現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > トヨタが後付け純正セキュリティシステム1万7050円で発売!  CANインベーダーによる車両盗難を防げるのか? 

ここから本文です

トヨタが後付け純正セキュリティシステム1万7050円で発売!  CANインベーダーによる車両盗難を防げるのか? 

掲載 234
トヨタが後付け純正セキュリティシステム1万7050円で発売!  CANインベーダーによる車両盗難を防げるのか? 

 トヨタが後付けのセキュリティシステムを8月から発売開始した。このセキュリティシステムはトヨタ純正アクセサリー)ディーラーオプション)として用意される。はたしてこれでリレータックやCANインベーダーといった車両盗難を防ぐことができるのか?

文/ベストカーWeb編集部、写真/トヨタ、ベストカーWeb編集部、Adobe Stock

トヨタが後付け純正セキュリティシステム1万7050円で発売!  CANインベーダーによる車両盗難を防げるのか? 

■ランドクルーザーの車両本体盗難が急増中

日本損害保険協会の2022年の車両盗難件数データではランドクルーザーが450件で1位。データからはランクル200、300、プラドなど特定できない。写真は指紋認証ロックシステムが装着されたランドクルーザー300

 まずはどれくらい車両盗難が起きているのか、一般社団法人日本損害保険協会が公開している2022年の車名別盗難状況の調査結果からお伝えしたい。

 車両盗難1位となったのは、2位のプリウス(282件)を大きく引き離す、たった1年だけで450件というランドクルーザー(プラド含む)だった。2020年は275件、2021年は331件、そして2022年は450件と年々増え続けている。

■2022年車名別盗難状況「車両本体盗難」
1位:ランドクルーザー/450件、16.9%
2位:プリウス/282件、10.6%
3位:アルファード/184件、6.9%
4位:レクサスLX/156件、5.9%
5位:レクサスRX/90件、3.4%
6位:ハイエース/83件、3.1%
7位:クラウン/72件、2.7%
8位:アクア/55件、2.1%
9位:C-HR/43件、1.6%
10位:レクサスES/38件、1.5%

 年式、車種によって異なるが、いわゆるメーカー純正盗難防止装置は、イモビライザーと純正アラームの組み合わせで、キーレスエントリーのボタン操作に連動する。ただし、リレーアタックやCANインベーダーを使われた場合、純正アラームが解除され、役に立たないというおそれもあった。

スマートキーから出る微弱な電波を使ったリレーアタックは、微弱な電波を遮る金属の缶や遮断ポーチなどで防止できることが広まったため、自動車盗難の手口はスマートキーのIDコードを読み取ってスマートキーそのものを複製してしまうコードグラバーやCANインベーダーに移行(katsu@Adobe Stock)

 車両盗難の方法は、かつてはスマートキーから発せられる微弱な電波を中継器で増幅させ、ドアの解錠を行う「リレーアタック」が主流だったが、認知度の上昇とともに多くの対策が施されたため盗難手口としては減少傾向にあった。

スマートキー内のIDコードを盗み出すコードグラバーという機器も出回っている(dusanpetkovic1@Adobe Stock)

 「コードグラバー」については、リレーアタックのように電波を遮断する方法では太刀打ちできない。コードグラバーはスペアキーをつくるための特殊な専用機械でスマートキーのIDコードを読み取ってスマートキーそのものを複製してしまうからだ。

 当初は数mの距離しか読み取れなかったが、最近では1km以上離れた場所からでもスマートキーのIDコードを読み込める機械が出てきている。

 ただし、コードグラバーが使えるのは狙ったクルマのオーナーがスマートキーを使ってドア解錠などの操作を行うタイミングに限られるため、効率はそれほどよくない。

 変わって台頭してきたのがCANインベーダーという盗難手口。ランドクルーザーのバンパーを外して、モバイルバッテリーのようなものを通信ネットワーク(CAN)のコネクターに接続して、解錠している犯人の映像を見た方も多いはず。

