アウディ TT クーペ 「見てオシャレ、操って楽しいちょうど良い一台」のユーザーレビュー

見てオシャレ、操って楽しいちょうど良い一台

2024.8.14

総評

通勤通学買い物レジャーと日常使いもできて(ベビーシートにもよりますが、赤ちゃんも乗れます！)、クローズドのワインディングに持っていけばシャシーと駆動系、専用装備のエアロによるダウンフォースの相乗効果でグリグリ曲げて楽しめる、懐の広いプレミアムスポーツです。
最終限定モデルでデザインも綺麗にまとまっており、長く大事にしたくなる一台と思います。

満足している点

アウディのデザインアイコンであり、他のメーカーすらも真似してしまう独創的な初代の意匠に、最新世代のテクノロジーを具現化したデザインが上手く融合した、カーデザインの一つの到達点のようなエクステリアとインテリアが最高です。
鮮烈なターボブルーと専用インテリア(RSデザインパッケージブルー)も満足度が高く、妻ともどもお気に入りになっています。
走行性能もquattroと軽量高剛性、ショートホイールベースのボディの効果で、自分の思った通りに過不足なく動いてくれて、人馬一体を体感できます。

不満な点

ギャレットのターボの容量と狙い回転域の影響もあり、高回転域では伸びがちょっと物足りないです。エンジンサウンドの華やかな演出も相まって、少し肩透かし感を喰らうかもしれないです。

デザイン

5

レビューの通りの21世紀前半のアウディを代表する特に高いデザイン性に加え、ブルー×ブラックの配色がデザインパッケージ全体としての高い完成度を実現してると思います。

走行性能

4

cpmやSRPと言った剛性パーツやダウンフォース系のパーツの効果もありますが、基本的に足は良く動いて路面に追従し、狙い通りのラインできっちり曲がってくれます。現行RS3のようなトルクベクタリングは無いですが、四輪の接地力とショートホイールベースの特性から、踏んで曲げる操作も楽しめる印象です。
ブレーキもこの世代だけフロントが対向4podでTTSと同仕様なこともあり、コントロールし易いリニアな制動特性が与えられています。
エンジン周りは流石の設計のEA888 Gen.4で、気持ちよく回りつつも燃費のコントロールもしやすいです。構造的にも暖気が早く、冬場は車内がすぐ温まります。
一方でレビューの項にも書いている通り、パワー感は程よく踏み切れて楽しいくらいですが、高回転域での伸びは純正装備だとちょっと物足りなさがあるかもしれません。
当方は吸気をGruppeMのスーパークリーナーにしているので多少は改善していますが、根本的にはRacing LineのOEM+などでターボを大きくしてスロコン入れるのが良いかもです。それならTTSを買うのと変わらないと言われればそれまでですが笑

乗り心地

4

シートのホールド感や硬さに関しては申し分無しです。シートヒーターも冬場に大活躍してくれます。
他のオーナーさんも言及していますが、255/30/R20はグリップはバッチリですが、この車重や車格では一般道の凹凸などでバタついてしまい、相性ドンピシャとは言えないです。
これもSRPとcpmでダンピングコントロールの効力を高めるイメージで若干良くなりますが、本質的には19インチにするくらいがバランス良いのだと思います。

積載性

5

積載性はクラスにしては十分にあります。
60cmくらいの背の高さのものであれば、トノカバーを外して積み方さえ気をつければ載りますし、家族3人の国内旅行やキャンプくらいであれば、帰りにお土産を積む余裕もあります。

燃費

4

高速主体で15〜17 km/h、街乗りで9〜11 km/hくらいです。タイヤが太いPzeroなのも相まってか、排気量と車重、Cd値の割には伸びないなという印象ですが、スポーツカーとして見れば良い方なのは間違いないです。

価格

4

本体800万の全部載せ最終モデルと言いつつ、B&Oを積んでないのは今一歩だったかなと…
まあしかしターボブルーの希少性もあるし、最終モデルで玉数が減る方向なら、価値の維持もそれなりにはあるかなと予想して⭐︎4です。

故障経験

このカラーのこのロットに限る可能性が高いですが、S-tronicのフロントデフからデフオイルが染み出すトラブルがあります。
ディーラーと密に協力してシール材交換やハウジング交換をしては回転数一定で走るなどのテストをしましたが、結局原因不明でアセンブリ入れ替え対応しました。問題のあったアセンブリは本国にて調査中です。
同時期の登録のTTに乗られている方も、今一度確認するのがいいかもしれません。