トヨタ C-HRハイブリッド 「際立つ個性を求めたコンパクトSUV」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

西村 直人
西村 直人(著者の記事一覧
交通コメンテーター
評価

3

デザイン
5
走行性能
3
乗り心地
3
積載性
3
燃費
3
価格
3

際立つ個性を求めたコンパクトSUV

2022.6.24

年式
2016年12月〜モデル
総評
他のコンパクトSUVと明確な差別化を図るため、デザインでそれを表現するなど、新たな試みがなされた。非常にユニークで市場からは一定の評価が得られた。しかし、こうして世に出してみると、不満点として指摘した安全性、死角の問題が浮き彫りになった。飽和期に入ったなかで生まれた一台としてこの先も評価され、20年後には名車として中古車市場で高騰する可能性もある。
満足している点
独創的なデザイン、それはインテリアにも継承される。こうしたデザインに注目するユーザーであればCH-Rはピンポイントで支持されるだろう。また、GR SPORTの完成度も評価されている。やや外観がヤンチャだが、空力性能を高めたバンパー形状や、補強バーツによるボディ補強、大径タイヤを履きこなすための足回り変更など、価格以上の満足度が得られるはずだ。
不満な点
斜め後ろの視界がとても悪い。たとえば左側の安全確認を行う際、上半身を左に大きく捻転しても死角が大きい。リヤドアのノブはCピラーと一体化した非常にすっきりとしたデザイン処理だが、ノブの操作がしづらい。ラゲッジルームも後席を倒せば十分な広さだが、後席利用時は正直、狭い。確かに人目を惹くものの、見る角度によっては個性が強すぎる。
デザイン

5

コンサバティブなデザインを好むトヨタにしてはじつにチャレンジングな一台。顔付きこそ、この年代のトヨタテイストだが、前下がりのクラウチングスタイルにはじまり、大きく張り出した前後のブリスターフェンダー、そしてヒップアップしたリヤまわりの造形など、明らかに他モデルと異なるデザイン言語をもつ。ホイールをインチアップするだけで無国籍感たっぷりのスポーツSUVにも思えてくる。
走行性能

3

エンジン種類は2つ。プリウスベースの直列4気筒1.8Lハイブリッドと直列4気筒1.2Lターボだ。1.2LターボにはFFと4WDがあり、FFはCVTのほかに6速MTもラインアップする。ほぼ1400kg以上と車両重量はやや重め。ハイブリッドとターボの重量差は約50kgだから、必然的に走りのゆとりはハイブリッドが大きい。1.2Lも力強いが環境性能との整合性からエンジン回転の落ちが遅い。
乗り心地

3

標準グレードの足回りは引き締められてはいるものの、基本、あたりはソフトで乗り味も万人受け。GRスポーツグレードはボディ下部の補強に始まり、19インチの大径タイヤの採用、さらにはダンパーやスプリングの変更によってステアリング操作に対する応答性を向上させた。わかりやすくすっきり感が高まったが、低速域ではバネ下重量増加に伴うバタつきを実感する。
積載性

3

後席は6:4の分割可倒式で利便性は高いがラゲッジルームの容量は318L(最大1112L)とボディサイズからすれば少ない。リヤゲートの形状から大きな荷物も積みづらい。もっとも、これはCH-Rの独創デザインを成立させるための英断だ。ちなみに床面はフラット。これはガソリンだけでなくハイブリッドモデルにしても同じだ。
燃費

3

ハイブリッドのWLTC値が25.8km/L、1.2LターボのFFがMTで15.4km/L、CVTで14.9km/L、4WDは14.3km/Lだ。ハイブリッドは燃費数値を追いかけたのではなく、気持ちの良い走りを主体に制御内容を設定した。ハンドリング性能が良いため、気持ちよく走らせていくと実用燃費は、同じ1.8Lハイブリッドシステムを搭載する他モデルよりも若干悪い。
価格

3

ボトムグレードは1.2Lターボの「S-T」で2,382,000円。ハイブリッドはベース「S」で2,745,000円。その差は363,000円と割と大きめ。もっとも装備はほぼ同じで選べるオプション品にしても近いので、差額は純粋にハイブリッド代となる。専用デザインはインテリアにも及ぶことから車両価格は全般的に高めだ。車両に補強を加えたGR SPORTは1.2Lターボの2,782,000円〜。
西村 直人
西村 直人
交通コメンテーター
WRカーやF1、MotoGPマシンのサーキット走行をこなし、4&2輪のアマチュアレースにも参戦。物流や環境に関する取材を多数。大型商用車の開発業務も担当。国土交通省「スマートウェイ検討委員会」、警察庁「UTMS懇談会」に出席。自動運転技術の研修会(公的/教育/民間)における講師を継続。警視庁の安全運転管理者法定講習における講師。近著は「2020年、人工知能は車を運転するのか」(インプレス刊)。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員日本自動車ジャーナリスト協会会員
トヨタ C-HRハイブリッド 新型・現行モデル

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