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派手車なぜ減少? 大型リアスポイラー装着車が減っている理由とは

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派手車なぜ減少? 大型リアスポイラー装着車が減っている理由とは

1980年代の後半以降、高性能なスポーツモデルには、「大きく派手なほど効果が高い」という理由から大型のリアスポイラー(ウイング)が装着され、クルマの運動性能の高さを象徴する装備でした。

しかし、近年のスポーツモデルを見ると、巨大で派手なリアスポイラーが装着されるケースが激減しています。なぜ、性能を追い求めるスポーツモデルから大型なリアスポイラーを見かける機会が減ってしまったのでしょうか。

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スバルのスポーツモデル「WRX STI」のリアスポイラーはオプション設定 国産車のなかで、大型リアスポイラーを装着した先駆けモデルは、1989年に登場した日産スカイラインGT-R(R32型)」です。

1993年に登場した、トヨタスープラ(A80型)」は大型リアスポイラーを装着していましたが、ルームミラー越しの後方視界は、スポイラーが邪魔をして見えにくいというデメリットもありました。

以降、巨大で派手なリアスポイラーは、ホンダインテグラ タイプR」やスバル「インプレッサWRX STI」、三菱ランサー・エボリューション」といったさまざまなスポーツモデルに採用されました。

また、1990年代中盤から車検制度の緩和によりカスタマイズの自由度が劇的に広がり、派手なリアスポイラーやウイングなどの社外品パーツが増えていき、アフターパーツマーケットも活性化していきます。

しかし、2000年代中盤から大きなリアスポイラーが姿を消し始めます。ポルシェの「911」などでも、特別モデル以外では、リアスポイラーは任意・自動で必要なときに電動で現れる格納式に変化していきました。

これらの理由としては、空力技術の向上でリアスポイラーに代表されるボディ上面だけではなく、ボディ下面でもダウンフォースを得られるようになったからといわれています。

ボディ下面がフラットなクルマにディフューザーが加わると、整流された空気が拡散(ディフューズ)され空気の流速が速まることで強い負圧が発生し真空状態に近くなり、ダウンフォースが発生。

ボディ下面でダウンフォースが発生できるようになったことで、空気抵抗が増える傾向にあるリアスポイラーやウイングなどの空力付加物の必要性が薄れていったのです。

リアスポイラーやウイングによるダウンフォース効果は、その大きさや形状などにもよりますが、80km/hぐらいからだとされています。

しかし、これは誰もが体感できるレベルではありません。ダウンフォースが向上して、リアのスタビリティが上がったことを体感できるのは、日本の法定速度をはるかに超えた領域、超高速域のサーキット走行レベルになってからです。

「リアスポイラー」と「リアウイング」の違い クルマのトランクなどに取り付けられるリアスポイラーとリアウイングは、名称が違うだけでなく、効果や機能にも違いが存在します。

最近では珍しい大型リアスポイラーを装着したホンダ「シビック タイプR」 リアスポイラー(ルーフスポイラー)は、ボディに発生する空気の流れに沿うように取り付けられたパーツのことです。

クルマが走行して当たる空気は、ボディに沿ってフロントからリアに流れます。この空気が、クルマのルーフやトランクリッド後端から離れていく際に、空気の「渦」を生み出します。

しかし、気流の乱れやクルマを反対方向に引っ張る負圧を生み出し抵抗となり、速度の低下や燃費悪化などを引き起こし、風切り音などの不快な音の原因にもなります。この空気の渦を少なく流れを整えるのがスポイラーの効果です。

一方で、リアウイングは車両後端の高い位置に装着する翼端板で、航空機の翼のような形状のアイテムです。F1マシンを代表するレーシングカーなどにつけられているのは、ほとんどがこのウイングタイプです。

これにも整流の効果もありますが、ウイングの役割で大きなものは、車体を地面に抑える力(ダウンフォース)を得るための装備です。

※ ※ ※

市販車の純正装着パーツとして見る機会の減ったリアスポイラー(ウイング)ですが、最近のスポーツモデルでもオプションや上位グレードで選ぶことが可能です。

スバル「WRX STI」では、全車に大型リアスポイラーをメーカーオプションとして設定されており、トヨタ「86」とスバル「BRZ」は、走行性能を重視したグレードになるとトランク上部に小型ながらもウイングを装着しています。

また、17年ぶりに復活したトヨタ「スープラ(90型)」には、ダックテールとも称されるスポイラーが備わっています。

市販車(特別仕様車を除く)のなかで唯一、大型リアスポイラーを採用しているのがホンダのスポーツモデル「シビック タイプR」です。

減りつつあるリアスポイラー(ウイング)装着車。一方で、クルマの空力特性を向上させるパーツの進化は凄しく、前述したディフューザー以外にもアンダーカバーやエアロワイパーといった、目に見えない部分のパーツが採用されていることも少なくありません。

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