 このCANインベーダーを使った車両盗難に対応したのがこのトヨタ純正用品の「セキュリティシステム」。このセキュリティシステムを搭載することで、車外から通信ネットワーク(CAN)に不正侵入して流し込まれる信号を遮断し、不正なドアの解錠やエンジンの始動を防ぐ、というもの。

 このセキュリティシステムは、部品を取り付けるだけで、スイッチをオンオフするなどの特別な操作は必要ないという。

■価格は1万7050円、工賃込みだと2万5135円~

トヨタ純正セキュリティシステム。オーナーは特別な操作は特に必要ないという

 トヨタ純正セキュリティシステムの価格は1万7050円。標準取り付け時間は0.7~1.4h。工賃込みだとプリウスの場合は2万5135円、そのほかは3万3200円(3年6万km保証)となっている(詳細はディーラーに問い合わせてください)。意外に安いというのが正直な感想だ。

セキュリティシステムが装着できる対象車一覧

 対象車種は盗難件数の多い車種で、ランドクルーザー(2021年8月~2022年10月)、ランドクルーザープラド(2017年9月~)、プリウス(2018年12月~2022年11月)、アルファード&ヴェルファイア(30系、2018年1月~2023年4月)など、車種によっては先代モデル(プリウスやプリウスPHEV、アルファード、クラウン)になっている点に注意が必要だ(表参照)。

 ちなみにレクサスにも用意されており、レクサス車の場合は1万8700円、標準取り付け時間は0.8~3h(5年10万km保証)。

 レクサスの対象車種は、ES(2018年10月~)、LC(2017年3月~)、LS(2017年10月~)以外は先代モデルとなっている(表参照)。

レクサス純正セキュリテイシステム対象車一覧

 トヨタ車、レクサス車ともに新型モデルに関しては、一部の車種を除いて対象車になっていないが、今後は対象車になっていくだろう。もしくはすでにセキュリティシステムが搭載されている可能性もある。

 2023年8月から発売となったこのトヨタ純正セキュリティシステムによって、車両盗難がどれだけ減っていくのか、今後の動向を注視していきたい。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

