メルセデス・ベンツ Aクラス のみんなの質問

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トヨタのCVTは他社と比べてどこらへんが劣っているのですか?

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トヨタのCVTは大半は,アイシンAW製です。一部の変速機やシートやビスカスカップリング(過去)を自社開発していますが,これは購入製品の原価計算のためです。

アイシンAWは,ステップ式ATやMTでは,世界トップと言っても過言ではないメーカです。しかしCVT(ベルト式)はちょっと状況が異なります。下記にCVTにおける新技術を紹介いたしましょう。

(1) インプット・リダクションギア付きCVT … ダイハツ開発。CVTに入る前に遊星ギアで回転数を30%低減し,ベルトの遠心力を低減

(2) 副変速機付きCVT … ジヤトコ+日産開発。出力段に2段式の遊星ギアによる変速段を設け,レシオカバレッジ(変速比幅)を4.5→7.3に拡大

(3) チェーン式CVT … シェフラーグループのLuK(ルーク)開発(フランクフルトの南のバドホムブルグ)。最大変速比幅8.4まで対応可能。チェーンがプーリを叩く音の処理が課題。トルク伝達容量が大きいので,プーリ径を小さくできる

では,以下に説明いたします。


●インプット・リダクションギア付きCVT(ダイハツ)
自社製のCVTを採用しており、「インプット・リダクションギア付きCVT」という新機構を使っています。添付図のように、

エンジン → トルコン(トルク・コンバータ) → インプット・リダクションギア → CVT → 駆動輪

ここで「インプット・リダクションギア」とは、遊星ギアを使ってエンジン回転数を約70%に減速し、CVTに入力する方式です。CVTでの回転数が低下すると、ベルトが遠心力でプーリから離れる力が低下します。これによりCVTの伝達効率が改善します。またプーリを押し付ける油圧エネルギも低下し、これまた動力損失が低減します。

●副変速機付きCVT(ジヤトコ+日産)
スズキの新型パレットからは,日産=ジヤトコが開発した「副変速機付きCVT」が採用されます。これは,CVTから駆動輪への出力軸に遊星ギアがあり,ここで「2段変速(変速比は1.8と1.0)」ができるようになっています。これにより,変速比幅(最低変速段と最高変速段のギア比の比率)が4.5程度から7と大幅に広くなりました。変速比幅が広いほど,低速域では強い加速を,また高速域では低いエンジン回転数を実現でき,走りと燃費を改善できます。

●チェーン式CVT(LuK)
以前にもベンツのAクラス,BクラスやAUDIの一部に使われていましたが,これらはすべてDCTへ移行しました。ところが日本で初めてCVTをマスプロにした富士重工がCVTの体格縮小化のため,金属ベルトではなく,チェーン式のCVTを採用しました。
高い伝達効率により,燃費を改善できるものの,チェーンがプーリを叩く音などの不具合要因が多いのですが,これをチェーンの形状や潤滑用オイルの選定で対策しています。

●まとめ
残念ながら,アイシンAWには,このような新技術はありません。世界初の8速ATの開発,トヨタのハイブリッド方式の基本的な開発,ポルシェ向けのMT(厳密には別会社だが)など,アイシンの技術は,本当に高いのですが,なぜかCVTについては,あまり新技術がみられません。これは下記3つの理由だと思われます。

(1) CVTは将来性の高い技術ではないとの認識
(2) コストの制約
(3) 不具合の対策

★CVTは将来性の高い技術ではないとの認識
70年代の後半から開発したきたCVTですが,10年先でも通じる燃費改善技術としては,別の変速機の方が有効と考えているようです。たとえばいずれトヨタは2モータ方式のハイブリッド技術をトヨタの多くの車種に搭載するでしょう。そうなると,CVTへの技術投資より,2モータ方式のハイブリッド技術を安く作る技術開発をしたほうが有利です。
また欧州向けには,高速側で燃費の悪いCVTより,2個のクラッチを切り換えるDCTの方が有利です。日本でもゴルフや日産GT-Rなどに採用されていますが,現在のATに置き換わる状況ではありません。しかしこのDCTにトルコンを付け,クリープ走行が出来るようになると,ステップATへの置換が始まります。

★コストの制約
CVTは普及していますが,それでも4速ATより安いコストになっていません。このためCVTの燃費改善をはかる技術を開発するより,コストそのものを下げる方が優先していると思われます。

★不具合の対策
トヨタ車に採用されたCVTでいくつか不具合をおこしています。このため当面は,信頼性向上に注力すべきであり,燃費改善のための新技術開発は二の次になっています。

→ このような状況のため,アイシンAWでのCVTの燃費改善は優先開発事項ではないようおもいます。

簡単ですが,ご参考になれば幸いです。

質問者からのお礼コメント

2011.9.3 00:07

大変詳しい回答をありがとうございました。
CVTの次をみているといいますか、資源を集中させたいものが違うからなんですね。
納得できました。

その他の回答 (5件)

  • 以前、ヴィッツに乗ってました。 発進時にガックンとなってました。
    代車でデミオに乗ったことがあります。デミオは良かったです。
    トヨタよりはマツダの方がCVTは良いです。
    マツダよりはホンダ・日産の方が良いと思われます。
    トヨタのCVTは燃費は悪いです。
    ヴィッツで6キロでした。
    デミオで16~17キロでした。

  • http://www.tmh.co.jp/product/index.html

    トヨタのCVTはアイシンからの購入分以外に自社生産もあります。

    構造的には一般的なトルコンを採用したCVTですから、他社の特別なCVT(副変速機付きや金属チェーン)に比べると劣るところがあるかもしれませんね。

  • トヨタに限らずCVTの特徴として
    伝達ロスが著しく多く、加速性能が悪いことです。
    高級車はトルコン8段or7段AT又はDSGと相場が決まってます。

  • 下の方が仰っている様に、トヨタのCVTはアイシンAW製です。

    アイシンAWは世界の自動車メーカーのトランスミッションとして使用されています。(世界シェア1位)
    そう、ボルボ・フィアット・フォルクスワーゲン・ポルシェ・アウディ・BMW等に搭載されています。

    その世界シェア1位のメーカーのCVTが他社より劣っていると言う事は世界の名だたるメーカーの車のCVTが劣っていると言う事になります。

    またアイシンAWの取引先でアイシンAW工業と言う会社があって、ここのトルクコンバーターはジャトコでも使われています。
    アイシンAWのCVTが劣っていると言う事はジャトコの製品も劣っている、ひいては他社の製品も劣っている、あなたの質問は矛盾してませんか?

    現在の自動車業界は末端の企業が横の繋がりで各自動車メーカーと共通部品がとても多く使われているので、1社が劣っていると言ってしまうと業界全体が劣っていると言ってしまう事になるんですよ。

    追記
    他の方の回答で誤解を招く間違いがありますので、記入しておきます。
    アイシンAWではMTは作っていません。
    トヨタのMTはアイシンAI製です。

  • トヨタのCVTは内製では無く、AW製です

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