現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 軽自動車やミニバンにもあった! 「ミッドシップ」を採用した国産車5選【前編】

ここから本文です

軽自動車やミニバンにもあった! 「ミッドシップ」を採用した国産車5選【前編】

掲載 更新 84
軽自動車やミニバンにもあった! 「ミッドシップ」を採用した国産車5選【前編】

卓越した走りとスタイリングを持つ絶好レイアウト

 ”スーパーカーエイジ”にとって「ミッドシップ」という言葉には特別な響きがある。

【レーシングドライバーが解説】なぜ、スーパーカーは車体の中央にエンジンがある?

 例えば、ランボルギーニ・ミウラやカウンタック。フェラーリ512BBや308GTB、ディーノ246GT。ランチャ・ストラトスやロータス・ヨーロッパ、マセラティ・ボーラやメラクなどだ。エンジンという大きく重たいパーツがクルマの中心にあって、Z軸まわりの慣性モーメントが小さいので、よく曲がり、重たいものが後ろにあるためトラクションもよくかかる。

 F1をはじめとする運動性能を最優先した本格的なレーシングカーもミッドシップを採用。上掲のスーパーカーたちも、セダンベースのスポーツカーとは明らかに一線を画していたし、なによりスタイリングが抜群だった。

 しかし、意外なことに軽自動車やミニバンにもミッドシップを採用したモデルは数多し。国産車を代表するスポーツカーとあわせて前編と後編に分けて独断と偏見でピックアップしたい。

【トヨタ MR2】

 当然、日本にもミッドシップのスポーツカーらしいスポーツカーが登場しないかと、誰もが熱望したものだが、最初に量産化されたのは1984年の初代トヨタMR2(AW11)だろう。

 当時のトヨタの悪い癖で「日本初」というのにこだわりながらも“スポーツ”は前面に打ち出してはいなかった。お手本にしたのはアメリカで大ヒットしたフィアットX1/9とGMのフィエロ。FF車のパワートレーンをミッドシップに積んだ、横置きFF流用のお手軽ミッドシップの先駆けだ。

 初代MR-2の搭載エンジンは、AE86と同じ1.6リッターツインカムの4A-G(直4)。車重は1トンほどで、サスペンションは前後ストラットというコストと生産性を勘案したものだったが、誰でもミッドシップが楽しめる200万円以下の新車価格は画期的だった。

 ホイールベースも2320mmとコンパクト。性格はトリッキーだったが、その分ジムカーナでは圧倒的な強さを見せた。

 ただ、居住スペースは乗用車のままだったので、小型ミッドシップスポーツの割に背が高く、とってもバランスはイマイチといった印象。もし中身がAW11、スタイリングがX1/9ならば歴史的な名車になったかもしれない。いいクルマだけど、デザインだけは期待外れだった。

【ホンダ NSX】

 第二期ホンダF1時代、アイルトン・セナという大スターがいて、ホンダエンジンが最強だった1990年。満を持して登場させたホンダのフラッグシップモデルが初代「NSX」だ。世界初のオールアルミモノコック・ボディを採用した、NA横置きV6エンジンのミッドシップスポーツである。

 当然ながら気合の入った発売当時、800万円(5MT)という車体価格も国産車の最高価格。ドイツ・ニュルブルクリンク(以下:ニュル)を走り込んでテスト開発し、アイルトン・セナも太鼓判を押したハンドリングは、世界のスポーツカーが目標とするほどの仕上がりだったし、当時のニュル量産車最速タイムも塗り替えている。

 ただ、搭載エンジンの計画は直4の2リッターからはじまり、レジェンドの3リッターV6エンジンがベース。そして3リッターV6(VTEC)へと変遷。世界最高を目指すなら、最初からV6かV8の縦置きミッドシップで、ドライサンプだったらいうことなしだったはず。さらに言えば、スタイリングはもう少し攻めてもよかったのでは、とすら思える。

 しかし、二代目NSXが登場してから逆に中古車価格が上がるほど人気もあり、日本のミッドシップスポーツでは、唯一名車といえる一台なのは間違いない。

【トヨタ エスティマ】

 ミッドシップというと、スポーツカーばかりイメージをするかもしれないが1990年に登場したトヨタのミニバン、初代「エスティマ」もそうだった。

 ミニバンなのにエンジンを傾けて前席下のミッドシップに搭載。走りのクオリティも高く、新しい時代のクルマだと実感させられた1台であり、今日のミニバンブームの立役者といえる存在だ。

【三菱 i】

 三菱の軽自動車「i(アイ)」もミッドシップといえばミッドシップ。さすがに重心は高めだったが、前後の重要バランスがよく、ハンドリングやトラクションはなかなかのもの。もっと評価されてもいい一台だと思う。

【ホンダ S660】

 ホンダの「S660」はかつてのビートと違い、ターボエンジンを得たが、全体的に筋肉質になって軽快な走りとは違うと感じた。とくにハンドリングが敏感すぎる傾向で、フロントのCP(コーナリングパワー)が高く、”敏感”なのがスポーツと勘違いしている節があるが、スポーツカーの醍醐味はドライバーがハンドルを切って曲がっていくところにあるわけで……。

