1974年にデビュー以来、コンパクトFF車のベンチマークであり続けるフォルクスワーゲン ゴルフ。日本でも間もなく8代目となる新型が発表されるが、その前に初代から現行型までのゴルフを振り返ってみたい。今回は、2代目ゴルフとモータースポーツについて語ろう。
世界ラリー選手権でも活躍した2代目ゴルフ
ゴルフ2の時代、フォルクスワーゲンは積極的にモータースポーツにチャレンジしていた。フォルクスワーゲンのモータースポーツ活動が、市販車で本格化したのはゴルフからである。それはもちろん、高出力仕様のGTIが誕生したからだ。ゴルフGTIは、サーキットレースにも姿を現したが、とくにゴルフ2の頃は、ラリーに力を注いでいた。
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ゴルフ1のGTIは1976年に市販されると、早くからラリーで頭角を現した。1.6L(途中から1.8L)の小型車なので、トップを争う大出力車にはとうていかなわないものの何度もクラス優勝は飾っており、総合でも10位以内に入ることがあった。とくに滑りやすい雪のモンテカルロやスウェーデンでの速さが目立ち、低ミュー路で前輪駆動が有利に働いていたと思われる。ゴルフ1は、1981年のドイツ選手権ではチャンピオンを獲得している。
ゴルフ2へは1983年にモデルチェンジし、WRCでは1985年から本格的にゴルフ2が主力になった。ゴルフ1のときから既にフォルクスワーゲン モータースポーツのワークスカラー(タイトル写真の画像)が導入されており、ワークスチームの体制が整い始めていた。WRC(世界ラリー選手権)は1982年から新たにグループB規定が導入され、歴史に残るモンスターマシンの時代になっていた。2WDで1.8L NAのゴルフは、その下の改造自由度の少ないグループAクラスでの参戦だったが、ここでゴルフは力を発揮。年間のメイクスチャンピオンシップでは、1980年代前半から総合10位以内に入るようになっていた。
1986年にはプジョー、ランチアに次ぐ3位に入った。そして何よりこの年には、グループAの世界タイトルを獲得した。このときのエース格ドライバーはスウェーデン人の若きケネス・エリクソンで、ゴルフでの実績を買われて、後にトヨタや三菱などのトップチームで走ることになる。1987年からはグループBが廃止されて、WRCはゴルフの属するグループAで争われるようになった。そこでは4WDターボのランチア デルタの圧勝だったが、引き続きエリクソンも活躍して、1987年にはシーズンで位の成績を残し、表彰台も何度か獲得。コートジボワールでは総合優勝も飾った。
ただ、その後トヨタなどが4WDターボの強力なマシンを投入するようになり、NAで2WDのゴルフGTIでは戦えなくなった。そこで対抗するためのマシンとして開発されたのが、ホモロゲーション モデルの「ラリー ゴルフ」である。ラリー ゴルフは「シンクロ」の4WDのほかに、機械式過給機のGラーダーを装備。このGラーダーは、フォルクスワーゲン独自のスクロール式の圧縮機であり、先にポロでG40として採用されていたが、ゴルフ用は容量が大きいのでG60と称し、その後GTIにも搭載された。
エンジン本体はGTIにも使われる1.8Lだが、過給機をつけると規則で排気量が1.7倍に換算されるので、レギュレーションで有利な3Lクラスに収まるように、1781ccから1763ccにわずかだが排気量を縮めている。市販型の最大出力は160psのところ、ラリー車では270ps程度は出ていたといわれる。さらにトレッドが広げられて、ワイドな専用ボディをまとっていた。しかし残念ながらWRCでは一部のグラベルイベントに参戦しただけで、本領を発揮しないまま終わってしまった。1990年のニュージーランドで3位入賞しているが、WRCでの活動はこれで一旦長期休止となる。ゴルフ3でもWRC用マシンを試作するが、参戦に至らなかった。後の2010年代にはWRCで大活躍するものの、そのときはゴルフではなくポロになっていた。
ラリー以外でも、ゴルフ2は活躍していた。それが、アメリカのパイクスピーク ヒルクライムである。パイクスピークは標高4301mの頂上まで至る観光道路を、全開で競う有名なヒルクライムで、1980年代はヨーロッパのWRCグループBマシンが道場破りのように参戦しており、同門のアウディは3回総合優勝を飾っていた。
ゴルフ2の挑戦は1985年から87年まで3回にわたり、3回とも前後ツインエンジンのスペシャルマシンだった。最初の2年間はモノコックボディを流用して、エンジンは前後とも市販車と同じ横置きに搭載されていた。そのエンジンは1.8Lの16Vで、エッティンガーによるチューンである。1985年は3位という成績であった。1986年は、前後のエンジンをポロ用の1.3Lターボに載せ替えたが、1987年は、まったく新しいマシンを仕立てた。
もはやスポーツプロトタイプマシンのような前後チューブラーフレームのマシンで、ゴルフ2の形をしてはいても、実際のサイズは一回り大きかった。GTI 16Vの1.8Lはターボで過給され、前後合わせて652psを発輝。残念ながらサスペンショントラブルのために、頂上目前でストップしてしまったが、マシンは今も健在で、時折イベントに姿を見せている。(文:武田 隆)
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