初めて乗るEV、どれにする?
EVのラインナップが急速に拡大する昨今、注目すべきコンパクトモデル10台をランキング形式で紹介する。
<span>【画像】今注目の小型EVベスト10【全モデルを写真でじっくり比較】 全120枚</span>
車体が小さく、バッテリーの搭載スペースが少ないため、航続距離は大型車には及ばない。しかし、バッテリーが小さいということは、それだけ価格が安いということでもある。
また、たまにしか長旅をしないような都会の居住者を対象にした場合、例えば300km以上の航続距離を必要とするオーナーがどれだけいるかは議論の余地があるだろう。
エンジン車から初めてEVに切り替える人や、セカンドカーとしてEVを探している人にとっても有力な選択肢となるはずだ。
なお、価格や仕様は記事執筆時の英国での実例に基づいている。ご参考までにとどめていただきたい。
1. プジョーe-208
208のEV版であるe-208は、2020年に市場に投入されたPSAグループのEVモデルの中でも特に、価格面やスタイル面で魅力的だ。航続距離、性能、価値、実用性、スタイル、品質感などを考慮すると、初めてEVを購入する人の「気になるリスト」上位にランクインしてもおかしくない。おそらく、どの小型EVよりも高く評価されるだろう。
低廉な印象のEVとは異なり、素材感のある上質なインテリアは、スタイリッシュなボディと同様に、このクルマを明確に際立たせている。実用性はルノー・ゾエと同等で、ミニ・エレクトリックよりも優れている。
洗練されたデザインはライバルを凌駕しており、パフォーマンスもかなり強力だ。電気モーターを使った「キレの良さ」は十分に感じられる。乗り心地もしなやかだ。小型EVは車体の重さを抑えるのに苦労することが多いのだが、e-208はそのようなことはない。
ステアリングはダイレクト感があって印象的だが、アグレッシブに運転するとボディコントロールが少し悪くなる。それでも、e-208のドライビングは丸みを帯びていて、とても印象深い体験である。
2. フィアット500エレクトリック
見慣れたクルマに見えるかもしれないが、通常の500と並べて見ると、全く新しいクルマであることに気がつくはずだ。フィアットは、500のキュートなレトロ感を残しつつ、見事に現代的なEVに仕立て上げた。
当初からEVとして開発されたため、(小型車としては)かなり大きな42kWhのバッテリーを搭載し、理論上の航続距離は320km(実際には225km程度)となっている。欧州では24kWhのバッテリーを搭載した500アクションという安価なモデルもあるが、お勧めするほどの節約効果はない。
EVとなったフィアットの走りは、標準の500よりも格段に優れている。119psの出力により、驚くほどスピーディーな走りを実現しているのだ。ステアリングはかなり軽めだが、グリップ力は十分で、ボディロールもしっかり抑えられているため、都市型EVとしては考えられないほどの運転の楽しさがある。高速道路を快適に走ることはできないが、うまく対応することができる。
インテリアも、これまでの500に比べて大幅に改善されている。プラスチッキーな質感は残っているが、見た目は美しく、シートも快適。インフォテインメント・システムは論理的で操作性が良い。ただし、背の高いドライバーには向いていないし、大人を後部座席に乗せないほうがいいというのは言うまでもないだろう。
価格は2万ポンド(約300万円)強からとなっており、サイズの割には高額だが、ファッショナブルで使い勝手のよいEVとしては非常にお買い得な価格設定と言える。
3. ヴォグゾール/オペル・コルサe
プジョーの兄弟ブランドであるヴォグゾール(ドイツではオペル)が販売するコルサeは、e-208のようなスタイルや航続距離を持たず、想像力に富んだインテリアもなく、価格もそれほど高くはない。しかし、比べる価値がないと思ってはいけない。プジョーに比べれば少し地味かもしれないが、それでも十分にハンサムなクルマだ。
290kmという日常生活に十分な航続距離と、鋭敏で有能なハンドリング、快適な乗り心地を兼ね備えており、100kWのDC急速充電に標準対応していることもセールスポイントになるはずだ。
ヴォグゾールの母国である英国では大規模なディーラー網が構築され、これまでEVを検討していなかった人々を迎える準備を整えている。コルサeは、そのニーズに応えるのに十分な性能を持っている。
4. ルノー・ゾエ
ルノー・ゾエは発売当初、決してエキサイティングなモデルではなかったが、改良を重ねた結果、大幅にステップアップしている。52kWhのバッテリーを搭載し、1回の充電で最大385kmを走ることができ、多くのライバルを圧倒している。実際の走行距離が300km程度だとしても、非常に優れた性能だ。
もはや特筆すべきことではないが、50kWでの充電にも対応している。価格は3万ポンド(約450万円)弱からとなっているが、理想的にはR135モデルの「アイコニック」グレードを選び、パワーと装備を追加したいところだ。特に、バッテリーをルノーからリースする必要がなくなった今では、競合他社と比較しても高いコストパフォーマンスを誇っている。
運転してみると、非常に軽快で静粛性が高く、街中での乗り心地も良い。しかし、高速走行時には若干の不安定さを感じることがあり、操作系にはやや鉛のような重苦しさもある。インテリアやインフォテインメント・システムは、初期モデルから大幅に改善されている。
5. ミニ・エレクトリック
ミニ・エレクトリックは、ミニというブランドに期待される楽しさのすべてを詰め込んだEVだ。
