まるこめ。さん
アウディ TT クーペ
グレード:1.8Tクワトロ_LHD_4WD(MT_1.8)
1999年式
乗車形式:マイカー
[まるこめのTTレビュー]4座とはいえ実質2人乗りで、狭いキャビンの上に視界もダメダメ。乗り手は限定されます。合理性を追求するメルセデスやBMWからは
2012.2.10
- 総評
- [まるこめのTTレビュー]4座とはいえ実質2人乗りで、狭いキャビンの上に視界もダメダメ。乗り手は限定されます。合理性を追求するメルセデスやBMWからは絶対に販売されない車でしょう。この車に乗るとパッケージや安全性よりも、スタイリングを優先させようとしたデザイナーのエゴむき出しの執念を感じます。
ある意味で実験的な車ですが、だからこそ今でもTT信者は多いのでしょう。
- 満足している点
- ■エクステリア
ほぼコンセプトカーそのままのスタイリングで販売された初代TT。
近年この車ほどデザイナーが話題となった車も無いのではと思います。「コンセプトデザインのままで量産しないと俺仕事しねー」と啖呵をきったとか、リアスポを追加設定するかしないかで大モメしたとか、そんなトラブルネタばかりらしいのですが…
リアスポは高速域で接地感を失う事故が多発したために浮揚対策として全車標準となったそうです。安全対策の副産物であるリアスポは、残念ながら滑らかなリア曲面を分断している印象を受けます。
初代TTのセールスポイントは、まるで親亀の上に小亀が乗ったようなファニーなスタイリングですよね。
でもその中に無機質な冷たさを感じるのは私だけでしょうか。この車には外付けアンテナやドアバイザー等のエクステリアパーツの設定がありません。きっとデザイナーは緻密に計算されたボディラインを崩したくなかったのかもしれませんね。感性に訴えるイタリアのデザインとは対極で、何か破綻が許されない緊張感が漂うデザインだと思います。
2代目TTはデザイナーが変わり、洗練されたスタイリッシュクーペとなって現行アウディのラインナップに加わりました。きっと初代TTのデタラメな空力も大幅に改善されたのでしょう。初代TTは2代目と比較すると野暮ったく見えてしまうのですが、エポックメイキングなスタイリングと塊感で強烈なインパクトを与えたのは明らかに初代でした。
■インテリア
初代TTのインテリアでまず思い浮かぶのは、無垢材から削り出した幾多のアルミパーツではないでしょうか。ここはデザイナーのこだわりが強く反映されており、2代目モデルよりもはるかにコストをかけているのがわかります。ただ、「TT」の文字が彫られているオーディオの開閉式アルミプレートは、あえて何も加工しないでフラットのままが断然クールでした。
センターパネルは2代目TTになってからやや運転席側を向いてドライバーに優しくなりました。一方で初代TTのような美しいシンメトリーや危うい均衡感覚は失われました。
- 不満な点
- ■性能
4WDのクワトロは1.8直4のターボエンジン(225ps、28.6kgm)なので、それなりの加速を味わえるのですが、いかんせん車両重量が1450kgもあるので軽快感は薄いです。逆にこの重量だからターボが必要だったのではないでしょうか。スポーツカーというより明らかにツーリングカーなので、スポーツカーのイメージで購入するとガッカリします。
クイックレスポンスなハンドリングはスポーティ感覚を演出したかったのかもしれませんが、この車の特性から判断するとむしろマイルドな方向にセッティングすべきでした。
ちなみにFF版のTTクーペ(180ps)はクワトロよりも150kg軽いのでパワーウェイトレシオはほぼ互角です。
総合的に見てこの車のベストバイはFFのAT仕様だと思います。パワーが欲しいヒトにはV6エンジンを積んだ3.2LクワトロのDSGあたりでしょうか。少なくとも私が購入した1.8クワトロの6MT(左ハンドル)は、特にこだわりが無ければ敬遠すべきグレードの一つでしょう。
- デザイン
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- 走行性能
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- 乗り心地
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- 積載性
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- 燃費
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- 価格
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- 故障経験