 とはいえ、エンジン性能に対するキャパシティも高いので安心して走ることが可能だ。

 ぜひ、各メーカーが奮起して、もう一度本格的なミッドシップスポーツ作りにチャレンジしてほしいところ。今回は日本のミッドシップカーのほんの一握りを紹介した。続編もお届けする予定なのでお楽しみに。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

スズキ『ハヤブサ』新モデルは「カラーリング」がキーワード、オーダープランも新設定
スズキ『ハヤブサ』新モデルは「カラーリング」がキーワード、オーダープランも新設定
レスポンス
誕生から現在へと続く、12気筒の系譜。
誕生から現在へと続く、12気筒の系譜。
LE VOLANT CARSMEET WEB
イケアのEVフードトラックがやって来る、「スウェーデンスナック」販売…関西エリアで
イケアのEVフードトラックがやって来る、「スウェーデンスナック」販売…関西エリアで
レスポンス
モトグラフィックスの NC750X(21-24)用タンクパッドがネクサスから発売!
モトグラフィックスの NC750X(21-24)用タンクパッドがネクサスから発売!
バイクブロス
トヨタの斬新「“SUV”商用車!?」がスゴイ! 鮮烈ブルー&“アゲアゲ”スタイルが超カッコイイ! タフ顔のライトバン「“アゲ”ボックス」とは
トヨタの斬新「“SUV”商用車!?」がスゴイ! 鮮烈ブルー&“アゲアゲ”スタイルが超カッコイイ! タフ顔のライトバン「“アゲ”ボックス」とは
くるまのニュース
全18色のカラーオーダーも可能!! スズキ「Hayabusa」2025年モデル発売
全18色のカラーオーダーも可能!! スズキ「Hayabusa」2025年モデル発売
バイクのニュース
HRC CBR250RR用レーシングマフラー「BLADE Racing FULL-EXH JP」がモリワキから登場!
HRC CBR250RR用レーシングマフラー「BLADE Racing FULL-EXH JP」がモリワキから登場!
バイクブロス
隠れた名車にもスポットを…フィアット125周年、3つの特別展示会をトリノで開催
隠れた名車にもスポットを…フィアット125周年、3つの特別展示会をトリノで開催
レスポンス
900万円の衝撃!! GT3でも物足りないツワものへ、ポルシェからの新提案
900万円の衝撃!! GT3でも物足りないツワものへ、ポルシェからの新提案
ベストカーWeb
【MotoGP】バニャイヤ、タイトル争い敗北から学び「クラッシュよりも4位や5位の方が良いこともある」
【MotoGP】バニャイヤ、タイトル争い敗北から学び「クラッシュよりも4位や5位の方が良いこともある」
motorsport.com 日本版
ホットウィール、チリの「La Liebre」を2024年「グローバル・レジェンド・ツアー」の勝者に選出
ホットウィール、チリの「La Liebre」を2024年「グローバル・レジェンド・ツアー」の勝者に選出
LE VOLANT CARSMEET WEB
エッジの効いたスタイルに先進の4WD性能をプラス!新型プレミアムコンパクトSUV「 アキュラ ADX」誕生
エッジの効いたスタイルに先進の4WD性能をプラス!新型プレミアムコンパクトSUV「 アキュラ ADX」誕生
Webモーターマガジン
子乗せも通学用も「男子向け」キーワードに、ヤマハが新型電動アシスト自転車3モデルを発表
子乗せも通学用も「男子向け」キーワードに、ヤマハが新型電動アシスト自転車3モデルを発表
レスポンス
MAXWIN × MUFU のバイク用ドライブレコーダー新モデル「MF-BDVR001G」の予約販売がスタート!
MAXWIN × MUFU のバイク用ドライブレコーダー新モデル「MF-BDVR001G」の予約販売がスタート!
バイクブロス
カジノの街に、F1が戻ってくる。寒さへの対応が鍵?|F1ラスベガスGP DAZN配信スケジュール
カジノの街に、F1が戻ってくる。寒さへの対応が鍵?|F1ラスベガスGP DAZN配信スケジュール
motorsport.com 日本版
東京~千葉の新たな高速「新湾岸道路」ついに本格化! 概略ルート決める「地域アンケート」いよいよ開始 まずは「3つのルート案」絞り込みへ
東京~千葉の新たな高速「新湾岸道路」ついに本格化! 概略ルート決める「地域アンケート」いよいよ開始 まずは「3つのルート案」絞り込みへ
くるまのニュース
トムス、キッズEVカート無料体験イベント開催、全日本カート選手権EV部門最終戦で
トムス、キッズEVカート無料体験イベント開催、全日本カート選手権EV部門最終戦で
レスポンス
キャデラックVシリーズ.R、2025年の“ジョーカー”投入が確定。小林可夢偉参戦のデイトナ24時間が初陣に
キャデラックVシリーズ.R、2025年の“ジョーカー”投入が確定。小林可夢偉参戦のデイトナ24時間が初陣に
AUTOSPORT web

みんなのコメント

84件
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

327.1391.6万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

11.9590.0万円

中古車を検索
エスティマの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

327.1391.6万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

11.9590.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村