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SUVはブームじゃない!? トヨタが続々投入 世界でトレンド化する背景に新興国の影響あり?

掲載 更新 17
SUVはブームじゃない!? トヨタが続々投入 世界でトレンド化する背景に新興国の影響あり?

■なぜトヨタはSUVを続々投入する?

 2015年には5車種しかなかったトヨタSUVラインナップですが、2020年7月現在では8車種に増え、さらに9月上旬には「ヤリスクロス」も追加されます。なぜトヨタはSUVに積極的なのでしょうか。

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 2015年時点では、ダイハツからのOEM車として「ラッシュ(2016年3月販売終了)」「RAV4(2016年8月販売終了)」「ハリアー(先代の3代目)」「ランドクルーザープラド(現行モデル)」「ランドクルーザー(現行モデル)」がラインナップされていました。

 当時は、ランドクルーザーシリーズやハリアーはすでにブランドが確立していることから別格の存在としても、RAV4やラッシュはモデル末期であり、機能面や価格面から見ても積極的に選ぶクルマではありませんでした。

 一方、2020年7月現在では、ランドクルーザーおよびランドクルーザープラドに加えて、フルモデルチェンジしたハリアー、カムバックした「RAV4(派生車:RAV4 PHV含む)」、スタイリッシュな都会派SUVの「C-HR」、現在唯一新車で買えるピックアップトラックの「ハイラックス」、2020年上半期販売台数1位に輝いた5ナンバーサイズSUVの「ライズ」といった車種がラインナップしています。

 さらに、9月初旬には「ヤリス」ベースのコンパクトSUVである「ヤリスクロス」の登場も控えるなど、SUVに関してまさに盤石の体制となっています。

 もともと、日本のトップメーカーでありフルラインナップメーカーであるトヨタは、他メーカーに比べてラインナップが多いという特徴がありました。

 しかし、2016年のC-HRの発売以降、明らかにSUVラインナップを拡充しているのには、どのような背景があるのでしょうか。

 トヨタに限らず、近年各メーカーのSUV攻勢はすさまじいものがあります。トヨタはもちろん、国内のほぼすべてのメーカーがSUVを主力車種に据えているほか、海外メーカーも積極的にSUVを投入しています。

 ロールスロイスランボルギーニといった、これまでSUVとは無縁のイメージだったブランドがSUVを発売しているのもここ数年のことです。

 これほどまでに各メーカーがSUVを投入するのには、それぞれ個別の事情はあるにせよ、その根本は中国をはじめとする新興国の隆盛があります。

 2000年以降、新興国の経済が著しく成長し、そうした国で新車を購入できる人々が増えるようになりましたが、新興国では未舗装路も多くセダンのような最低地上高の低いクルマでは実用面で不安がありました。

 一方、各メーカーのラインナップには悪路走破性能の高いクロスカントリービークルがありましたが、日常の利用には不便なことも多く、また価格や環境性能といった面でも課題があったのです。

 そこで、各メーカーは乗用車をベースに、クロスカントリービークルのようなスタイルを持ったクルマの開発に乗り出し登場したのが、クロスオーバーSUVです。

 このクロスオーバーSUVの登場によって、最低限の悪路走破性は持ちつつ、乗り心地もよく、また価格や環境性能の面でもほかの乗用車とそん色ないレベルのクルマが登場することになります。

 そして、このクロスオーバーSUVは、新興国のみならず日本をはじめとする先進国でも人気を博します。最低地上高が高いことで多少の段差は気にしなくても良いという安心感に加えて、セダンに比べて室内空間が広く、それでいてミニバンよりもデザイン性が高いことや、視点が高いため不慣れな人でも運転がしやすいという点がとくに評価されたのです。

■SUVはブームからスタンダードに

 SUVは悪路に強いというイメージから、どちらかというとワイルドな印象の強いクルマが多かったなかで、高級感を強調したクロスオーバーSUVのハリアーの登場によって、日本で「都市型SUV」という新たなジャンルが登場します。

 さらに、2012年に登場したホンダヴェゼル」が、コンパクトでありながらスタイリッシュであり、なおかつ燃費性能や運動性能にも優れていることで、一躍人気モデルとなりました。

 そして、2016年、トヨタは満を持してハイブリッドシステムを搭載したコンパクトSUVとしてC-HRを投入、登録車のなかでもトップクラスの販売台数を記録することになります。

 国産メーカーの内情に詳しい業界関係者は次のように語ります。

「これまでSUVといえば、スキーやサーフィン、あるいはキャンプなど特定の趣味や目的を持った人のためのクルマでした。

 しかし、現在ではもっとも総合性能の高いクルマとして、それまでセダンやコンパクトカーが担っていた『ふつうのクルマ』というポジションを得ています。つまり、SUVは単なるブームなのではなく、クルマのスタンダードになっているといえます。

 そこまでクルマにこだわりはないけれども、そこそこ広くて、乗り心地がよくて、燃費もよくて、価格もちょうどよくて、そしてできればカッコイイクルマがほしい、というような消費者のニーズにもっともマッチしているのがSUVなのだといえます」

※ ※ ※

 近年登場したSUVのすべてが新興国向けに開発されたというわけではありません。しかし、多くのメーカーがSUVの新型車開発に乗り出している背景には、新興国の影響は少なからずあるでしょう。

 その結果、SUVへの開発投資が進み、結果として優れたクルマが多く生まれたことで、日本や欧米諸国でもSUVの人気に火がついたのは間違いありません。

 では、トヨタは今後もSUVを拡充していくのでしょうか。前出の業界関係者は次のように語ります。

「トヨタに関していえば、市場の大多数が求めるクルマを提供するのが責務のメーカーですから、このようなSUV全盛の時代にはSUVを積極的に投入するのは当然です。

 国内シェアトップのトヨタがSUVを積極投入すれば、市場はSUV一辺倒となっていくことは間違いないでしょう。そうなれば、ますますトヨタはSUVを拡充していくと考えられます」

 セダンやハッチバック、ミニバンにもそれぞれの魅力がありますが、現時点でもっとも市場のニーズにマッチしているのはSUVであることから、今後もトヨタはSUVに注力していくことは間違いないようです。

 そうなると、トヨタ以外のメーカーも追随することから、今後もSUVカテゴリーでの競争続くのかもしれません。

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みんなのコメント

17件
  • まさにブームからスタンダードに、だと思う。四駆である必要もなく、荷室が広いわけでもない。SUVは普通の車になった。
  • ブームでしょ。
    無駄にデカいし、死角は多いし、タイヤもデカすぎて交換も保管も大変。
    そのうちハイソカーのように飽きられます。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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