メルセデス・ベンツ Bクラス 「背の高さがヒミツ♡」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

背の高さがヒミツ♡

2021.9.30

年式

2019年6月〜モデル

総評

パッケージングは極めていいし、パワートレイン（特にディーゼルエンジン）の魅力も高い。クルマとしてのハードウェアはかなり高水準の仕上がりだ。実際に購入するとなると、気になるのは価格のみといえるかもしれない。

満足している点

パッケージング効率の良さ。全長約4.4mの車体ながら、ひとまわり大きなセダンのCクラスよりも広い後席と、Cクラスと同様の容量のラゲッジスペースを備えているのだから実用性はかなり高い。特徴である背の高さをうまく活用しており、たとえば着座位置をAクラスよりも高く設定することで前後空間効率を高め、後席の足元が広くなった。また、着座位置が高くなったことで乗り降りもしやすいという副次的効果もある。

不満な点

価格が高いのは否めない。これをどう消化できるかがこのクルマに対する評価を大きく左右することになるだろう。装備が充実した高級ブランドのコンパクトカーと考えるのが、一番納得しやすい評価かもしれない。当初のモデルは先進安全機能がオプション設定なのが気になったが、現行モデルでは標準装備されている。

デザイン

3

ベースとなっているAクラスよりも高い身長が特徴。ボリュームを増したことで美しさという観点では物足りないが、室内空間やその空間の使い方といったパッケージング面では優れている。標準仕様は全高1560mmなので一般的な機械式立体駐車場への入庫はできないが、オプション設定の「AMGライン」を装着すると1540mmとなり入庫が可能となる。

走行性能

4

注目はディーゼルエンジンの出来の良さ。「B200d」をはじめ、FF系モデルに搭載する「OM654q型」と呼ぶ排気量2.0L 4気筒ディーゼルエンジンは、通常の設備に加えて一般的には組み込まれないASC（アンモニアスリップ触媒）など、排ガスを浄化するためにとことん凝った仕掛けを搭載。排ガス浄化性能に余裕があるおかげで、音やフィーリングなどエンジン本来の性能を引き上げられているのだ。動的質感を誇れるディーゼルエンジンといえる。

乗り心地

4

2019年6月に登場した新型は乗り心地が大幅に向上。その前のモデルは機械式立体駐車場の全高制限（1550mm）に対応するため、日本仕様は全車にローダウンサスペンションを装着。そのため、凹凸を通過する際に車体の揺れが大きめというウィークポイントがあった。しかし新型はしなやかな乗り味を手に入れ、快適性が高まっている。

積載性

5

積載性の高さはBクラスの大きな魅力。荷室の奥行きこそ一般的なCセグメントハッチバックと同等だが、背の高さを生かしてトノカバー下の天地高がAクラスより増しているのがポイントだ。VDA計測による後席使用時の荷室容量は、370ＬのAクラスに対して455Lと大幅に拡大。より車体の大きなセダンである同社の「Cクラス」の455Lと同等なのだから立派だ。

燃費

4

1.3Lガソリンエンジンを搭載する「B180」のWLTCモード燃費は14.7km/L。2.0Lディーゼルエンジンの「B200d」は18.8km/Lとなる。後者は燃費でも動力性能でも優れるのでユーザーメリットが大きいといえる。車両本体価格がガソリン車より高いこと以外は、ガソリン車に対するウィークポイントも見当たらない。

価格

2

ボトムグレードとなる「B180」で新車価格は450万円から。「B200d」は481万円スタートとなる。国産Cセグメントに比べると圧倒的に高いので単純な評価ではポイントが下がってしまうが、プレミアムブランドにふさわしい内装の仕立てや先進技術なども含めてどう評価するかがポイントとなってくる。