メルセデス・ベンツ Bクラス 「多人数乗車を踏まえ高められた全高」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

多人数乗車を踏まえ高められた全高

2022.1.17

年式

2019年6月〜モデル

総評

「ハイ、メルセデス」をかけ声に起動するHMI「MBUX/メルセデス・ベンツ ユーザー エクスペリエンス」は斬新だ。カーナビの音声コマンドでのやりとりとは異なり別次元の新しさがある。そんな最先端のデジタル環境をコンパクトなメルセデス・ベンツで堪能するにはBクラスがうってつけだ。開放感の高いキャビンと積載性に優れるラゲッジルームは実用性に優れる。

満足している点

一般的に高額ブランドとして認識されるメルセデス・ベンツでも、このBクラスでは必要十分な装備を最初からすべて装着済み。それでも国産同クラスとは50万円近い差はあるが、常時3名以上での移動車として使い倒すのであれば納得がいく。実際の交通環境における燃費数値も良好だ。つまり総合力の高さこそ、Bクラス最大の満足ポイントである。

不満な点

Bクラスにメルセデス・ベンツらしい上質さを求めるのであれば、Aクラスと同じく少々がっかりする。内装素材にしても見た目は非常にきれいだが、触れてみると感触はプラスチックそのものだし、ドア周りの内側にはバリなども残る。それらは機能に悪影響を与えるわけではないから問題にはならないものの、高額車を手にした実感が薄い。

デザイン

4

メルセデス・ベンツのコンパクトクラスに位置する「Bクラス」。同じくメルセデス・ベンツのコンパクトモデルに「Aクラス」があるが、そこから多人数乗車を視野に全高を1550mm（AMGライン装着車）にまで高めた。昨今、メルセデス・ベンツは室内のサイズを公表しないが、Aクラスよりも開放感はかなり高く、後席から前方への視界もひらけている。

走行性能

4

直列4気筒1.3Lターボ（136PS／20.4kgf・m）と直列4気筒2.0Lディーゼルターボ（150PS／32.6kgf・m）の2種類。どちらも日本の道路事情に合致しているが、マルチなのは1.3ガソリンターボ。スペックは平凡だがトルクの出し方が秀逸で、7速DCT共マッチする。2.0Lディーゼル（8速DCT）は高速域でのパワーダウンが大きめ。

乗り心地

3

全体的にマイルドな特性。ただし、それはAクラスとの比較での話。競合各車と比較すれば、全速度域で上下動が若干大きめである。これはAMGライン（18インチタイヤ装着）のサスペンション特性が大きい。標準仕様ではこれがずいぶんと収まり、後席でも快適に。路面の状況に大きく左右される乗り味がAクラスにも共通するウィークポイントだ。

積載性

5

さすがに広い。もっともボディ全長は4.5ｍに満たないからラゲッジルームが広大とはいかないが、リヤシート（4：2：4分割可倒式）を倒せばほぼ床面はフラットになる。リヤタイヤのホイールハウス張り出しがまったくないため、実際の使い勝手はかなり良い部類だ。室内各所には収納スペースがあり、前後席ともドアポケットは深く容量もある。

燃費

4

ガソリンのWLTC値は14.7㎞/ｌ、ディーゼルは18.8㎞/ｌ。ただ、実際に両モデルに試乗してみると、高速道路ではかなり数値が伸びる。ガソリンは19km/L台、ディーゼルは24km/L台であれば、ゆったり都市高速を走らせるだけで難なく記録する。コツはじんわりとしたアクセルワーク。湧き出るトルクを上手く使ってギヤ段を保持しキックダウンさせないことだ。

価格

3

"ガソリンは4,500,000円、ディーゼルは＋31万円だ。メルセデス・ベンツの多くはパッケージオプションを選択しないと”らしく”乗ることができない。筆者もCクラスに乗る一人だからよくわかる。その点、Bクラスは良心的。衝突被害軽減ブレーキにはじまるレーダーセーフティパッケージなど、機能パーツと称されるものはすべて標準装備だ。"