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【今こそターボ!大特集1/4】最初は燃費対策のためだった!? 電動化の今振り返る「日本のターボ40年史」

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【今こそターボ!大特集1/4】最初は燃費対策のためだった!? 電動化の今振り返る「日本のターボ40年史」

 2022年の真夏、ターボの特集。電動化の波がジワジワときているからこそ、内燃機関が生み出すターボの魅力に迫りたい。

 以前のターボは「速さ」をアピールするための特別な道具だったが、現在では燃費とパワーを両立することができ、また、マイルドハイブリッドとの相性もよいことから、いわば「当たり前」のパーツになっている部分はある。

【今こそターボ!大特集1/4】最初は燃費対策のためだった!? 電動化の今振り返る「日本のターボ40年史」

 だが、それでもあの背中を押してくるような加速は、やはり格別だ。ターボの魅力、今こそ再確認しよう!

※本稿は2022年7月のものです
文/ベストカー編集部、写真/ベストカー編集部 ほか
初出/ベストカー2022年8月10日号

■日本のターボエンジンの歴史

1979年にデビューした国産初の市販ターボ、日産430型セドリック。130ps/17.5kgmだったL20エンジンにターボを組み合わせて145ps/21.0kgmを発揮。最初の搭載はセドリック/グロリア

 日本車ターボ時代の夜明けは1979年、今から43年前のことだった。

 1970年代前半、オイルショックと排ガス規制のダブルパンチで日本車のパフォーマンスが激しく低迷していた時代である。日産を代表する2L直6のL20型エンジンは130ps/17.5kgm、しかも現在のネット表示ではなくグロスでのこの数値だ。

 パワーアップの切り札として期待が集まったのがターボだ。この時代だとポルシェターボに代表されるように、ターボは高性能エンジンの代名詞のような存在だった。

 それゆえに、当時の運輸省はターボエンジンの認可に難色を示した。暴走族が問題視されていた時代という背景もあり、ハイパワーエンジンは暴走行為を助長するという見解もあったのだ。

 日産は「ターボはエンジンの効率を高め、燃費向上になる」という説明で当局を説き伏せた。現在のダウンサイズターボでそれは証明されることになるが、当時はもちろん認可のための方便だった。だからこそ、ターボ第一号はスカイラインではなく、高級車のセドリック/グロリアだったのだ。

■憧れだったツインターボの今

 ひとつでも高性能車の証であるターボチャージャーを2基搭載しているのだから、ツインターボは超高性能!! ともてはやされた1980年代中盤。

 直6エンジンに1基の大型タービンを装着すると、排気干渉が大きくなるうえ、ターボラグも大きく、いわゆるドッカンターボになってしまう。これを解消するため、3気筒ずつに分けて小型タービンを2基搭載したのが1985年10月に登場したGX70系マークII/チェイサー/クレスタだった。

 その後、VG30DETTやRB26DETT、三菱の6G72など勢力を拡大したが、国産エンジンのターボ衰退期に数を減らす。高性能ではあるが、補器類が多くなりコスト的に高くなることも衰退の要因となった。それだけにツインターボは憧れのターボとしての地位を高めた。

 現代のダウンサイズターボでは、小型シングルターボが主流であるが、そんななか、存在感を放つのは言うまでもなくGT-Rの3.8L、V6ツインターボだ。

 だが、日産にはもう一基、VR30DDTTがある。そう、スカイライン400Rに搭載され、最新のフェアレディZにも搭載されるV6、3Lツインターボだ。405ps/48.4kgmのパワーはやっぱり魅力的だ!!

■いつからターボは「よいこ」になった!?

6代目スカイラインのRSは2L直4ターボを搭載。当初は190psだったが、1984年のマイチェンでインタークーラーが装着され205psとなる

 1980年代、1990年代のターボはとにかくヤンチャだった。低回転ではブーストが効かずスカスカ。過給がかかった時のノッキング対策で圧縮比は低いし、高回転でのハイブーストが欲しいので大きなタービンつけるから、とにかくトルクがないしアクセルに対するレスポンスもよくない。

 ターボががらりと優等生に変身したのは、直噴システムが一般化したことが背景にある。コンピューター制御が進化し、ノッキング対策も緻密になる。以前と比べれば圧縮比も高くなり、直噴だから常にシリンダーからは容積いっぱいのエアが排出され、低回転でもタービンを勢いよく回してくれる。

 直噴ターボ時代になって、本来の「燃費のためのターボ」がいよいよ実を伴ってきたのである。2000年代の話だ。

■ターボの常識&非常識の今昔

 このテーマで代表的なのが「ターボタイマー」じゃあなかろうか。

 1980年代、1990年代、ターボエンジンは走行後にすぐエンジンを切ってはダメ、とされた。

 タービンの軸受けを潤滑するオイルはエンジンオイルを使用するため、エンジンを停止するとオイルが循環しなくなり、高温になったタービン軸受けが焼き付く、というのがその理由。

 エンジンキーをオフにしても設定した一定時間エンジンがアイドリングを続けるターボタイマーは必須アイテムだったのを覚えている読者も多かろう。

 今じゃあアフターアイドリングをする人など皆無だ。ダウンサイズターボなど、燃費コンシャスなエンジンでは特にアイドリングは敵。それでタービンが壊れたという話は聞いたことがない。現代ではアフターアイドリングは不要とされる。

■ターボは何でハイオク指定!?

 ハイオクガソリンはノッキング耐性が高いため、ハイブーストで点火時期を進角させたいハイパワーターボには不可欠な燃料なのだ。一方ダウンサイズターボエンジンではブースト圧や点火時期を調整してレギュラーガソリンを指定としているものもある。

 ハイオク指定のターボエンジンにレギュラーガソリンを入れても、現代のエンジンは点火時期制御などにより壊れはしないが、パワーは落ちる。

【番外コラム】懐かしのTURBO時代……1980年代のターボはとにかくみんな熱かった!!

2Lターボで200psに達したのが1980年代。谷田部でゼロヨンや最高速テストが定番企画だった

 前出のように、日本車のターボの歴史は43年前、1979年、日産セドリック/グロリアに始まった。1980年代はトヨタ、三菱、ホンダなどが次々とターボエンジンを開発し、スポーツモデルのみならず、コンパクトカーやセダンなどにもターボエンジン搭載モデルがいっきに増大していった。

 日本車でターボエンジンがいっきに普及したのには排気量による自動車税の区分が大きく関係していた。

 自動車税は500ccステップで5000~6000円ずつ税額が上がっていくが、1989年3月31日までは、「2000ccの壁」があった。

 1999ccならば年額3万9500円の自動車税が、2001ccになると8万1500円へと跳ね上がるため、簡単には排気量アップができなかったのだ。小排気量で大きなトルク、パワーを得られるターボエンジンが重宝されたというわけだ。

ファミリーセダンのランサーに1.8Lターボエンジンを搭載した「ランタボ」なども1980年代の名車

 そのため1980年代は特に2Lターボが各メーカーで積極的に開発され、クラウンやマークII、ローレルのようなセダンモデルに搭載された。

 さらにコンパクトカーでも1.3~1.5Lクラスのターボモデルが相次いで登場。2Lクラスで200psをオーバーするなど高性能化がいっきに進み、自動車雑誌ではゼロヨンテストや最高速テスト企画が隆盛を誇ったのだ。

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