基礎的な質問です。

Question

例えばランエボのチューンで2000馬力という尋常ではないパワーに上げる時、排気量を敢えて下げる事により、回転数を向上させてパワーを絞り出す方法があります。

排気量を下げると回転数が向上する原理が分かりません。

排気量を下げるというより、ショートストローク化して回転数を上げるという事でしょうか。

ご存知の方、ご教授願います。

補足

「排気量が上がるほど、回転数上昇が頭打ちになるのが早くなる」という理屈も分かりません。 合わせてご教授頂ければ幸いです。

Answer 1

排気量はピストン径(シリンダー径)と上下に動くストローク量で決まります。
ここで問題になるのはストローク量でストロークが長くなると言うことはピストンスピードが上がります。
ピストンスピードには限界があり一般的にはF1が限界と言われています。(回転数は一定なのでストローク量が多いと必然的にピストンスピードが上がります)

2000馬力の魔改造エボはおそらくピストンスピードが限界を越えないようにストローク量を短くしています。

ここまで改造すると排気量の差はブースト圧でカバーしてしまえという考えで解決してしまいます。

ちなみにF1があれだけブン回せる理由は多気筒にして1気筒あたりの容量を減らしてストロークを短くしているためです。ただ多気筒は重量等の兼ね合いで多ければいいというものではないので大体最適な値が決まってきます。

質問者からのお礼コメント

holさん、今回も分かりやすい解説をありがとうございます！！

今後も何かの折に、エボ・インプ関連で教えて頂ければ幸いです(^^;

Answer 2

ピストンスピードには物理限界がある
回転上げるにはショートストロークしかない

Answer 3

一時話題になったエンジンですよね。

1.7L程度だったと記憶しています。
ブロックには高強度のスリーブを打ち込みボアを縮小、ストロークも大幅に短くして高回転化したものだったと思います。

排気量を下げるとなぜ高回転まで回せるのかという事ですが、ピストンの重量軽減が大きく関わってきます。

ピストン径を小さくすることによりピストン重量が軽くなることは理解できると思います。
慣性重量は質量の2乗に比例します。
つまりピストンを軽くするとコンロッドやクランクの負担が減ります。
コンロッドは軽く作ることが可能になり、より慣性重量が低減します。
これによりクランクの負担も減り回りやすくなります。

次に燃焼という事で考えます。
炎の伝達速度にも限界があります。
ボア径が少ないほど速く外まで炎が伝わり、効率よく爆発させることができます。
最近の車がロングストローク傾向にあるのはこのためです。

このエンジンは高回転化と共に高い爆発圧力に耐えられるような加工が施されています。
エンジンのみを紹介した動画もあり、印象に残った部分を書いておきます。

シリンダーにはクーパーリング加工が施されていました。

これはシリンダー上面にリング状の溝を掘るものです。
この溝に銅合金で出来たリング(内径はボア径と同一)を入れて、シリンダーヘッドで直接押さえ込むことにより、ヘッドガスケットの負担を減らすものです。
また耐熱温度の高さや熱伝導率の高さからデトネーションによる破損を防ぐ役割もあります。

各パーツはワンオフなのは当然ですが、それぞれ最適なと表面処理が施されていました。
NAのF1が高回転化出来たのは表面処理技術の進化も大きな割合といわれていました。

Answer 4

2000馬力は尋常でない加給圧によるもので、高回転化や排気量と言った次元のチューンナップではない。