トップは日本車 SUVと電動車人気続く
部品不足や半導体の供給問題で自動車産業が疲弊した2022年、英国で最も選ばれたクルマは日産キャシュカイだった。キャシュカイは、初代モデルが日本で「デュアリス」として販売されていたクロスオーバー車で、日本での販売終了後も欧州市場で独自の進化を遂げ、現行モデルは3代目にあたる。
【画像】2022年英国で最も売れたクルマとは?【日産キャシュカイなど上位5車種を写真でじっくり見る】 全94枚
英国のサンダーランド工場で生産されているキャシュカイは、2位のヴォグゾール・コルサを大きく引き離し、首位に立った。また、キャシュカイを筆頭に、販売台数のトップ10には4台のクロスオーバー/SUVがランクインしている。
2位のヴォグゾール・コルサ(オペル・コルサの英国版)は、2022年を通して上位を維持してきたが、最終的にトップを日産に譲る形となった。3位はテスラ・モデルYで、英国で最も売れたEVとなった。続いてフォード・プーマとミニがトップ5入りを果たしている。
2022年の英国ベストセラー車トップ10を見ていこう。
1位:日産キャシュカイ(2022年販売台数4万2704台)
2022年の英国ベストセラー車は、年後半から好調だった日産キャシュカイに。最近フルモデルチェンジで3代目に生まれ変わったキャシュカイは、その優れた実用性により英国の消費者を魅了している。3代目から新たな電動パワートレイン(e-Power)が追加されたことも、その魅力をさらに高めているのは間違いない。
日産はこれを記念して、サンダーランド工場でゴールドのラッピングを施した特別なキャシュカイを製作した。
日産UKのマネージング・ディレクターであるアンドリュー・ハンバーストーンは、次のように述べている。
「画期的なクルマの、画期的な瞬間です。最新世代のキャシュカイがここ英国の自動車購入者の共感を得られたのは素晴らしいことです」
「この16年間でキャシュカイがますます成功を収めていることに、わたし達は本当に感激しています。これは、英国における日産の優れたデザイン、エンジニアリング、生産、販売チームのスキルと才能を称えるにふさわしいものです」
2位:ヴォグゾール・コルサ(3万5910台)
オペルの兄弟ブランドであるヴォグゾールが英国で販売するハッチバック、コルサは今年も大いに人気を集め、2番目のベストセラー車となった。コルサが英国で成功している要因としては、PSAグループが開発した新しいシャシーの効果と、ガソリン、ディーゼル、EVと複数のパワートレインが用意されていることが挙げられる。今後も快進撃は続きそうだ。
3位・テスラ・モデルY(3万5551台)
12月、テスラ・モデルYが大量に(約1万台)入荷されたこともあり、英国で最も売れたEVとして、また全体で3位として2022年を終えることになった。同年2月にロングレンジ仕様が発売されたモデルY。トップ3入りを果たしたことで、英国の自動車市場に与える影響力が明らかとなった。後輪駆動モデルが新たに登場し、2023年もEV界隈を大いに盛り上げてくれるに違いない。
4位:フォード・プーマ(3万5088台)
欧州フォードの人気クロスオーバー、プーマ。2022年も好調で、堂々の4位につけた。ドライビング・ダイナミクスと絶妙な価格設定がウケているようだ。上級志向のヴィニャーレ仕様と高性能のST仕様も追加され、ラインナップが充実している。
5位:ミニ3ドア/ドア(3万2387台)
2013年にデビューした第3世代ミニは、モデルとしては古くなりつつあるものの、相変わらずの人気を誇っている。2021年には、フォルクスワーゲン・ポロやトヨタ・ヤリスなどのライバルを抑えて3位にランクインしており、2022年もトップ5をキープした。
ガソリン車、EV、コンバーチブル、ジョン・クーパー・ワークス(JCW)といった多彩なラインナップを持つミニは、個性的なドライバビリティと可愛らしいルックスで高い支持を得ている。今年は、第4世代の新型ミニが登場する予定だ。
6位:キア・スポーテージ(2万9655台)
英国におけるキアの主力車、新型スポーテージは5位前後で推移していたが、6位に落ち着いた。5代目となる現行モデルは、人目を引くデザイン、トレンドのパワートレイン、高いコストパフォーマンスにより、キアにとって大ヒット商品となっている。
7位:ヒョンデ・ツーソン(2万7839台)
2021年から英国販売トップ10の常連となっているヒョンデ・ツーソン。同年にモデルチェンジを受けた際、ユニークなライトデザインが特徴の新しいフロントエンドが採用された。
8位:フォルクスワーゲン・ゴルフ(2万6558台)
説明不要の人気ハッチバック、ゴルフ。8代目となる現行モデルも、英国でフォルクスワーゲンのベストセラーの座につくなど安定感を見せる。英国ではICE車、マイルドハイブリッド、プラグインハイブリッド(PHEV)を展開し、高性能モデルとしてゴルフGTEやゴルフRも導入。選択肢は多岐にわたる。
9位:フォード・クーガ(2万6549台)
英国におけるフォードの人気モデルとしては、これまでハッチバックのフィエスタが2番手(1番はプーマ)とされてきたが、2022年は中型SUVのクーガがランクイン。日産キャシュカイ、フォルクスワーゲン・ティグアン、プジョー3008が入り乱れるSUVセグメントに、米国ブランドが食い込んだ。2020年にアップデートされ、デザインがソフトになったほか、より広い室内と経済的なプラグインハイブリッド(PHEV)が導入された。
10位:フォード・フィエスタ(2万5070台)
フォード・フィエスタが英国の販売トップ10に入るのは、残念ながら今回が最後となる。なぜなら、47年間の生産に終止符を打つからだ。フィエスタの後継にはEVのクロスオーバー車が選ばれ、売れ筋のプーマやクーガと肩を並べることになる。
フィエスタの人気は、多用途性とオールラウンドに優れたドライビング・ダイナミクスにあり、中でもハイパフォーマンス仕様のフィエスタSTは、今でも欧州最高のホットハッチの1つとして君臨している。生産終了の報せは残念でならない。
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みんなのコメント
街中で見ても黒塗りは地味で車の特徴が目立ず、気付かれ難い。
売れ行き一番とは英国の人も速い車が好き、良くわかってますね。
エクストレイル、こっちにならんかな。