー・スナイプなど、いろいろな車種にステーションワゴンが用意されていた。

 1950年代に、英国内の民族系自動車メーカーが集まり誕生した「ブリティッシュ・モーター・コーポレーション(BMC)」は、その後紆余曲折を経て「BLMC(ブリティッシュ・レイランド、BLカーズ)」と名前を変え、1986年にはローバーとなった。BLカーズ時代にスタートしたホンダとの協業により、1980年代からバラードを「ローバー200」、コンチェルトを「ローバー400」として販売していた。

 ローバー400には「トゥアラー」と呼ばれたステーションワゴンがあり、日本でも1995年から発売を開始。乗り込むとスイッチ類の多くがホンダと同じで、国産車感は確かにあるのだが、ホンモノのウッドと本革シートで設えられた内装は、まさに英国流。新車価格259万円というお手頃な価格で本格的なブリティッシュ・エステートを堪能することができた。ただし故障が多く品質はイマイチと評され、現在では“数年に一度中古車が出るかどうか”という絶滅状況である。しかし、マニアック物件としてぜひチェックしておきたい。

利便性が高くメーカーごとの違いも明確

 クルマに限らず製品には流行があり、とある時期を過ぎるとイマイチに見えたり、ダサいと感じたりしてしまう。でも“一周まわる”と「オシャレ」「カッコいい」と思えてくるから不思議だ。

 今回取り上げたステーションワゴンは、パワーウィンドウやパワーステアリング、エアコンなどの快適装備が標準で付いているのもポイントである。レトロ過ぎず、1970年代車のような我慢もいらない。利便性もSUV並みかそれ以上に高く、オシャレとユーティリティを両立できるのだ。趣味やスポーツ、アウトドア、キャンプなどでも大活躍するだろう。キャンプサイトへ乗り付ければ「オシャレなオーナー像」に見られるに違いない。

 ただし、入門と銘打った車種も含め、いずれも30~40年以上経過しているクルマばかり。日常使いは可能だが、何もトラブルが起きないということはありえない。そのため、常に「音」や「におい」「振動」などを敏感に察知し、クルマが発するサインを見逃さないようにすることが肝要。購入後かかる予算なども、十分考慮に入れたほうが良いのは言うまでもない。購入の際は、安いからといって飛びつかず、個体の状態をしっかり見極める必要があるため、専門店やその道に詳しい人からアドバイスを受けての購入がオススメだ。しかしその苦労も忘れてしまうほど、この時代のクルマは所有の喜びを感じさせてくれるハズである。

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  • こんな年代の輸入車を買ったら積載量が多いワゴン車のはずが、出先で積載される方になってしまう。
  • ボルボ240には最終型を含めて3台乗ったが、あくまでもスタイルと雰囲気を楽しむ車。ボディはやたら硬いが、パワー不足で軽から軽く抜かれる。クラクションの音質も軽以下で、心にゆとりがないと乗れない。ピカピカでなくても絵になるので、定期的に欲しくなるが、最近の相場150万円の価値を見出せるかどうか。

    また、ローバーも一時所有したが、ウッドパネルや革シートなど内装の雰囲気は良いが、コンピュータが壊れて暴走することもある。新車でさえものすごく壊れたから、中古は手を出さない方が無難だろう。

※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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