■目立たないけどロングセラーなクルマ5選
世界的にロングセラーなクルマといえば、フォルクスワーゲン「タイプ1(ビートル)」やローバー「ミニ」が有名です。日本ではトヨタ「クラウン」「カローラ」、日産「スカイライン」、三菱「デリカ」(現行はデリカD:5)などです。
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しかし、あまり目立たない存在ながら、ほかにも誕生からかなりの年月を経たモデルがあります。そこで、隠れたロングセラーなクルマを5車種ピックアップして紹介します。
●三菱「ミラージュ」
初代三菱「ミラージュ」の発売は1978年ですから、2018年で誕生から40年となりました。初代「ミラージュ」はホンダ「シビック」などに対抗すべく開発されたコンパクト2BOXタイプのクルマです。
発売当初のエンジンは直列4気筒の1.2リッターと1.4リッターがあり、当時の時代背景もあり燃費性能を重視して開発されています。
発売後はラインナップを増やし、スポーティな「1600GT」や、マイナーチェンジで車名を「ミラージュII」に変わり、1.4リッターターボや、日本初となる2気筒の燃焼を休止する「気筒休止」を採用しています。
現行モデルは6代目で、先代の販売終了から10年ぶりとなる2012年に発売。生産はタイで行なわれ世界に輸出されるグローバルコンパクトカーとなっています。
●トヨタ「ハイラックス」
トヨタ「ハイラックス」も「ミラージュ」と同様に、日本では一旦販売が終了したモデルです。そして2017年にタイで生産している「ハイラックス」を日本で再販することになりました。
初代「ハイラックス」は1968年に発売され、2018年でちょうど50周年という大きな節目を迎えました。トヨタが企画し、日野自動車が開発と生産を担当したといいます。
初代「ハイラックス」は、小型ピックアップのニーズが高いアメリカ市場でも販売され「トヨタ トラック」という名前でした。アメリカでは後に4WD版が大ヒットし、トヨタのピックアップトラックがアメリカでも認められる存在になりました。
現行モデルは8代目で、日本に導入されたモデルはディーゼルのみです。装備によってふたつのグレードとなっていて、上位グレードでは自動ブレーキなどの先進安全装備も採用されています。
なお、2018年12月には50周年記念特別仕様車「Z ブラックラリーエディション」が発売されました。
■日本中が価格に驚いたあのクルマ
●スズキ「アルト」
スズキには軽自動車が360ccだった時代から「フロンテ」というモデルがありました。そのフロンテと併売するカタチで1979年に発売されたのが2BOXタイプの「アルト」です。
軽自動車税や保険の額は商用車が優遇されており、「アルト」は商用車(4ナンバー)として販売されました。なお、同時期から発売された乗用に使用する軽自動車のほとんどは4ナンバーになりました。
エンジンは当初は直列3気筒550ccの2ストロークで、フロントに搭載しフロントタイヤを駆動するFFとなっていました。エンジンは後に4ストロークに切り替えられています。
初代「アルト」で大いに話題となったのは47万円という、驚異的な低価格でした。徹底的なコストダウンの結果で実現されました。この低価格により「アルト」は大ヒットし、スズキを代表する軽自動車へとなりました。
初代から39年経った現行モデルは8代目として2014年に発売されました。価格は84万7800円からと、初代と同じく低下価格を実現しています。
また、ベーシックモデルのMT車では610kgという、他に類を見ないほどの軽量化を実現しています。
●マツダ「ボンゴ」
マツダ「ボンゴ」は1BOXタイプのバンと、キャブオーバータイプのトラックという商用車です。誕生は1966年で、2018年で52年を迎えます。
初代「ボンゴ」は800ccの直列4気筒OHVエンジンをリアに搭載して、リアタイヤを駆動するRRとなっていました。
トラック、バン、コーチが同時に発売され、コーチはバンのボディに3列シートを搭載して8人乗りとした乗用モデルで、いまのミニバンのはしり的存在でした。
初代「ボンゴ」最大の特徴は「超低床」設計でした。床面地上高はトラックで460mm、バンで450mmという大人の膝ほどの高さで、商用車としての使い勝手の良さが追求されています。
現行モデルは1999年に発売され4代目になります。商用車ではモデルチェンジをあまり行なわないため、発売から52年経っても4代目です。しかも現行モデルも19年販売しているのは驚きです。
■37年もフルモデルチェンジされなかったクルマ
●日産「サニートラック」
日産「サニートラック」は『サニトラ』の愛称で親しまれたクルマです。今回の5車種のなかで、唯一販売が終了した絶版車になります。
誕生は1967年で「B10型 サニー」をベースに作られました。しかし、初代は意外と短命で、4年ほどで2代目となる「B120型 サニートラック」にバトンタッチされます。
1971年、「B110型 サニー」をベースとしたモノコックボディの「サニートラック」が発売。ここから1994年の販売終了まで、一度もフルモデルチェンジすることはありませんでした。
ところが、「サニートラック」歴史はまだ終わりませんでした。南アフリカで「BAKKIE(バッキー)」という車名で継続して製造・販売されていたのです。
「バッキー」は名機と名高い「A型」エンジンも継続して搭載せれ、ボディはハイルーフとなっていました。また、トランスミッションは国内モデルで採用されなかった5MTが搭載され、これを流用したい『サニトラ』愛好家が多かったといいます。
最終的に「バッキー」は2008年まで販売され、37年間もモデルチェンジされなかったことになります。
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