ご教授下さい。よろしくお願いいたします。

Question

VW ＪＥＴＴＡ ２０１０年 １ＫＣＡＶ
純正１６インチホイール 品番 １ｋ０ ６０１ ０２５ ６．５ｊ×１６ ＥＴ５０
タイヤサイズ ２０５／５５Ｒ１６

上記のスタッドレスタイヤホイールセットを、

ＡＵＤＩ ２０１４年 A4 ＤＢＡ－８ＫＣＤＮに使用したいと思っています。
ディーラーでは、１６インチも適合です。と伺っています。

純正タイヤのサイズは、
２２５／５０Ｒ１７ということなので、
仮に２０５／５５Ｒ１６をはめると、外径が小さくなると思っています。

① ＶＷホイールのハブ径は、５７だと思うので、スペーサーを使用すればＡＵＤＩに使用できますか？
② スペーサーは４輪とも使用すべきですか？
③ タイヤサイズが小さくなっても、２ｃｍ程度の縮小であれば使用できますか？

質問が伝わりにくいかもしれません。申し訳ありません。
スタッドレスがまだ新しいので、どうにか使用したいと思っております。
どうぞよろしくお願いいたします。
失礼いたします。

Answer 1

ご質問ありがとうございます。ホイール交換に際しての注意点を含め説明いたします。まずは、両車種の足周りのスペックのご確認から。以下の★印が注意点となります。

＜ジェッタ 2010 (1K)＞
ホイールサイズ 16×6.5J+50★
ボルトパターン PCD112×5H
センターボア 57.1mm★
センターハブ径 57.0mm★
ボルト径×ピッチ M14×P1.5
タイヤサイズ 205/55R16(631mm)★

＜アウディA4 2014 (8K)＞
ホイールサイズ 17×7.0J+45★
ボルトパターン PCD112×5H
センターボア 66.6mm★
センターハブ径 66.5mm★
ボルト径×ピッチ M14×P1.5
タイヤサイズ 225/50R17(656mm)★

■ ホイールサイズ

仮に8Kに1Kのホイールをそのまま装着できたとしたら、ホイールのツラは11.35mm引っ込むことになります。

＜ツラ出し寸歩＞
・1K:16×6.5J+50(±0mm)
・8K:17×7.0J+45(+11.35mm)

8Kには16インチが装着できるようですが、ホイールの形状によってはブレーキキャリパーがホイールの裏側に当たるなどの問題が発生するかもしれません。これは実地で検証してみないとわかりません。但し、今回はスペーサーを利用する前提ですので、これは問題にならないように思います。

＜インセット（ET）とスクラブ半径＞
今回登場するホイールスペックを再度確認します。
・1K:16×6.5J+50
・8K:17×7.0J+45
上記の｢+50｣｢+45｣の部分がインセットです。インセット45mmというのは、リム幅の中心位置より45mm外側にハブ取付面があるという意味になります。クルマのサスペンションは、この純正ホイールのインセットを基準に設計されており、最近はこのようにインセットの大きい設定が主流です。その方がサスペンション剛性を高めやすく、追従性も高めやすいからです。特にステアリングとブレーキの主役となるフロントの影響は顕著です。インセットを小さくするとホイールはツラ出しできるのですが、許容範囲は概ね純正のインセットから10mm縮小程度までと考えてください。アウディ8Kはインセット45mmですから、変更しても35mm程度までということになります。
ここからが本題なのですが、上記に照らし合わせると、1Kのホイールは「インセット50mm」ですから、これに15mmスペーサーを装着すると実質「インセット35mm」となります。なので、装着可能なスペーサーは15mmあたりまでということですね。8Kの車体に1Kのホイールを装着した場合は、ツラが11.35mm引っ込む計算ですが、そこに15mmスペーサーを用いると3.65mmツラが出っ張ることになります。この程度は車検でも問題になりません。
・1K純正：16×6.5J+50
・15mmスペーサー装着後：16×6.5J+35

■ センターボアとセンターハブ径

センターハブまわりのスペックのご確認です。

＜1K ジェッタ＞
1K 純正ホイールセンターボア 57.1mmの凹
1K 車体側センターハブ径 57.0mmの凸

＜8K アウディ＞
8K 純正ホイールセンターボア 66.6mmの凹
8K 車体側センターハブ径 66.5mmの凸

今回、行うのは、8Kに1Kのホイールを移植する作業です。1Kの凹より8Kの凸の方が大きいため、凸凹が合致せず、そのままでは装着できません。1Kのセンターボアを切削拡大加工するか、スペーサーを装着てセンターハブを合致させます。切削拡大する場合は「ホイール センターハブ 加工」等で検索すると沢山業者出てきます。しかし、そのように装着しても、先に説明したように約11mmもツラが引っ込んでしまうので、今回はスペーサー装着を前提に説明を続けます。

