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トヨタ車体、BEV版「グローバル・ハイエース」の日本導入を考える背景

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トヨタ車体、BEV版「グローバル・ハイエース」の日本導入を考える背景

注目ブースの1つ トヨタ車体とは

第1回ジャパン・モビリティショーが開幕した。4年前までの東京モーターショーを刷新して、新たなるイベントとして誕生した。

【画像】1人乗り! グローバル・ハイエースBEV 内装もチェック【トヨタ車体の展示車両】 全20枚

2年前は新型コロナ感染症の影響で、中止となった東京モーターショーだったが、ジャパン・モビリティショーになったことで、今回の会場内の様子がどのように変わるのか、自動車業界関係者や一般ユーザーは興味深々だ。

新たな試みとしては、未来の東京を実体験できる「Tokyo Future Tour」、スタートアップを支援するプログラム、日本の未来ついて様々な専門家が行うトークショー、そして水素を活用して音楽コンサートなどを行う「H2エネルギーフェスティバル」など盛りだくさんの内容である。

もちろん、従来のモーターショーに近い形で、自動車メーカー各社によるブース展示が東京ビッグサイトの東館で実施されている。

トヨタ日産ホンダスズキマツダ三菱スバルなど乗用車メーカーと並んで、来場者の注目を集めているのが、トヨタ車体のブースだ。

改めて、トヨタ車体について説明すると、1945年にトヨタ自動車工業の刈谷組立工場から、分離独立したのが、当時のトヨタ車体工業。トラックボディの専門メーカーとなった。

1953年にはトヨタ車体となり、ランドクルーザー(BJ系)の生産の開始した。

トヨタの人気車種を企画・製造

トヨタ車体では現在、「ノア/ヴォクシー」「アルファード/ヴェルファイア」「グランエース」、SUVでは「ランドクルーザー300」「同70(及びピックアップ)」「レクサスLX600」、そして商用車では「ハイエース・バン」「ハイエース・ワゴン」「ハイエース・コミューター」、輸出専用モデル「グローバル・ハイエース」、小型バス「コースター」を企画、製造している。

今回の出展のテーマは、「初代ハイエースから始まった、人と物をはこぶバンの歴史~商用車、乗用ミニバンの魅力」とした。

ブースの前列に展示されていたのが、「クロスバン・ギア・コンセプト」だ。

全長4695×全幅1820×全高1855mmの6人乗り。3列シートだが、助手席が後ろを向き、また2列目が倒れるなどして、広い室内空間を実現している。

このコンセプトモデルはズバリ、次世代「ノア/ヴォクシー」の提案である。

その奥手に展示されていたのが、「グローバル・ハイエースBEVコンセプト」だ。

全長5280×全幅1950×全高1990mm、ホイールベースが3210mm。乗車定員は1人という商用BEVだ。助手席部分を含めて荷室は完全にフラットになる設計。電池容量など動力系スペックは未公開だ。

トヨタ車体関係者によると「これは単なる海外向けコンセプトではなく、国内販売を視野に市場の声を聞くための展示」という。

背景に海外メーカー商用BEVの存在

なぜ、トヨタ車体が商用BEVバンに対して積極的な動きを見せているのか?

背景にあるのが、物流関連の事業者や、商用車を自社で多く所有する企業などが、「2050年カーボンニュートラル」を念頭においた経営方針にシフトしてきたからだ。

これはESG投資と呼ばれ、従来のような財務情報だけではなく、E(環境)、S(ソーシャル:社会性)、G(ガバナンス:企業統治)を重視した経営の考え方である。

そのため、企業は導入コストが少し割高であっても、ランニングコストとESG投資対応を踏まえて、商用BEV導入を推進するようになった。

ところが、購入したくても日系メーカーでは商用BEVのラインナップが少ないため、海外メーカーからの購入を検討するケースが目立つ。

例えば、ヤマト運輸が導入したドイツのストリートスクーター(現在のB-ON)や、ベンチャー企業のASFが企画し中国で生産する小型軽商用を佐川急便が採用するといった流れがある。

そうした中で、トヨタ車体としてはハイエースのBEV化を真剣に検討している。現行モデルの中でBEV化しても十分な荷室スペースが確保できるのが、「グローバル・ハイエース」なのだ。今回はそうした考え方をコンセプトモデルとして具現化したといえる。

では、ハイエース・バン300系は?

こうなってくると、日本のユーザーが大いに気になることがある。「ハイエース・バン」が300系なってどう進化するのかだ。

現時点でハイエースのBEV化については、「グローバル・ハイエース」の役目であり、次期「ハイエース・バン」(300系)のBEV化にはまだ当分時間がかかるものと見るのが妥当だろう。

「ハイエース・バン」300系のハイブリッド化、またはブラグインハイブリッド化については今回のショーでは明確な方向性が示されなかった。

そのため、仮に「グローバル・ハイエースBEV」の国内販売が始まった段階でも、現行「ハイエース・バン」を並行して製造・販売することが予想される。

かといって、「ハイエース・バン」の個人ユーザー、または個人事業主がBEV化を求めて「グローバル・ハイエースBEV」にシフトする可能性はあまり高くないはずと、トヨタ車体では考えている。

その理由について、同社関係者は「最大の課題は1ナンバー。高速道路の通行料金代が4ナンバーより高くなる」と指摘。その上で「現行ハイエース・バンのユーザーは、いわゆる“ひとり親方”の皆さんであり、1ナンバー車の需要は少ないはず」と市場を分析している。

日本市場にベストマッチし過ぎている、現行「ハイエース・バン」は今後、どのように進化するのか。その姿は未だ、不明だ。

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みんなのコメント

10件
  • do_********
    まずは〝BEV〟の説明しろよ。
  • ***************
    今のサイズが使い勝手最高なんじゃないの?
    それよりも使い勝手が悪いとなると、売れない気がするね
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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