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雰囲気で買うと「ブーイング」必至! ファミリーカーっぽいのにファミリー向きじゃないクルマ5台

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雰囲気で買うと「ブーイング」必至! ファミリーカーっぽいのにファミリー向きじゃないクルマ5台

 この記事をまとめると

■コンパクトカーだと開口部の狭さが仇となるケースが多い

この後席は狭すぎる! 一見ファミリー向けなのに家族で使うには厳しいクルマ6選

■大きすぎる車体は行き先が制限されがち

■足まわりが硬いと同乗者から不満が出る場合があるのでちゃんと試乗すること

 ファミリーユースに向いてそうで意外と実用性が乏しい車種を紹介

 30年以上前は、ファミリーカーと言えば「セダン」が花形でしたが、90年代半ばからミニバン人気に火がつき、爆発的なミニバンブームに突入。しかし、15年ほど前からSUVが世界中で支持されはじめ、そこから右肩上がりで今ではファミリーカーとしてもSUVは大人気となっています。子供が生まれたらミニバンにするか、SUVにするか、悩んでいる人も多いかもしれませんね。

 ただ現在は、ミニバンの車種が減少していく傾向にあるのに対して、SUVはどんどん増える一方。他車との差別化をして個性を出すために、メーカーはマーケティングに力を入れ、いろいろとアイディアを練り、クルマを開発しています。そうすると中には、一見するとファミリーカーに向いてそうな印象でも、いざ乗ってみると「あれ?」とガッカリしたり、思ったより使いにくいなと感じたりするクルマも出てきています。今回はそんな、ファミリーカーとしてはあまりオススメできないクルマたちをご紹介したいと思います。

 1)トヨタ・ヤリスクロス

 1台目は、つるんとした未来的なデザインと、コンパクトで取り回しのいいサイズ感で人気のあるトヨタ・ヤリスクロス。手頃な価格で1.5リッターのガソリンとハイブリッドがあり、ハイブリッドにも高性能な4WDを備えているので、市街地での運転しやすさを求めるファミリーや雪道などを走ることの多いファミリーからも注目されています。

 ベースとなったコンパクトカーのヤリスよりボディサイズを少し拡大し、ラゲッジの使い勝手を向上したり、上級グレードには4:2:4分割可倒式の後席を採用して、4人乗車でも長い荷物が積めるようになっているなど、家族での使用を意識した部分もあります。ただ残念なのは、デザインを優先したために後席のドア開口部がかなり狭く、大人でも乗り降りが大変。

 チャイルドシートのお世話をするのもちょっと大変そうです。そして後席のスペースもタイトで、とくに足もとはぎゅうぎゅうな印象。夫婦2人だけで使うか、子供がチャイルドシートを卒業した小学生~中学生くらいまでのファミリーなら大丈夫かなというのが正直なところです。

 2)マツダMX-30

 2台目は、マツダ100周年を記念するモデルとしてデビューしたマツダ・MX-30。ボディサイズとしてはCX-30とほぼ同じくらいのコンパクトSUVで、これまでのマツダデザインとはガラリとイメージが異なる、ちょっとフレンドリーなフォルムが特徴的。EVモデルとマイルドハイブリッドモデルが用意されています。

 もっとも特徴的なのが、ドアが左右に観音開きとなる「フリースタイルドア」。両側とも開け放つと、オープンカフェのように開放的な空間となるのが気持ちのいいSUVです。これは後席の乗降性をよくする狙いや、福祉車両としては車椅子を折り畳んで収納する際にも使い勝手がいい、という利点があるのですが、難点もチラホラ。まずドアが、後席のドアだけを開けたいと思っても、必ず前席のドアから開けないといけないということ。閉めるときはその逆で、必ず後席のドアを閉めてから前席のドアを閉めるという手順があり、それが慣れるまではとても面倒に感じてしまいます。

 そして、確かに後席の乗り降りは、身体をねじる必要がないので一見するとラクそうなのですが、いかんせんルーフが低くて頭をぶつけやすく、短い全長ゆえに足もとスペースも余裕がないため、その利点をあまり発揮できていないというのが残念。後席に座っている人は、自分でドアを開けて降りるのもなかなか難しいということで、家族で使う場合には、ヤンチャな子供が勝手に外に出てしまうのを防げるというのは好都合ですが、どちらかというと面倒に感じるシーンのほうが多いかもしれません。なのでMX-30も、カップル、もしくは0歳~3歳くらいまでの子供がいるファミリー向けという印象です。