＜今回の作業＞
1K 純正ホイールセンターボア 57.1mmの凹
8K 車体側センターハブ径 66.5mmの凸

■ スペーサーとロングボルト

今回はツラが約11mm引っ込むことに加えて、センターハブも噛み合わないということですから、いずれも兼ねた対策としてスペーサーを用いた方法をご紹介します。しかしながら、個人的には前輪及び駆動輪に挟込スペーサーはあまりお勧めできないので、あくまでも参考としてください。

8Kのセンターハブ径は66.5mmですが、それはセンターハブの直径部分です。センターハブには「センターハブ高」というものもあって、通常はハブ面から8～12mm程度出っ張っています｡例えば、センターハブ高が10mmだった場合は、スペーサーは11mm以上を要します。マージンとして1mm程度厚みが必要ということです。そうなると、必要なロングボルトは約10mm延長で大丈夫です。純正ボルトが首下30mmだった場合は首下40mmのロングボルトを別途用意することになります。以下、スペーサーのスペックとなります。恐らくワンオフで製作することになると思います。ボルトは市販されています。

＜用意するスペーサーのスペック＞
車体側接触面のハブ穴内径：66.6mmの凹
ホイール拙著工面のセンターハブ径：57.0mmの凸
スペーサーの厚：車体のセンターハブ高+1mm以上
ボルトパターン：PCD112×5H
ボルト穴の大きさ：M14仕様

＜用意するロングボルトのスペック＞
ボルト径×ピッチ＝M14×P1.5
ロングボルトの長さ＝純正ボルト+スペーサー厚(±5mm以内)

例）
・A 純正ボルト:首下30mm
・B スペーサー:厚み10mm
・必要なロングボルト A+B=35～45mmの範囲

■ タイヤサイズ

＜メーター誤差＞
タイヤサイズが小さくなると、メーター表示よりも実速度が遅くなります。車検では、40km/h走行時のメーター誤差が約-22～+6%の範囲内に収まっている必要があります。今回の交換では外径比-3.8%ですのでメーターの保安基準は問題ありません。
・225/50R17(656mm) ±0%
・205/55R16(631mm) -3.8%

＜最低地上高＞
保安基準では9cm以上の最低地上高が必要になります。ローダウンしていない限りは8Kが9cmを下回ることはないと思います。一方、雪道では最低地上高を確保しなければならないので、タイヤ外径の縮小はやや雪道ではやや不利となります。

＜負荷能力＞
車両のタイヤには重量の負荷に耐えられるだけのサイズが装着されています。この負荷能力は「ロードインデックス」（以下「LI」とします）という指標で示されます。今回登場するのは「225/50R17 94」「205/55R16 91」の｢94｣｢91｣がLIとなります。タイヤ内の空気容量が大きいほど、負荷能力も高まりLIも高くなります。今回は車輪が小さくなることでLIが94→91に落ちてしまいます。 では、LI=91というのは8Kの重量に耐えられるのか？ が問題ですね。以下の車両総重量は概算なので車検証をご覧いただくと正確な値が記載されています。

DBA-8KCDNの車両重量は1,560kg。車両総重量は多めにみて2,000kgと見積もり、前後重量配分を60:40と過程すると前輪の静止荷重は約600kgとなります。8Kの「225/50R17 94」は空気圧250kPaで670kgまでの耐荷重性能があります。「205/55R16 91」 は250kPaでは615kgまでの耐荷重性能となります。概ね600kgの耐荷重性能を求められていますので、基本は問題ないのですがゆとりはない状態です。なので同じサイズでも高い空気圧を入れることによって、高い負荷能力を持つ「エクストラロードタイヤ」（=レインフォースドタイヤ）というものが設定されている場合がありますので、205/55R16であれば、こちらを選ぶことをお勧めします。205/55R16 95XL となり290kPaで690kPaまでの耐荷重性能を持ちます。

・225/50R17 94 →670kg/250kPaまで
・205/55R16 91 →615kg/250kPaまで
・205/55R16 95XL →690kg/290kPaまで

＜見た目＞
車輪が小さくなると車両が貧相に見えます。なので、個人的には車輪が小さくなるのはお勧めしにくいです。これは個人的な感覚の問題ですので、質問者様が気にならなければ問題ありません。


長くなり失礼いたしました。①～③のご質問の回答も網羅できていると思いますが、もしもご不明な点があれば追加でご質問いただければ幸いです。