現在、各所でフェンダーミラーについて記述される場合、避けて通れぬ1983年以前の日本の状況も解説されます。

Question

そこには、「道路運送車両法により車体外後写鏡はフロントフェンダー上に付いていなければならず、ゆえに国産車はフェンダーミラーであった。そしてそれが外国には非関税障壁と捉えられ、撤廃を求める外国からの圧力により運輸省がこれに応じた。」と、大筋このような内容が記述されています。

https://web.archive.org/web/20110309073435/http://sankei.jp.msn.com/life/news/110306/trd11030618010011-n1.htm
https://www.webcartop.jp/2017/07/138773/
https://www.carsensor.net/contents/editor/category_849/_28636.html

しかしこれには以下の理由で疑問があります。

１）私の記憶では法律による規制ではなく、運輸省が新型車を型式認証する際に、製造者へ指導していただけだったように思うのです。同様の例としてスポイラーとモーターサイクルのカウリングが挙げられます。もちろん当時クルマ・単車好きのハイティーンに過ぎなかった私の記憶違いである可能性も排除しません。

２）1983年以前に国内で正規販売されていた外国製乗用車で、本来からドアミラーでデザインされ製造されたものはドアミラーのまま道路運送されていました。法律で定められていたのならフェンダーミラーに取り換えなければ道路運送できないはずなので、この点でも法規制であったという解説に疑問をもたげます。また、これに関して整合性を示した記述はなく、記者にも真相理解が及んでいないと思わざるをえません。

３）当時、徐々に自動車の輸入関税が下げられている時期ではありましたが、まだまだ輸入車に課される関税は高く、VW・ゴルフ1800でも車両価格で350万円ほどしていた記憶があります (蛇足ですが、私が輸入車と国産車が価格で同じ土俵になったと感じたのは1990年代後半のオペル・アストラからでした)。そも非関税障壁とは障壁の本丸である関税問題がなくなってから顕在化するものではないでしょうか。もちろん障壁の一つであった可能性はありますが、輸入関税自体が最大の問題である時期に些細な問題に過ぎないと思います。

以上について、実態はどうだったのか、明らかにしていただければ幸いです。

補足

運輸省が国産車のドアミラーを認めたのは、外圧ではなく内圧だったのではないでしょうか。当時外国からの輸入関税撤廃を求める外圧は強かったでしょう。特に安全保障を一任する米国からのそれは無視できず、関税は引き下げらて行ったわけですが、そのような状況で野暮ったいフェンダーミラーに縛られる国内製造者の危機感も想像に難しくなく、公平性の観点からも運輸省の姿勢は経団連なども看過しかねたのではないでしょうか。

Answer 1

諸外国のクルマが、フロントが傾斜した車両デザインが増えてきて、国内のメーカーもそうしたかったのですが、フェンダーミラーしか認めてこなかった運輸省が認めてこなかった。
なので、事実上、スラントノーズ等のデザインができないという制約がありました。

メーカーと工業会、運輸省との話がされたのではないでしょうか。（裏からは、国会議員らの圧力も。）

フェンダーミラーかドアミラーを選択してもよいということとなりましたね。
・ 視力が弱い人には、フェンダーミラーを使っては後ろが見えない。
・ ドアミラーであれば、鏡が運転者に近いので、像が大きく後方の視認性がよい。
といった大義名分があったようです。

その過渡期を代表するクルマが、
ホンダのＣＩＴＹ（シティ）やトヨタのコロナ、マツダのＲＸ－７などです。
フェンダーからミラーまで、３０ｃｍ近い不自然な支柱がありましたよ。
マイナーチェンジで、フェンダーミラーからドアミラーになっても、
汎用のフェンダーミラーセットがありました。

タクシーやハイヤー運転手は、
フェンダーミラーを壁等との見切りに使っている人が多かったようで、
ドアミラーを外してフェンダーミラーにする人が多かったですね。

１８０ｋｍ／ｈ制限や２８０馬力制限、１００ｋｍ／ｈ以上で警告を鳴らせるなど、
運輸省に忖度したような、いくつかの制限や自主規制もありました。

質問者からのお礼コメント

回答ありがとうございます。
やはり法規制ではないですよね。