ルノー アルカナ 「スタイリッシュでコスパも最高のフルハイブリッドSUV」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

スタイリッシュでコスパも最高のフルハイブリッドSUV

2024.1.29

年式

2022年5月〜モデル

総評

クーペのように美しいルーフラインを持ち、ブラックを多めに使ったクールな表情のフロントマスクが今っぽいデザインにまず、釘付け。でも見どころはデザインだけでなく、ルノーがF1で培った技術を注いで開発した、輸入車唯一のフルハイブリッドシステム「E-TECH HYBRID」。気持ちよく走れるのに実用燃費もすこぶるよく、価格まで500万円を切るという太っ腹な1台です。

満足している点

先進のスマートコクピットをテーマとしたインテリア。7インチマルチメディアEASY LINKタッチスクリーンは指での操作がしやすくなっていますが、エアコンなどは物理スイッチも残されており、ブラインド操作もしやすくなっています。また、ルノーは昔からシートの良さに定評がありますが、このアルカナのシートもほどよいホールド感と硬さで、疲れにくくて最高です。

不満な点

クーペのようなルーフラインのデザインを実現するためには仕方のないことですが、やはり後席の頭上スペースはややタイトに感じます。座面が背もたれの方に少し傾斜しているので、通常ならゆったりと座ることができますが、念のため長身の人は後席に座ってチェックすることをオススメします。

デザイン

5

当初は鮮やかなオレンジのボディカラーが印象的で、いかにもフランスらしい華やかさがありましたが、2023年に登場したエンジ二アードはルノーのエンブレムがブラックになるなど、チョイ悪な雰囲気を纏っていてすごく今っぽい印象に。ツインエキゾーストフィニッシャーや、ナンバープレートの左右にのびるような「F1ブレード」はウォームチタニウムカラーで、さりげない華やかさも添えていて魅力的です。

走行性能

5

E-TECH エンジニアードは、1.6Lの自然吸気エンジンと、駆動用のメインモーター＆HSGという2つのモーターを、電子制御ドッグクラッチマルチモードATでつなぐ独創的なハイブリッドシステム。発進から想像のはるか上をいく軽やかさに驚き、ハイブリッドらしからぬダイナミックな走行フィールで市街地でも高速道路でも爽快です。急な上り坂などではもう少しパワーがあってもいいかなと思うところもありますが、存分に走ることを楽しめるSUVです。

乗り心地

5

これほどまでによく走るSUVなのに、乗り心地も決して犠牲になっていないのがすごいところです。前席ではもちろんのこと、後席に座っても不快な振動やノイズが少なく、フラット感が高くて快適。これは、最近19インチ以上の大径タイヤを履かせて見た目重視にするSUVが多い中、18インチタイヤで乗り心地とのバランスを考えているからだと思います。

積載性

5

E-TECHハイブリッドで480L、マイルドハイブリッドで513Lの容量を確保しているラゲッジは、奥行きがしっかりあって積みやすい形状です。バックゲートが低く傾斜しているので、掃き出し口付近にあまり背の高い荷物は積めませんが、フロアの高さもちょうどよく、少し深さがあるので荷物が滑り出てくることも少ないでしょう。後席は6:4分割で倒すことができ、フロアボードの高さを上段にすると、ちょうど倒した背もたれと同じ高さになります。

燃費

5

真夏の外気温35度超えの猛暑日に大人3人乗車で、エアコン25度のオート設定で燃費テストをしたところ、カタログ値の22.8km/Lを大きく超える28.8km/Lを記録。実用燃費の高さを見せつけてくれたE-TECH HYBRID。アクセルの調整がしやすく、坂道などでスーッと転がりがよいことなどで、エコドライブが自然にしやすいのも良いところだと感じました。

価格

5

マイルドハイブリッドなら400万円切り、フルハイブリッドなら500万円切りという、今どきの輸入車とは思えない破格のお値段です。しかも、安全装備は全車がフル装備。ディスプレイオーディオも標準でついてくるのだから、さらに驚きです。