■安全性能の違いは? 国産主要メーカーのコンパクトSUVを比較
近年、取り回しやすいサイズのコンパクトSUVの人気が盛り上がりつつあり、各メーカーはそれぞれラインナップを拡大。デザインや走行性能、燃費といったさまざまな要素で、ユーザーから比較されています。
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では、それらと並んで近年のクルマ選びで重要な要素となっている、安全装備はどのような違いがあるのでしょうか。
今回は、トヨタ「ヤリスクロス」、日産「キックス」、ホンダ「ヴェゼル」、マツダ「CX-30」の4つのコンパクトSUVをピックアップし、それぞれの安全装備を見ていきます。
●トヨタ「ヤリスクロス」
まず、安全性能をチェックするのは、2020年9月に発売予定のトヨタ最新のコンパクトSUV「ヤリスクロス」です。「ヴィッツ」の後継であるコンパクトカー「ヤリス」のSUVモデルとして発表されました。
ボディサイズは、全長4180mm×全幅1765mm×1590mmの3ナンバーサイズで、同社のSUVと比較すると5ナンバーSUVの「ライズ」と「C-HR」の中間に位置するモデルとなります。
安全装備では、同社最新の安全装備「Toyota Safety Sense」を装備しています。「プリクラッシュセーフティ機能(歩行者[昼・夜]・自転車運転車[昼]検知機能付き衝突回避タイプ)」は、昼間の歩行者・自転車のみならず、夜間の歩行者の接近にも対応可能です。
また、レーダークルーズコントロール(全車速追従機能付き)では、速度域の制限がなく、渋滞でも追従機能が失われません。
そのほか、交差点右折時の直進車に対応する「プリクラッシュセーフティ(交差点シーン対応)」や、歩行者との衝突を回避する「緊急時操舵支援機能」、対向車や先行車の光が当たる部分を自動で遮光する「アダブティブハイビームアシスト」に対応しています。
特筆すべきは、トヨタのSUVで初採用となる「アドバンストパーク」です。カメラとソナーによってステアリング・アクセル・ブレーキ機能を制御し、周囲を監視しながら、駐車完了まで駐車操作をアシストする機能です。
メモリ機能によって区画線がないスペースにも対応しており、駐車が苦手な人を強力にバックアップします。
●日産「キックス」
次に、海外ではすでに発売されていたものの、2020年6月から日本国内でも発売となった日産「キックス」を見ていきます。
ボディサイズは、全長4290mm×全幅1760mm×全高1610mmと、同社のミドルサイズSUVである「エクストレイル」の弟分にあたります。また、電動パワートレイン「e-POWER」専用車です。
安全装備で目玉とされるのは、日産の運転支援技術「プロパイロット」が全車標準装備である点です。渋滞での走行や長時間走行において、アクセル、ブレーキ、ステアリング操作をアシストします。
また「踏み間違い衝突防止アシスト」は、ブレーキペダルと間違えてアクセルペダルを踏み込んだ場合に出力とブレーキを自動で制御します。前進と後退の両方に対応しているのが特徴です。
「インテリジェント・エマージェンシーブレーキ」は、従来の単眼カメラにミリ波レーダーを追加し、ヤリスクロスと同様に夜間の歩行者にも対応可能です。
そのほか、山道などのカーブで4本のタイヤそれぞれにブレーキをかけながら狙い通りのラインを走行できる「インテリジェント・トレースコントロール」や、ロービームとハイビームを自動で切り替える「ハイビームアシスト」のほか、オプションでは上から見下ろすように360°を見回しながら駐車でき、人や自転車など周囲の動くものを検知する「インテリジェント・アラウンド・ビューモニター」が選択可能となっています。
なお、日産独自の機能として、「SOSコール」があります。交通事故や急病・緊急時に使用することで位置情報、センサー情報等を専門のオペレーターが消防指令センターや警察へ迅速に連絡するシステムです。加えて、近年問題氏されているあおり運転に遭遇した場合は、手動で通報もできます。
事故のみならずあおり運転などの交通トラブルが社会問題化している昨今、安心に一役買ってくれる装備といえます。
■2019年SUV売上No.1「ヴェゼル」の安全装備はどう?
●ホンダ「ヴェゼル」
ホンダが2013年から販売しているコンパクトSUVが「ヴェゼル」です。発売から年数は経っているものの、昨年2019年にはSUVジャンルでトップとなる5万5886台を販売しました。2020年上半期(1月から6月)では、1万8090台で4位という結果です。
ボディサイズは、全長4330mm-4340mm×全幅1770mm-1790mm×全高1605mmです。
運転支援システムを見ると、「Honda SENSING」を搭載していますが、最新装備のヤリスクロスやキックスに比べ、機能面で一歩劣る点が気になります。
ヒトやクルマとの衝突を防止する「衝突軽減ブレーキ(CMBS)」は、夜間の歩行者にも対応しているヤリスクロスやキックスと違い、昼間に限定されています。
ブレーキの踏み間違えを抑制する「誤発進抑制機能」も、前進のみの対応で後退には対応していません。
また、「アダプティブクルーズコントロール」を使用することで前方を走行する車両を追従することができますが、ヤリスクロスやキックスのように全車速追従ではなく速度域限定(30km/h以上で作動)です。
今回の4車種のなかでもっとも先発のクルマで不利ということもあり、安全装備という面ではもやや劣る結果となってしまいました。
●マツダ「CX-30」
マツダのSUVのなかで、「CX-3」と「CX-5」の間に位置するサイズ(全長4395mm×全幅1795mm×全高1540mm)で、かつもっとも新しいモデルが「CX-30」です。
2019年10月より発売されてから着々と人気を獲得し、2020年上半期(1月から6月)では1万5937台を販売。マツダの登録車のなかではトップとなっています。
ペダルの誤操作による急発進をサポートする「AT誤発進抑制制御」では、徐行中(前進時約15km/h以下、後退時約10km/h以下)や停車時に、必要以上のアクセルペダルが踏まれた時にエンジン出力を抑制します。前進と後退の両方に対応しているのもポイントです。
前方のヒトやクルマ・自転車を検知する「スマートブレーキサポート」では、ヤリスクロスやキックスと同じく昼間の歩行者自転車以外に夜間の歩行者にも対応しています。
さらに、駐車場で後退するときに車両の接近を検知して知らせる「後側方接近車両検知」や、前後左右の4つのカメラの情報をセンターディスプレイの表示、低速走行時など に車両周辺の確認を支援する「360°ビューモニター」といった便利機能も搭載されています。
加えて、マツダ独特のユニークな機能としては、「ドライバー・モニタリング」機能があります。
ドライバーの疲労や眠気を検知して休息を促すシステムで、モニタリングカメラでドライバーの顔の各部位の特徴点を検出し、疲労や眠気を感知すると警告音で知らせてくれます。
※ ※ ※
「ヤリスクロス」「キックス」「CX-30」は発売前、あるいは発売から1年以内の最新モデルということもあり、安全装備はいずれも高い水準で、クルマごとにユニークな性能も装備されています。
一方の「ヴェゼル」はもっとも先発の設計というハンデもあり、安全装備では一歩譲る点が見られました。
しかし、購入という観点でみれば、登場から年数の経った車種は新型車と比べて値引き率が高くなる傾向にあるため、一概に魅力のないクルマとはいえません。
安全装備と価格のバランスを見ながら、コンパクトSUVを選んでみてはいかがでしょうか。
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みんなのコメント
実際FFが売れている。
一番の間違いは、なのにクロカンみたいなことができると思ってしまうこと。