 大きすぎる車体や硬い足まわりは、購入前に要検討すべし

 3)ダイハツ・タフト

 3台目はハスラーのガチライバルとして登場したダイハツ・タフト。レゴを組み立てたみたいな新感覚のオシャレなデザインと、軽自動車としては珍しく、前席の頭上が大きなガラスルーフになった「スカイフィールトップ」が大きな魅力のクロスオーバー軽SUVです。

 ダイハツらしく、室内の収納スペースはたくさんあるし、ラゲッジの使い勝手も後席を倒せばフラットで広大なスペースになるし、さすが! と唸るところも多々あります。走ればターボモデルはパワフルで上質感もあり、4WDも頼もしい走破性。ただ家族にオススメするには条件があって、比較的小柄な人が多い家族がいいかなと思うのです。というのは、前席は全車標準装備のスカイフィールトップがあるため、フロントガラスの上下が狭く、頭上のゆとりもやや削がれてしまっているため、座高(身長)が高い人だとちょっと視界がタイトになってしまいます。信号待ちなどで真上の信号が見えない、といった苦労をすることがあるので、小柄な人のほうが運転しやすい印象です。

 また、後席はスライド機構が付いていませんので、人が座る時には足もとを広く、荷物を多く積みたい時には後席を前にスライドしてラゲッジを広げる、といったフレキシブルな使い方ができないのが残念。4人で乗ってしまうと、荷室にはあまり大きな荷物が積めなくなってしまうので、タフトもカップル、もしくは子どもがひとりの3人家族までなら便利に使えるのかなと思います。

 4)トヨタ・グランエース

 4台目はメルセデス・ベンツVクラスをベンチマークとして、高級送迎という新しいシーンでの使用を提案するミニバンとして登場したトヨタ・グランエース。全長5m超えのビッグなボディサイズで、堂々とした迫力があります。

 2列目だけでなく3列目シートにもオットマンなどを装備した豪華なパワーシートを備える6人乗りの「Premium」と、3列目はやや簡素なシートとなる8人乗りの「G」があり、2.8リッターディーゼルエンジン搭載のパワフルな走りも特徴的です。アイボリーレザーや木目を使ったインテリアは本当にゴージャスで、まるで飛行機のファーストクラスのような印象。両側スライドドアだし、これならちょっと贅沢なファミリーカーとしてもいいかも? と思うかもしれませんが、弱点は乗り降りが大変だというところ。

 グランエースはもともとSUV並みの175mmという最低地上高を確保しておりフロアが高いのですが、さらに世界中どこでも手に入る部品と耐久性、ちょっとくらい故障しても走り続けられること、というVIPを守り抜くための要件を重視したこともあり、室内のフロアはさらに高い位置に。2段の高いステップを上がってシートに座ることになるので、普通のミニバンならひとりで乗り降りできるようになる4歳くらいの子供でも、親が抱っこして乗せてやらないと座れません。お年寄りにもちょっと厳しいかなという印象です。

 また、全高が2m近くあるため、ショッピングモールの地下駐車場など、ギリギリセーフかアウトか? という心配が常につきまといます。そんなところには行かない、というファミリーならまったく問題ないですが、やはり日本で日常的に使うには気を遣う場面が多いのかなと思います。

 5)BMW X2

 5台目は、都市部でも使いやすいサイズ感と走りのよさで人気のあるコンパクトSUVのBMW X2。全高が1535mmと低いので、ロー&ワイドなスタイリングがとてもモダンで、ほとんどの機械式立体駐車場にも入るのがありがたいところです。

 1.5リッターガソリンターボと2リッターディーゼルターボ、2リッターのガソリンツインターボがあり、SUVながらまるでスポーツカーのように爽快な走りが手に入るので、とくにパパは「これなら家族用に買っても自分も楽しめる」と期待しがちですね。もちろん、それは実際そうなのですが、買う前にちゃんと家族を後席に乗せて試乗しておかないと、買ってから文句タラタラになる可能性が……。

 そう、後席の乗り心地がかなり硬めなのです。常にゴツゴツとしており、マンホールなどの段差を乗り越えるとガツンと振動がくるので、乗り心地もスポーツカー並みと考えた方がいいでしょう。後席スペースの頭上はややタイトですがそれほど窮屈ではなく、ラゲッジも470リットルという容量があるので、パッケージ的には家族でも十分に使いやすいのですが、乗り心地だけしっかりチェックして欲しいと思います。

 というわけで、どれも一見するとファミリーカーにぴったりなクルマたちですが、実際に使ってみると意外な弱点があるものです。SUVやミニバンならどれを買っても大丈夫と油断せず、自分たちのファミリーにはどんなクルマが合っているのか、ぜひいろいろと検討してみることをお勧めします。

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