車の誤「操作」により、痛ましい事故が起こりました。福岡ではタクシーが病院に突っ込み、横須賀では立体駐車場から乗用車が転落。両方とも両親が死亡し、子どもたちが残されるという、悲痛な事故となりました。

Question

普通に考えると、事故の原因は運転者の誤操作、すなわちアクセルとブレーキを踏み間違えたことによるものということになります。ただ少し気になることがあります。最近の車はコンピュータにより制御されています。さらにＩＯＴといって、インターネットによる制御も進んでいるようです。悪意のある人（ハッカー）が、ネットを通じて車（とくにＡＴ車）のコンピューターシステムに侵入して、誤作動を起こすということは可能なのでしょうか。可能だとすると、とても怖いことだと思います。福岡の事故で、プロであるタクシー運転手が、「ブレーキを踏んだが効かなかった」と証言していることから、少し怖い想像をしてしまいました。自動車関係、ＩＴ関係に詳しい方のご意見をお聞かせください。

Answer 1

ハッキングは2010年頃から問題になりつつある。

最近の自動車は各部の電子制御化が進む一方で、インターネットに接続される車は急増しており（ここ５年で2車種から151車種）、ここから車載のLANシステムである（CANbus）に進入することが可能らしい。カーナビにも穴があるという。

またネットに接続されていない旧式車でも、あとから接続したネット対応機器やbluetoothを通じて、CANにアクセスすることも可能とか。今の自動車は電子制御された制御要素がCANを介して接続されているため、CANへのアクセスでハッキングが可能となる。ステアリング、ブレーキ、アクセル、ドア、ワイパー、液晶画面、メーター、あらゆる操作が外部から可能である。

CANbusは80年代に開発された車載LANで、いろいろなコンピュータが認証なしで接続可能されている。便利なため現在も標準プロトコルであるが、それが脆弱性を生んでいるようだ。CANをベースにした膨大な車載ソフトがあるため、次世代へ移行しにくいようだ。

https://blog.kaspersky.co.jp/car-hacking-rsac-2016/10739/
https://www.nikkan.co.jp/articles/view/00396292



ハッキングはこれまでさまざまな実験で検証され動画もアップされている。彼らは最近の自動車の脆弱性を指摘することで啓蒙しようとしている。
https://eset-info.canon-its.jp/malware_info/trend/detail/160415.html

2010年には特定の車種でフマートフォンからCANbusに進入し、ドアの開閉が可能と示された。

2013年にはプリウスの電子制御ユニットに有線接続し、パソコンからコマンドを送る事でハンドルやブレーキの操作が可能であることが示された。

2015年には遠隔操作で、110km/hほどで走行するジープチェロキーを止めるなどの実験が示され、それをうけて米FCAUS社（クライスラー・フィアット）は同車140万台のリコールを行った。

質問者からのお礼コメント

いろいろと詳しい情報を提供していただき、ありがとうございました。他の方の意見も含めて、福岡の事故はハッキングによるものではなかったようです。ただ、将来の可能性としてハッキングが可能だということがわかりました。その意味で、ベストアンサーとさせていただきます。

Answer 2

ブレーキを踏めば制動がかかります。
これはACC作動時でも同じです（普通はACCがキャンセルされるが、されなくても構造的に制動がかかる）。
つまりハッカーにはブレーキの踏まれている車をどうこうすることはできません。事前にブレーキに細工をすれば別ですが、それではハッカーでなくてもできます。

Answer 3

>最近の車はコンピュータにより制御されています。
はい。制御はされていますが、
主には燃料や空気の混合比、エンジンの点火タイミング
など、運転系ではなく、エンジン制御系や、
車輪へのトルク配分比の制御です。

前車との車間距離や車線を認識して、
ある程度人間の操作を補助する機能は発売車に搭載されては
いますが、コンピューターが運転を完全に制御する
システムは実現化されていませんし、
発売もされていません。

自動運転というのは、個人的には言葉のつかい方の
誤りであると思います。
正しくは、安全運転補助機能でしょう。
あくまでも運転の主役は人間であり、
コンピューターではありません。

>ＩＯＴといって、インターネットによる制御も進んでいるようです。
>悪意のある人（ハッカー）が、ネットを通じて車（とくにＡＴ車）の
>コンピューターシステムに侵入して、
>誤作動を起こすということは可能なのでしょうか。
不可能です。一般発売車のIoTは、インターネットを通じて
外部情報、たとえば交通情報などを取得して、
せいぜいナビに反映させる程度です。
または、運転とはまったく無関係な地域情報の提供などです。
運転機能そのものがインターネットに接続されていない以上、
外部から運転をハッキングすることは不可能です。

>福岡の事故で、プロであるタクシー運転手が、
>「ブレーキを踏んだが効かなかった」と証言していることから、
まだ最終結論はまだかもしれませんが、
時間をかけた検証結果では、
「ブレーキに問題はなかった」が
専門家の解析結果だったと思います。

繰り返しですが、車の細かい挙動はともかくとして、
運転行為そのものにコンピューターが介入するレベルは、
まだまだ補助的なものにすぎません。
個人的には、運転アシスト車などは購入はしませんが。。

Answer 4

あり得ません。
操縦系統は物理的に繋がってますし
コンピュータのある部分は外と繋がってません。
故に第三者が妨害出来ません。

福岡の事故はドライバーが原因としか思えません。
加速はアクセルを踏む以外に出来ませんから
アクセルを踏んだのをブレーキを踏んだと思い込んでるだけですよ。

Answer 5

詳しくはありませんが
>悪意のある人（ハッカー）が、ネットを通じて車（とくにＡＴ車）のコンピューターシステムに侵入して、誤作動を起こすということは可能なのでしょうか

今の時点では不可能だと思います。渋滞情報の共有と、車の状態(完全・システム全てではありません)をメーカ・ディーラでモニタできるようになっているくらいです。

まぁ、悪意があれば、なんらかGWやECUをかいくぐってネットワーク間を行き来できて「誤動作」を引き起こす事はできるのかもしれません。

ただ、「走る」「曲がる」「止まる」に関してはデータの更新速度が速く、システムごとにローカルのネットワークの構築が必要になっています。無線で実現できる速度では「自由に操る」ことは無理な気がします。


ハッカー対策ではなく、知的財産の問題でソフトを書き換えようとしたり、コードを吸い出そうとした時点で消去するような仕組みをくみこんだECUもあり、セキュリティもある程度考えられています。
「悪意をもったハッカー」がいるなら、将来はいたちごっこになるのかもしれませんね

Answer 6

完全自動運転の車の場合、ネットは不可欠になるでしょうね。
少なくとも交通情報は常時変化するわけで、ネットを使わざるを得ないでしょう。

でも、現時点では、心配いらないんじゃないかな？

カーナビなどで使っているくらいで、制御系コンピューターとは切り離されているとは思うし。
もし、自動車がネットなしでは走れないという事になると、日本の国土全体をネットがカバーする必要があります。
自動車は移動するわけですから、電波を使うしかないでしょうね。
現在携帯電話でも圏外になってしまうところが多くあります。


でも、近い将来、そういった心配は必要になってくるかもしれませんね。

実は、１０年以上前ですけど、そういった世界での自動車のハッキングをテーマにしたようなOVAがありました。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%82%AF%E3%82%B9%E3%83%89%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%90%E3%83%BC