ダイハツロッキーについての質問です。 ダイナミックコントロール4WDは通常の4WDと比べて滑りやすいですか？ また北海道での冬道走行に問題ありませんか？

Answer 1

あまり知られていないのですが、ロッキー(ライズ/レックス)の四駆システムは、かなり凝った制御をしてくれます。同種の四駆システムは沢山ありますが、その中でも優れている方ですり。といっても、その根拠がないと掴みどころないと思うので説明しますね。少し長くなり恐縮ですが、最後までお付き合いいただけましたら幸いです。

◆4WDの分類

4WDには大きく分けて以下の4種類があります。

＜パートタイム式4WD＞
ドライバーが手動で四駆に切替える仕組。
国産現行モデルでは、ジムニー系、ハイラックス、キャラバン、軽貨物など限られています。

＜フルタイム4WD＞
常時4輪に駆動力を発生させて走行するもの。四駆システムとしては最上級です。そのイメージが欲しいのか、次に登場するスタンバイ式4WDなのに、フルタイム4WDを名乗る車種もありますが、ここでは別物として区別します。
トヨタエンジン縦置4WD(レクサスLS/IS、ランクル系、スバルオリジナル4WD等)

＜モーター式4WD＞
これも様々なタイプがありますが、基本は前後別々のモーターで駆動し、繊細な制御を行うことができます。ハイブリッドやEV車など。

＜スタンバイ式4WD＞
「トルクオンデマンド式4WD」とも呼ばれます。通常はほぼ2WDで走行し、必要な時のみ4WDに切り替わります。現在4WDのほとんどがこのタイプになっており、最も多くの種類が存在します。ライズの四駆システムもこれにあたります。追って詳しく説明します。

ライズのほか、エンジン横置のFFベースの「スタンバイ式4WD」の場合、エンジンの出力は前輪に直結しており、後輪まで伸びるプロペラシャフトの間に4WDに切替える装置が挟まれています。その装置の強弱で前後輪のトルク配分が変わりますが、ビスカスカップリング等の機械仕掛のものを「パッシブ型」、電子制御式クラッチのものを「アクティブ型」といいます。ライズは後者の「アクティブ型」になります。各種センサーが必要と判断したときにクラッチの油圧を高めて前後輪の駆動配分を最適に制御します。

この電子制御のクラッチは、日本のメーカーの多くがジェイテクト社の「ITCC」(電子制御カップリング)を使用しています。トヨタも日産もマツダも三菱もITCCですね。何が異なるかというと、各社車種によってセンターの数や制御するプログラムが異なるのです。

◆ライズの四駆システム

ジェイテクトは、メーカーと共同開発で各車種に合わせたITCCをセッティングしていきます。そのプログラムの開発はジェイテクト側が担うのが基本なのですが、ダイハツはライズについて自社内でITCCの制御プログラムを開発しました。後輪の稼働領域が広く、スタンバイ式4WDでありながら、本格的なフルタイム4WDと区別がつかないほどの制御をします。「ブレーキLSD」の介入もかなり素早く優れたプログラムです。

＜ブレーキLSDとは＞

走破性のカギを握る「ブレーキLSD」について説明しておきます。駆動輪の左右輪の中心にはデフギアがあります。デフギアはコーナーで左右輪の回転差を抵抗なく差動制御してくれる優れものです。しかし、ひとたび片輪が空転すると、反対側の車輪にグリップがあっても一切駆動力が伝わらず、空転し続けるという致命的な欠点があります。仮に2WD車で、2輪のグリップだけで進める雪道も、このデフギアのせいでスタックしてしまうケースはが実に多いのです。なのでオフロード車やスポーツ車は必要なときにデフギアの機能を殺すLSDを装備したりします。

「ブレーキLSD」は、4輪個別にブレーキ制御できるABSを応用して、滑った車輪にだけブレーキをかける電子デバイスです。デフギアの欠点を逆利用して、滑った側にブレーキをかけることで強制的に反対側の車輪に駆動力を発生させます。4WDの場合は4輪個別に制御します。これによって飛躍的に走破性が高まります。ランクル等の本格的な四駆にもブレーキLSDは装備されています。ブレーキLSDがあってもセンサーの判断が遅く介入が遅れたりするケースもあるのですが、ライズの場合は程よくできています。見た目によらず侮れない雪道の走破性を持つのですね。北海道での利用には全く心配ありません。

すごく長くなってしまい失礼しました。ご不明点などございましたら、追加でご質問いただけましたら幸いです。

Answer 2

積雪＆市街地なら問題なく走れます
積雪＆林道ではジムニーのようなガチ4WDには敵いません