フォルクスワーゲン ゴルフ (ハッチバック) 「故障で嘆いている多数の一般ユーザと、彼ら...」のユーザーレビュー

故障で嘆いている多数の一般ユーザと、彼ら...

2003.10.10

総評

故障で嘆いている多数の一般ユーザと、彼らを無知とし誹謗する"エンスー"の対立が散見されるが、どちらの意見も興味深い。皆、実社会では常識ある大人だとは思うが、責任感のない発言、また他人を中傷する発言をしても、その匿名性により制裁を受けることがないインターネットで、人の本性を垣間見るようで少々むなしい。まあ、その匿名性に甘んじてこの投稿をする私も変わりないが。論ずるべきは、信頼性の低さが、もはやドイツ車全般でなくVWの問題ということである。それほどBMWやオペル等の品質が改善されているということだ。誤解を恐れずに言えば、"信頼性"に対するVWのプライオリティーは、内外装の質感や走行性能に対するそれに比べ明らかに低い。先日の米国でのJDパワー社による自動車の耐久性調査でも、VW車の結果は平均を大きく下回っており、欧州勢の中でもかなり悪い部類に入っていた。予想通り上位には日本車が多くランクインされたが、米国メーカもそれに次ぐ好成績だった。これは米国で多くのユーザーが日本車を通じて信頼性に大きな価値を認めたことも大きな一因だろう。まあ競争とはかくあるべきだ。そして欧州ではゴルフが市場の根強い保守性の恩恵を得ながらも、優れたコーナリング性能と革新的なデザインを持つフォーカスにシェアを奪われ、一方では信頼性とコストエフェクトの高い日本車がますます台頭している。さすがの欧州もここに来て変わり始めたということか。VWの危機感は相当なものだろう。プレミアムメーカーを目指すことにより差別化を行う構えのようだが、高級車としての歴史もない上、並の信頼性が伴わないのではその目論見は足元から崩壊する可能性がある。日本ではゴルフの"良さ"を知る多数の愛好家が、その信頼性の低さを寛容する傾向があるが、それはメーカの怠慢を許すだけではないか。"理解できないなら乗るな"という声があるが、明らかに一般ユーザーを取り込むマーケティングを行っているのはVWJを始めとする売り手で、その責は彼らにあろう。

満足している点

厳選された素材と高い組立精度により内外装の質感は極めて高い。また、ディテールにまで哲学を感じるデザイン、素直で重厚な走り及び乗り心地など、古典的だが純然たる独車の味わいがあり、所有する喜びがある。全ての造形、構造に確固たる"理由"があり、設計者達の知性と良心を感じる。昨今の国産車に比して、もはや大したアドバンテージを有するわけではないが、フロントサスペンションの剛性の高さによるものか、路面に貼りつくような高速安定性は頼もしい。削り出しのドアヒンジや、ガラス製ヘッドライトカバー、本木目パネル、厚い装甲などその堅牢で上品な作りは、フェイクと揶揄される要素を一切排除した“本物”たる佇まいを呈する。

不満な点

初めから分かっていたことだが、エモーショナルな車ではない。GTIの冠をしても、その挙動はドライバーに不安を与えず、常に快適な移動を提供しようとするので少々退屈してしまう。ＶＷのテストドライバー達が相当走りこんで仕上げたと思われるボディーと足回りの完成度は高いが、リア側の捩れに対する剛性が不足している印象がある（大きな開口部を持たないボーラではどうかな？）。そしてやはりフロントヘビーか、連続するコーナーでの軽快さは希薄である。あと、ATのロックアップ領域が広いのは結構なことだが、ロックアップクラッチの係合時の油圧をもう少しうまくファイン制御できないものか、ショックが大きい。

デザイン

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走行性能

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乗り心地

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積載性

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燃費

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価格

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故障経験