ベンツ バネオ 2006年式のATに関して

Question

2006年式のバネオを中古で購入予定なのですが、バネオはA190と部品を結構共用していると聞きますが、ATもあの最悪なAクラス初期のATなのでしょうか？もしくは改善後でしょうか？

Answer 1

Ｗ１６８初代ＡクラスとＷ４１４Ｖａｎｅｏはエンジンもミッション（５ＡＴ）も殆ど共通です。が２００６年式ということは既にＡクラスは現行型の２代目のＷ１６９に移っている時期であり意味合い的には最後期型と言えるので５ＡＴに関しては最初から対策部品が組み込まれたミッションです。具体的には内部破損事例の多かった１速Ｋ1ハブの対策強化、バルブボティ及びＡＴ制御ＥＣＵのプログラム改善が既に組み入れられたＡＴだと思いますよ。この電子制御５速ＡＴは比較的短いサイクルで対策・改善がされているので具体的に何時からが対策済みＡＴかの特定は難しいのですが年式から見て最も新しい（対策・改善された）ＡＴだと思います。
しかし・・・構造的には同一であり誤った使い方、無理をした使い方がされていれば当然Ａクラス同様に壊れる場合もありますし事例もあります。半面で壊さないで乗り続けているユーザーも居て（私もです）一概に機械的な欠陥とは言い切れないと思います。ＡＴの故障に関して、修理に関して、壊さないような乗り方や扱い方は過去に多くの質問に回答しているので宜しかったらご覧になって参考にして下さい。ご購入にあたってはＡＴ故障を経験した車両かの確認、リビルトＡＴやＯＨ整備したＡＴの場合には交換・整備後の走行距離と年月の確認は必要です。リビルトＡＴへの載せ変え修理やＯＨ整備後の走行距離が少ない場合にはある程度は安心出来ると思われます。無交換の場合には走行距離次第ですが試乗してみて滑りや変速ショックの有無（特に１～２速への変速とＲへの変速のショック）の確認、判断しかねる場合にはＡＴＦを少量抜き取りＡＴＦの劣化具合や金属粉などの混入具合の確認、ご購入を前提にするならばＡＴＦ交換、当然ＡＴＦパンを外してＡＴＦフィルターの交換も含めて、ＡＴＦパンを外せば底に大量の金属粉や金属片が混入している場合には内部破損の可能性やバルブボディの詰まりが考えられますので相応の修理をした上での納車を前提に交渉すれば良いと思います。バネオはＡクラスよりも２００ｋｇ以上も車体が重く大きいしあまり飛ばすようなユーザーは少ないとは思われますが車体が重い分は確実にＡＴの負担が増えているハズですのでＡＴに関しては納車前点検整備である程度は詳しく診て貰った方が良いです。それを嫌がるような所、あるいは自前で点検整備が出来ないような所では購入しない方が賢明です。
購入後は積極的にＡＴＦ及びＡＴＦフィルター交換をすれば故障の予防と予兆の把握は可能だと思います。長く乗るのならば理想を言えば車検ごと、２年毎又は２～３万ｋｍの交換サイクルで良いと思います。基本的には無交換が指定ですがＡクラスよりも負担が大きいことと故障事例が多いことを考慮するとある程度は交換していく方が結局は安く乗り続けられると思います。ＡＴＦは純正ＡＴＦの膨張率に合わせたＡＴＦ量となっていますので純正ＡＴＦが前提で交換時にはＡＴＦ温度を測定して油量レベルを測定・点検しますのでテスターが完備されたディーラーや正規認定工場での交換が絶対です。ＡＴへの負担を掛けない運転を心がければ他は単純でシンプルな構造ですので故障要因は少ないです。ミッション故障、有名になってしまった「Ｆ表示」も故障原因、故障部品は多種多様で直ぐに高額な修理費用となる訳でもないし、意外とＡクラスのＡＴ修理（分解ＯＨ整備まで含めて）に対応している工場は多いです。個人的には「壊れるＡＴ」ではなくて「乱暴な扱いで壊してしまいやすいＡＴ」との認識をしています。
それと・・・後スライドドアのロック感知センサーの不良や故障の事例が多いので（スライドドアのロックを検知出来なくてルームランプが消えない・・・）この部分も納車前点検整備で診て貰う方が良いと思います。部品代は高いそうです。

質問者からのお礼コメント

非常に丁寧かつ詳細なご回答ありがとうございました。ほしくてたまらないのですが、自分の性格を冷静に判断すると、バネオはやめようと思いました。ありがとうございました！