日産 ノート e-POWER 「価格と乗り心地が気になるが、電気自動車の長所を味わえる」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

価格と乗り心地が気になるが、電気自動車の長所を味わえる

2021.3.14

年式

2020年12月〜モデル

総評

乗り心地の難とオプション装備を含めた価格が納得できるなら、新鮮味がある今買うのもいい。急がないなら欲しいオプション装備を厳選した特別仕様車や新グレードが加わるのを待つことも考えるなど、いずれにしてもあまり高くない仕様で乗るのを勧める。

満足している点

日産ファンであれば｢現行ノートから日産車が良くなりそう｣という明るい兆しを感じることだろう。またe-POWERが燃費以上に静かでシャープな走りを楽しめるという点もノートを選ぶ大きな理由になると思う。

不満な点

前述したe-POWERの高速道路のペースでの燃費の低下は120km/h制限の高速道路が増えてくると弱点になりそうなこともあり、将来的にはホンダのようにエンジン直結モードが加わることも期待したい。また欲しい仕様にするとお高いクルマになることがあるのも弱点だ。

デザイン

4

ノートは初代、先代型2代目モデルともにいい意味で万人向けなデザインだったが、現行型3代目モデルは新体制となった日産のスタートを切るモデルだけに万人向けながら目が覚めるようなシャープさも備えており、デザインだけで買ってしまう人も多いだろう。

走行性能

4

エンジンを発電専用に使うe-POWERのみとなった現行モデルは熟成が進んでおり、静粛性が大幅に向上。またe-POWERはもともとアクセルを踏んだレスポンスが非常に優れていることもあり、全体的に電気自動車の長所だけを味わえる。

乗り心地

2

私が公道で乗ったメーカー広報車は乗り心地がかなり悪かった。ただ信用できる同業者に聞くと「そんなことはなかった」という意見もあり、初期ロットのためかまだバラつきがあるようで、試乗して納得できるレベルか確認してほしい。買ったクルマに不満があれば、ダンパーは絶対に手を加えたい。

積載性

3

ノート自体は歴代コンパクトカーとしてはボディサイズの大きい｢広さを求めたモデル｣というポジションにあることもあり、現行モデルもコンパクトカーではフィットに次ぐ広いキャビンとラゲッジスペースを持つ。ただディーラーオプションのラゲッジスペースに置くトノカバーとアンダーボックスは高いので、サービス価格を求めるといいだろう。

燃費

4

総合した実用燃費は22から23km/Lと広さなどを考えれば納得できるものだが、コンパクトカーのハイブリッドの中ではそれほどいいわけではない。またe-POWERはエンジンが発電専用のため、電気自動車同様に高速道路のペースになると燃費の低下が大きいことも覚えておきたい。

価格

3

価格がノートを選ぶ際に一番注意すべきポイントだ。というも素の価格はそれほど高くないが、プロパイロットやLEDライトといった「新車を買うなら欲しい」という装備を加えていくとクルマだけで270万円程度となり、今買うならオプション装備は最低限にすることも考えた方がいいだろう。