3ドアのボディをベースに、BMW i3 Sのパワートレインを搭載したミニ・エレクトリックは、最高出力183ps、最大トルク27kg-mという非常に健康的な性能を備えている。今回比較している他モデルよりもパフォーマンスに優れ、ハンドリングはミニの伝統である、グリッピーでダーティでアジャイルなものとなっている。英AUTOCAR編集部お気に入りの1台でもある。
問題は航続距離だ。ミニは230km以上と謳っているが、実際には160~190kmにとどまるだろう(運転の仕方や場所による)。しかも、トランクがかなり小さく、後部座席へのアクセスが困難で、いずれにしても小さな子供以外には使えない。小型EVの中ではまだ楽しめる部類に入るが、航続距離の短さゆえ、上位に入るには不十分である。
6. BMW i3 S
BMW i3は、EVを所有するというコンセプトを大衆市場に持ち込んだとまでは言えないが(2010年の日産リーフに先を越された)、少なくとも、EVが面白く、個性的なものになり得ることを示したとは言えるだろう。
2013年以降、航続距離、パワー、車載技術を向上させてきたが、その過程でエンジンを発電機として搭載するレンジエクステンダー仕様が廃止され、現在は純粋なEVのみとなっている。公称航続距離は302kmで、現在の基準で言えば価格の割に期待はずれである。
編集部がi3で気に入っている点は、スポンジのようなボディコントロールはさておき、洗練された感覚、ゆったりとした乗り心地、適切に配置された操作系とインテリアの雰囲気だ。また、炭素繊維強化プラスチック製の構造と際立ったデザインにより、アバンギャルドで刺激的な雰囲気を醸し出している。
7. ホンダe
ホンダは、初の量産EVであるホンダeで革新的なアプローチをとった。リアに搭載されたモーターはパッケージングの効率化を実現し(ただし、全体的には少し失敗している)、4輪独立サスペンションは大型車のような乗り心地とハンドリングを目指している。
136psと154psの2種類のモデルがあるが、どちらもバッテリー容量はライバルには及ばない。35.5kWhのバッテリーを搭載し、WLTPでの航続距離は最大220km(16インチホイール装着時)とされている。英AUTOCAR編集部のテストでは、17インチホイールを装着した試乗車で160kmを超えることはできなかった。
運転してみると、乗り心地はふっくらとして落ち着きがあり、操作しやすい。ステアリングは飛び抜けているわけではないが、適度なレスポンスの良さを感じる。刺激的ではないし、ボディコントロールも改善の余地はあるが、都市型EVとしてはリラックスして運転できるだろうし、そのオルタナティブなスタイリングは非常に愛らしい。
8. マツダMX-30
マツダは、他社がやらないようなことでも、自分のやり方で進めることを決して恐れない。
MX-30は期待を超えるものではないが、魅力的な製品である。35.5kWhという異例の小ささのバッテリーを積んだトイカーのような外観で、公称航続距離200kmを実現している。これは、オーナーがこれ以上バッテリーを必要としないと考えているからであり、容量を大きくすると無駄なコストがかかるからだ。
流行のSUVライクなボディを持ち、車内は適度な広さがある。興味深い素材を使用したインテリアは独特の居心地の良さと好感の持てる雰囲気を醸し出している。
ダイナミクス面でもMX-30は際立っている。ただし、それは面白い道を少しだけペースを上げて走っているときに限られる。145psの出力と27kg-mのトルクでは、直線では決して驚かないが、重さを伝えるステアリングやコーナリング時のサスペンションのしなやかな動きは、ロードスターを彷彿とさせるものがある。しかし、街中ではやや地味な印象を受ける。
最大50kWでの充電が可能で、限られた航続距離で問題なれば、一風変わったマツダ車の魅力は十分に味わえる。セカンドカーとしても有力かもしれない1台。
9. フォルクスワーゲンe-Up!
フォルクスワーゲンのe-Up!は、スコダ・シティゴe iV、セアトMiiと組んだトリオの最後の生き残りだ。フォルクスワーゲンの方が遊び心があり、そもそも最初に登場したという点で、編集部お気に入りの1台として紹介したい。
フォルクスワーゲン最小のEVであるe-Up!は、今のIDシリーズよりも前に発売されたモデルで、2020年の改良ではバッテリーを大型化してWLTP航続距離256kmを達成した。カメラを使ったレーン・キーピング・システムが搭載されているほか、軽やかな雰囲気のインテリアも健在。
価格も引き下げられ、2万1000ポンド(約315万円)をわずかに超える程度(英国政府の助成金2500ポンドを含む)となり、最近急増している3万ポンド超の小型EVと比較してもお買い得感がある。
小型EVによく言えることだが、e-Up!はセカンドカーとしての役割をこなすのに最適だ。4人を比較的容易に乗せることができ、21kg-mのトルクで適度な速さを実現している。フォルクスワーゲンらしく、操作系も直感的で簡単に使える。同価格帯では、スマートのEQフォーツーや、スコダを凌駕している。
10. DS 3クロスバックEテンス
このコンパクト・クロスオーバーは、これからマツダMX-30を所有しようとしている人も検討する価値がある。
個性的なエクステリア、やや大げさだが表面的には「豪華」なインテリア、そして約320kmの航続距離とそこそこのパフォーマンスなど、DSらしい特徴がすべて揃っている。
気になるのは、室内空間が特に優れているわけではないこと、ドライビング・エクスペリエンスが普通であること、そして価格がかなり高いことだ。しかし、もし普通ではないEVを求めていて、そのためにお金を払う覚悟があるなら、DS 3 Eテンスに失望することはないだろう。
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