高精度3Dマップを利用したACCが理想形のひとつだ
ACC=アダプティブクルーズコントロールは、高速道路上で前車に追従し、ペダル操作から解放され、渋滞追従機能付きの場合は、ドライバーがもっとも疲れやすい渋滞時に停止保持を含めた制御によって、渋滞時のストレスを低減してくれる、じつに便利な先進運転支援機能のひとつ。
一度経験すると付いていないクルマに乗れなくなるほど便利な装備11選
しかも、前車との距離を一定に保つため、前車が接近すればこちらは減速するので、プレ自動ブレーキの役割を果たし、あおり運転に間違えられない。追従中はブレーキを踏まなくても減速が可能なため、ブレーキパッドの減りを減少してくれるほか、筆者の実体験からすれば、電子制御ゆえ下手にアクセル、ブレーキ操作をするより巡航燃費が10%程度向上するなどのメリットさえある。
そんな、高速走行の機会の多いドライバーにとって有益なACCだが、じつは、機能はピンキリ。これからACC付きのクルマを買うなら、渋滞追従機能付きが必須であり、できれば高速道路の最高速度引き上げに対応する120km/hをカバーするタイプがおすすめだ。
加えて、同じACCと呼ばれている機能でも、筆者がこれまでさまざまな車種のACCを使った経験から気になるのが、レーンキープ性能を別にすれば、再加速性能だ。つまり、追従走行中、設定速度より測位速度で走っていた前車がいなくなった場合、料金所などで減速し、ゲートをくぐったあとなどの再加速シーンである。この再加速性能がもっさりしていたり、妙なタメがあったりすると、それこそ追突されそうになるし、後続車をイラつかせる原因にもなる。いやいや、ドライバー自身、思わずアクセルを踏み増したくなるに違いない。
では、どんなACCが理想なのか。ひとつの答えが、国産車では日産スカイラインのプロパイロット2.0+高精度3Dマップや、スバル新型レヴォーグの、やはり3D高精度地図データを組み合わせたアイサイトXを使っているような場合だ。
どんなに優れた(3Dマップなしの)ACCでも、設定した速度をキープするのが基本。だから、前車がいる追従走行、前車のいる料金所では、一定の車間を空けて走ってくれるからいいものの、前車のいないカーブ、料金所ゲートでは、上限速度を80km/hにセットしていれば、80km/hで突っ込むことになる。結果、スイッチでの減速操作や一時的なOFF操作、ブレーキング(ACCは一時的に解除される)をする必要がある。ACCとレーンキープ機能を、自動運転の第一歩の機能と考えれば、その点だけは物足りなかったのである。
その点、スカイライン、新型レヴォーグはGPSだけでなく、現在4機体制の真上から電波を送る準天頂衛星のみちびきなどからの情報が得られる3Dマップを用いているため、マップデータと合わせ、カーブや料金所を認識できるため、カーブや料金所ゲートに差しかかる前に、絶妙に減速してくれるのである。さらに、受信の難しいビルの谷間や山間部などでの測位率が向上し、安定した測位を行うことが可能となるため、リルートの早さも、抜群といっていい。ACCをより快適に、安全に使うには、今後、3Dマップ機能は欠かせない……といっていいだろう。いい換えれば、自動運転により近づいたACCとなる。
停止保持機能や再加速性能、スイッチの押しやすさなどがポイント
とはいえ、現時点で、国産車で3D高精度地図データを使ったナビゲーション、ACCを装備しているクルマは限定される。ここでは、3D高精度地図データなどのナビゲーション+ACCのクルマのなかで、比較的ACC機能に優れたクルマを紹介したい。なお、渋滞追従機能なし(一例として約35km/h~約115km/hでしか追従しない)の低機能ACCのクルマは除外する。
まず注目してほしいのは、再加速性能において、電動車が有利だということ。EV、PHVなどはトルクが瞬時に立ち上がり、再加速性能に優れているからだ。ガソリン車より、クリーンディーゼル車が有利なのも、同じ理屈である。
もうひとつのポイントが、加速、減速時のスムースさ。クルマによってはとくに減速時、乗員がつんのめるような減速制御を行いがちなクルマ、ACCもある。せっかくのACC機能も、かえって不快になってしまうのだ。
1)スバル・レヴォーグ(アイサイトX)/日産スカイライン(プロパイロット2.0)
ステーションワゴンのジャンルでは、ドライバーの気持ちをリアルタイムで察してくれているかのような制御を行う新型レヴォーグのアイサイトX搭載車、セダンのジャンルではスカイラインのプロパイロット2.0搭載車がベストなのは当然である(高価だが)。
2)スバルXV アドバンス/日産エクストレイル
それ以外のクルマのACCでは、クロスオーバーモデルならスバルのアイサイト搭載の、豊潤なトルクをもつスバルXV アドバンス、日産車のプロパイロット搭載車のなかではエクストレイルが追従性能において合格レベル。以前セレナとエクストレイルのプロパイロット装着車を比較したが、追従性能やレーンキープ性能でエクストレイルが優れていた。クルマとの相性、と言ってしまえばそれまでだが、重心、空気抵抗、車重などの要件が、プロパイロット機能に影響するということだ。
3)ホンダ・フィット
コンパクトカーではホンダ・フィットが秀逸だ。電子パーキングブレーキの採用で渋滞追従機能が付き、停止保持まで可能になっただけでなく、加減速のスムースさ、ステアリング制御を含めた総合性能で国産コンパクトカーのACCをリードしている。ちなみにガチライバルのトヨタ・ヤリスのACCは電子パーキングブレーキが見送られたため、渋滞追従機能なし。軽自動車でさえ全車速域対応のACCがある時代にもかかわらず、30km/h以下では作動しない旧世代タイプのままなのがとても残念だ。
4)トヨタ・ヤリスクロス
しかし、コンパクトクロスオーバーのジャンルでは、ヤリスクロスがいきなりトヨタ最新のトヨタセーフティセンス、電子パーキングブレーキとともに、渋滞追従機能付きACCを採用。高速走行の機会が多いユーザーなら、ヤリスよりヤリスクロスがベターだと思える。
5)ホンダN-WGN/日産ルークス/三菱ekスペース/三菱ekクロススペース/ダイハツ・タフト
最後に軽自動車のACCについて。日本で一番売れている軽自動車のN-BOXは旧世代の約30~115km/hでしか作動しないが、N-WGNは渋滞追従機能&停止保持機能付き。プロパイロット付きの日産ルークス、プロパイロット同様のマイパイロット付きの三菱ekスペース、ekクロススペースも同様だ。ダイハツでは最新のタフトからACCに停止保持機能(3分間)が付くようになっている。ただ、減速制御はやや唐突だ……。
念のため、これからのACCに必要なポイントを整理すると、全車速域追従(渋滞追従含む)、電子パーキングブレーキ採用による停止保持機能、再加速性能の良し悪し、そしてもちろん、ステアリングスイッチによる操作、設定のしやすさである。
ACCに多くを期待してクルマを購入するなら、ぜひ、試乗でACCを使ってみることをすすめる。高機能と使いやすさ、自然な制御は別だからである。
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みんなのコメント
ピンボールで低速ですら千鳥足。
見ないと設定出来ないスイッチ」など
複数のアクションを起こさないと使えない」機能は
→使えない」ですね
d( ̄  ̄)
ギミックは→基本☆ワンアクション」です
ボタン1つ」で使えないギミックは=使えない」ですね
停車中に設定」なら→見ながら」でも安全ですが…
走行中に→見ながら設定する」とすれば=危険」と
感じますね