フェラーリの4WDシステムは世界最高ですか？

Question

スカパーのナショナルジオグラフィックでフェラーリのFF特集がありました。
番組では従来の4WDはエンジンからトランスファーにパワーを送って、そこから2本のドライブシャフトへパワーを送って前輪後輪に力を伝えるとありました。
フェラーリはトランスファーを排除して一本のドライブシャフトにして二つのトランスミッションを動かすとありました。
これによって最高速度335キロの速さと4WDの弱点とも言える重量の問題を解決したとありました。
そしてもう一つ重要なのはコンピータ制御だそうです。

フェラーリの4WDはそんなに特殊なのですか？
ポルシェ、スバル、アウディ、BMWとは違うのでしょうか？
4WD化することで車重が増えてしまう欠点はフェラーリ方式によって解決されるのですか？
FFはF1技術がそのまま注ぎ込まれているとも言ってました。
FFは488やベルリネッタと違って一番F1とは遠い車と思ってました。

Answer 1

フェラーリ458を所有しております。

フェラーリFFには、カテマさんが仰るような、
カーボン中空シャフト等のパーツは使われておりません。
またFF独自の4WDシステムは、トランスファー等を無くし、
重量物を排除することにより、約50％の軽量化を達成しております。
部品単位の軽量化によるものではございません。

FFはノーズに収めた、
V型12気筒エンジンのクランクシャフト後端から、
取り出した回転力をリアのトランスアクスル変速機に伝え、
後輪を駆動する、FRレイアウトがベースになっています。
ところが、V12のクランクシャフト前端からも回転力を取り出して、
エンジン前部に接合された前進２段変速のギアボックスを経たトルクが、
左右輪に個別に用意された油圧多板クラッチを介して、
ホイールに伝えられます。
前後アクスル間の回転差の吸収や、フロント・ディフの役目、
伝達トルクの調整のすべてを、
この２組の電子制御多板クラッチが担います。
制御はF1-TracやE-Diffと統合して行われます。
前輪への動力伝達は、後輪の駆動力伝達能力がリミットに達して、
ドライバーの要求する駆動力を伝えきれなくなって初めて行われます。
これは緻密にコントロールされた、オン・デマンド4WDです。
後輪用の主変速機が１速もしくは２速にある時は、
フロントは低速側のギアが、後輪が３速か４速にあるときは、
高速側のギアが選択されて、トラクションを補強します。
４速の上限速度は200km/hを超えるので、
悪条件下での走行状況を十二分にカバーするという判断です。
５速から上ではシステムが完全に切り離されるようになっています。
非常に高度なコンピューター制御システムでございます。

FF独自の4WDシステムは、これを見れば理解が深まります。
Ferrari FF 4WD System
https://www.youtube.com/watch?v=daWvBXMEO6Y

質問者からのお礼コメント

回答ありがとうございます！

Answer 2

前後駆動を独立したトランスミッションを介している点で特殊な4WDです。
重量増は、カーボン中空シャフト等のパーツの軽量化がものを言います。
ある程度、金に糸目を付けずに開発できるものですから、凝った技術が投入されています。

量産なら前後にトランスミッション等配置せずに、ビスカスカップリングで安価に実現するので重量増もそんなにありません。
重量が増加する凝った構造でも、部品レベルから軽量化すれば重量増にはならないという特別なケースでしょう。

ポルシェの4WDは、前輪を駆動する前にプラネタリーギヤでトルク分割する構造をとっています。
原理は、トヨタのハイブリッドシステムの根幹である動力分割機構と同じです。
ポルシェの方が先に実用化しているので、トヨタの動力分割機構は基本特許にはならないため、トヨタは多くの附帯特許を取得しています。

(ken1200001111azさんへ)

Answer 3

あふれるほどの予算を使て作れば、そりょあ良いのが出来るでしょう。
かかった金は全てバカな客から取れいいんだからね。

Answer 4

普通はクランクシャフトの後端から動力を取り出し、それをトランスファーで前後に配分して四駆にします。
フェラーリはクランクの後端からリアタイヤへの動力を、クランクの前端からフロントタイヤへの動力を取り出しています。
エンジンの前後にミッションが付いている訳で、トランスファーは有りません。
要はタミヤのミニ四駆みたいな構造です。
因みにフロント側のミッションは3速までしか有りませんので、3速以上ではリアのみの駆動(FR)になります。
3速以上ではかなりの高速になるので四駆は不要という考えと、フロントに6速(7速？)のミッションを積むと重量増を招くかららしいです。
特殊な構造ですが、優れているかは賛否両論でしょうね(高速では四駆じゃないし…)

Answer 5

フェラーリのは確かに特殊です。でもそれは優秀なという意味ではありません。

昔・世間が2輪駆動が一般の頃ジープやスバルの4WDは可変トルク（4輪の動力を変化させグリップを向上させる機構）でなくただ車軸を直接つなぐ方式でした。
それでスバルが最初にオートマトルコンを搭載してアウディがクワトロシステムで口火を切りました。それから30年トルクセンシングシステム4WDはある程度確立しています。

アウディ、スバルは微妙に違いますが良く似たシステムこれにポルシェのカイエンはこれに近いです。

でポルシェの918とこのフェラーリFFとが近いものです。つまり2億円近い高価な車なので高度な4WDが搭載できるというものです。
2輪駆動のF-1と同じミッドシップ・リア駆動ではFFの335ｋｍは実現できませんそれで4WDとなったわけですが、けしてフェラーリの単独開発ではありません。アウディやスバルの開発が工業会に波紋をよんで、ある程度外注部品で（もしくは共通下請け）で金さえ出せば高度な4WDが手に入るというものです。

そういう意味でFFはフォミュラー1の競技用車両から最も遠いところにある移動に使う車という道具に、分類されるわけです。

私にしてみれば、最も詰らん車がFFですね。ｗｗｗ