全米最大の旧車イベントはどんな人が開催している?
2024年10月、カリフォルニア州ロングビーチにて第19回JCCS日本旧車集会が開催された。
【画像】今年のJCCSで各アワードカテゴリー1位の素晴らしい旧車たち 全21枚
美しく仕上げられた約500台の『KYUSHA』を見たいと、おなじみの会場であるマリーナグリーンパークに足を運んだ旧車ファンは、過去最大の1万2500人。
まさしく全米最大のJDMイベントを主催しているのは90年代に留学でアメリカにやってきた山口さんご夫婦(コウジ&テリー山口夫妻)と約50名のボランティアスタッフたちである。
今でこそアメリカ屈指の旧車イベントに成長したが、はじめのころは非難されることも多かったという。19年前といえば、そんなに昔という感じもなく、当時から日本車はアメリカで大変良く売れていた。しかし、当時のアメリカは古い日本車に対する風当たりが今とは比べ物にならないほど強く冷たかったのだ。
「第1回JCCSを開催したのは2005年でした。当時、日本車の旧車は殆ど認知されておらず、『Japanese Classic Car Show』と名乗った時には全米から叩かれましたよ。『日本車のクラシックカーだと?そんなものは存在しない!』、『日本車のくせに何様だ!』などなど。
わざわざクレームを入れてきた著名なジャーナリストもいました。確かに当時の古い日本車は中古車としての価値が低いものがたくさんあり、アメリカよりもすべての歴史が短いクルマたちですから特別な価値を見出すこともできなかったのです。
ですが、そんな旧車たちを『Japanese Classic Car』と名乗ってはいけない法律はありません。『State of mind』(気持ちの問題)だから好きにやります。私たちの勝手でしょ? と多くの非難に対して言い返していました」
L.A. Timesの一面で大きく扱われた!
「そうこうしているうちに1年が経過し、第2回を開催することになったのですが、その時にはJCCS開催のニュースがL.A. Timesの表紙に掲載されたんです。そうしたら非難がパタッと止まりましたね。以降はクルマ界の大物たちも大勢参加してくれるようになり、知名度も上がって、近年は1万人超が集まるイベントとして定着しています」
JCCSは運営が非常にしっかりしていることでも有名だが、出展車両についても厳格な基準がある。日本製の旧車なら何でもいいというわけではないのだ。
JCCSへの参加が認められる『旧車』とは、1995年以前にデビューした日本車となる。製造年が1996年でも1994年デビューのクルマならOK。アメリカで新車時から正規に販売されてきた左ハンドル仕様、25年ルールを経て日本等から輸入された右ハンドル仕様いずれも出展が可能だ。具体的な車種と年式を紹介しておこう。
日産300ZX/Z31およびZ32(1989~継続モデル)
日産スカイラインR32&R33(1989-1993~継続モデル)
マツダRX-7第1世代、第2世代、第3世代(SA、FC、FD継続モデル)
マツダMX-5ミアータ第1世代(NAマーク1 – 1989~1997)
ホンダ・インテグラ(1985~、1995~継続モデル)
トヨタMR2(第1世代&第2世代1984~、1999~継続モデル)
トヨタ・スープラMk1、Mk2、Mk3&Mk4
トヨタ・カローラAE86、AE92、AE100(1983~、1995~継続モデル)
トヨタ・セリカ第4、第5、第6世代(1993~1999、第6世代継続モデル)
トヨタ・スープラ第3世代MK3、第4世代MK4
スバル・ブラット、インプレッサ第1世代(1992-2000)
ホンダ・ビート(JDM)(1991-1998)
ホンダCR-X(1987~1995)第1世代、第2世代、第3世代
ホンダ・アキュラNSX第1世代
などなど
今年新たに加わった「JDM部門」とは?
JCCSでは今年から新たに加わったルールがあるとのこと。テリー山口さんに詳しく聞いてみた。
「今年アップデートしたのは、アワードの『JDM部門』です。近年、25年ルールで入ってくる右ハンドルの日本車が増えたため、今まであったJDM部門の審査対象が、『日本にしか存在してこなかったモデル』になりました。
例えば、右ハンドル仕様でも、フェアレディZやカローラなどアメリカでも新車時から販売されていたクルマは対象外です。マツダ・コスモや日産セドリックなどアメリカでは販売されてこなかったモデルが『JDM部門』の対象となります」
JDMとはそもそも『Japanese Domestic Market』の略称で、直訳すると『日本国内市場(専用車両)』という意味となり、海外(アメリカ)での新車販売がなかったクルマを意味する。本来のJDMの意味から考えればJCCSにおける『JDM』の解釈も納得がいくものだ。
実際、製造から25年が経過してアメリカへの輸入が可能になった『25年ルール』適用のクルマをJDMと呼ぶことが多いし、さらに最近ではアメリカで新車販売されているクルマであってもお構いなしに、日本車=JDMとして扱うこともある。
ちなみに、クルマそのもの以外に日本独特の装備や仕様、パーツのことをJDMと呼ぶこともある。例えば、オレンジ色のリアウィンカー(アメリカで販売されるクルマは後ろのウィンカーは赤が主流)や、水中花シフトノブ、小径ハンドル&ホイール、はたまた赤斜線の『仮ナンバー』でさえも、アメリカでは『JDM』として非常に高い人気がある。
大切に愛されてきた旧車かどうか? 写真でチェックする
車種や年式以外にもJCCSに出展できるかどうか、もうひとつ重要なルールがある。それは出展申し込み時の「写真判定」である。愛車の写真を申し込み時に送って審査にパスしないことにはJCCSの会場に展示することはできないのだ。
「JCCSではすべての車両に関して写真判定を行います。判断基準はその旧車に愛があるかどうか? つまり大切に正しく維持されてきているか? ということを指定の角度で撮ってもらった写真で確認します。
安く入手したボロ車やぶつけたまま修理されていない旧車は当然お断りです。また、近年はキレイに仕上げているクルマであっても、車両に負荷がかかっていてもとに戻すことも難しいようなヘビーなカスタムをする若者が増えています。
最近はやりつつある暴走族仕様のカスタムなども旧車の生命を短くしてしまうのでNGです。貴重な旧車の生命が終わってしまうようなヘビーなカスタムを施した車両はいずれも出展不可となります。JCCSでは、『プリザベーション』(貴重な旧車を正しく保存していく)というモットーに反するクルマは写真判定で落とします」
なるほど。JCCSの厳格と思えるルールも、実は末永く旧車を維持していくためには大切なことであり、JCCSの運営陣はいずれもみなさん、オーナー同様に濃い旧車愛を持っているのだ。
もう二度と手に入らない日本の旧車たちが海を渡り、アメリカで多くの人に愛され大切に維持されていることには深い感動を覚える。来年も再来年も、10年後も20年後もJCCSという素晴らしいイベントが末永く続いてくれることを願わずにはいられない。
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みんなのコメント
「旧車」という言葉には、いつ製造された車までを旧車に含めるのかがイベント主催者によって変わるという日本的な曖昧さがある。
今後はこの米国流に、そのモデルの最初の1台がデビューした年から30年をもって、マイナーチェンジを含むそのモデル全体の生産車を「旧車」とすべきではないだろうか?
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