スズキ ソリオハイブリッド 「「ミニバンは不要だが」というご家族に勧めたい逸品」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

「ミニバンは不要だが」というご家族に勧めたい逸品

2021.2.23

年式

2020年12月〜モデル

総評

軽自動車では小さすぎるが、かといって3列シートのミニバンを買うほどでもない——と考えている人にとっては、ベストに近い一台だといえます。

満足している点

ステアリングを握るドライバーとしては「安心して」「楽しく」運転できる稀有な大衆実用車だと感じられ、助手席や後席に座る人は「便利で」「非常に乗り心地がいい」という、これまた大衆実用車としては稀有な一台だと感じるでしょう。

不満な点

リアシートのアレンジは多彩かつ容易ですが、他社の類似モデルのほうが「よりアレンジが簡単（ラクに動かせる）」というのはあります。

デザイン

4

標準モデルの「ソリオ」は、内外装ともに「とってもハイセンス」というわけでもありませんが、よく出来た道具としての機能美と、なかなか絶妙な“カタマリ感”があります。「ソリオ バンディット」のほうは、「メッキパーツの量を増やす」という安易な手法とは別のやり方で、十分な個性と重厚感を表現できています。

走行性能

4

1.2L直4自然吸気＋マイルドハイブリッドとなるパワーユニットは静粛性が高く、それでいて力感も実用車としては十分。ISG（モーター機能付き発電機）のアシストのおかげで、アイドリングストップ状態からのエンジン再始動もきわめてスムーズです。

乗り心地

4

スズキ自慢の新骨格「HEARTECT」に加えて、構造用接着剤で部品間のわずかなすき間を埋めているせいか、基本的にファミリーユース向けの柔らかなタッチですが、同時に「しっかり感」のようなものも強い乗り味。ドライバーだけでなく後席に座る乗員も、非常に快適な感触で座り続けることができます。

積載性

4

リアシートは165mmの前後スライドと最大56°のリクライニングが可能。そしてリアシートを一番前までスライドさせても、後席に座る成人男性のヒザもとには十分な余裕があります。そして前後スライドを一番後ろまで下げれば、超絶余裕で足が組めます。で、その状態でも荷室は決して狭くはありません（床面長は最小でも55cm）。

燃費

4

WLTCモード燃費は19.6km/L（ハイブリッドMZ、2WD）。フルハイブリッド車の燃費数値と比べればやや見劣りしますが、そもそもの車両価格が比較的安価であるため、総合的には「経済的である」といえます。

価格

4

標準車は上級グレードであっても2WDなら202万2900円で、ソリオバンディットも2WD車は200万6400円。作りの良さから考えると、なかなかのお買い得感があります。