元ハースのグロージャン、旧知の小松代表の仕事ぶりを支持「チームから最高の力を引き出した。誇りに思う」
元ハースのグロージャン、旧知の小松代表の仕事ぶりを支持「チームから最高の力を引き出した。誇りに思う」
AUTOSPORT web
本体35万円! ホンダの「“超”コンパクトスポーツカー」がスゴい! 全長3.4m×「600キロ切り」軽量ボディ! 画期的素材でめちゃ楽しそうな「現存1台」車とは
本体35万円! ホンダの「“超”コンパクトスポーツカー」がスゴい! 全長3.4m×「600キロ切り」軽量ボディ! 画期的素材でめちゃ楽しそうな「現存1台」車とは
くるまのニュース
最近よく聞く「LFP」と「NMC」は全部同じ? EV用バッテリーの作り方、性能の違い
最近よく聞く「LFP」と「NMC」は全部同じ? EV用バッテリーの作り方、性能の違い
AUTOCAR JAPAN
リアウィンドウがない! ジャガー、新型EVの予告画像を初公開 12月2日正式発表予定
リアウィンドウがない! ジャガー、新型EVの予告画像を初公開 12月2日正式発表予定
AUTOCAR JAPAN
アロンソのペナルティポイントはグリッド上で最多の8点。2025年序盤戦まで出場停止の回避が求められる
アロンソのペナルティポイントはグリッド上で最多の8点。2025年序盤戦まで出場停止の回避が求められる
AUTOSPORT web
「俺のオプカン~仙台場所~」初開催!「オープンカントリー」を愛する男性ユーザーが集まって工場見学…川畑真人選手のトークショーで大盛りあがり
「俺のオプカン~仙台場所~」初開催!「オープンカントリー」を愛する男性ユーザーが集まって工場見学…川畑真人選手のトークショーで大盛りあがり
Auto Messe Web
「ラリーのコースなのでトンネル工事を休止します」 名古屋‐飯田の大動脈 旧道がレース仕様に!
「ラリーのコースなのでトンネル工事を休止します」 名古屋‐飯田の大動脈 旧道がレース仕様に!
乗りものニュース
紫ボディはオーロラがモチーフ、中国ユーザーが求めた特別なインフィニティ…広州モーターショー2024
紫ボディはオーロラがモチーフ、中国ユーザーが求めた特別なインフィニティ…広州モーターショー2024
レスポンス
『頭文字D』愛が爆発。パンダカラーで登場のグリアジン、ラリージャパンで公道最速伝説を狙う
『頭文字D』愛が爆発。パンダカラーで登場のグリアジン、ラリージャパンで公道最速伝説を狙う
AUTOSPORT web
トヨタ勝田貴元、WRCラリージャパンDAY2は不運な後退も総合3番手に0.1秒差まで肉薄「起こったことを考えれば悪くない順位」
トヨタ勝田貴元、WRCラリージャパンDAY2は不運な後退も総合3番手に0.1秒差まで肉薄「起こったことを考えれば悪くない順位」
motorsport.com 日本版
日産「新型ラグジュアリーSUV」世界初公開! 斬新「紫」内装&オラオラ「ゴールド」アクセントで超カッコイイ! ド迫力エアロもスゴイ「QX60C」中国に登場
日産「新型ラグジュアリーSUV」世界初公開! 斬新「紫」内装&オラオラ「ゴールド」アクセントで超カッコイイ! ド迫力エアロもスゴイ「QX60C」中国に登場
くるまのニュース
エコの時代に逆行!? 「やっぱ気持ちいいのは大排気量のトルクだよね」……800馬力超のエンジンが吠える「アメ車」マッスルカーの“クセになる世界”とは
エコの時代に逆行!? 「やっぱ気持ちいいのは大排気量のトルクだよね」……800馬力超のエンジンが吠える「アメ車」マッスルカーの“クセになる世界”とは
VAGUE
変化と進化──新型ロールス・ロイス ゴースト シリーズII試乗記
変化と進化──新型ロールス・ロイス ゴースト シリーズII試乗記
GQ JAPAN
加熱する中国高級SUV市場、キャデラック『XT6』2025年型は「エグゼクティブシート」アピール
加熱する中国高級SUV市場、キャデラック『XT6』2025年型は「エグゼクティブシート」アピール
レスポンス
メルセデス、ラスベガス初日の好調は「なんでか分からない」予選に向けて”ダスト乞い”?
メルセデス、ラスベガス初日の好調は「なんでか分からない」予選に向けて”ダスト乞い”?
motorsport.com 日本版
Moto2チャンピオンに輝いた小椋藍、日本人初となる『トライアンフトリプルトロフィー』を受賞
Moto2チャンピオンに輝いた小椋藍、日本人初となる『トライアンフトリプルトロフィー』を受賞
AUTOSPORT web
フィアット新型「600e」と暮らしてみたら「500L」との2台体制を夢見てしまい…ファミリーカーとしてオススメの1台です【週刊チンクエチェントVol.47】
フィアット新型「600e」と暮らしてみたら「500L」との2台体制を夢見てしまい…ファミリーカーとしてオススメの1台です【週刊チンクエチェントVol.47】
Auto Messe Web
なんとも物騒な「煤殺し」ってなんだ!? トラックドライバー御用達アイテムの正体とは
なんとも物騒な「煤殺し」ってなんだ!? トラックドライバー御用達アイテムの正体とは
WEB CARTOP

みんなのコメント

234件
  • 最初からつけとけ
  • 現在販売中のトヨタ新車ならもう最初から標準で付けてよ!って思う
    以前の旧型車なら買えばいいがいまトヨタ新車納車待ちの身として
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

510.0800.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

739.91950.0万円

中古車を検索
ランドクルーザー300の車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

510.0800.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

739.91950.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村