現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 3列シートのSUVや2WDのジムニーがあった!? スズキの珍車・迷車5選

ここから本文です

3列シートのSUVや2WDのジムニーがあった!? スズキの珍車・迷車5選

掲載 更新
3列シートのSUVや2WDのジムニーがあった!? スズキの珍車・迷車5選

■コンセプトは間違っていなかったのに売れなかったスズキ車たち

 スズキは、1920年(大正9年)に鈴木式織機株式会社として設立され、1952年に自転車の補助エンジンとして発売した「パワーフリー号」から輸送機械メーカーに転身。

不人気にもほどがある!? ビックリするほど売れていない軽自動車5選

 そして、1955年発売の軽自動車「スズライト」から4輪自動車製造が始まりました。現在では軽自動車と小型車を主に製造しており、軽自動車のシェアは3割にもなります。

 これまでスズキは、数々の名車を世に送り出してきましたが、一方で販売台数が低迷した残念なモデルも存在。

 そこで、スズキの歴代モデルのなかから、レアな迷車を5車種ピックアップして紹介します。

●グランドエスクード

 30年もの歴史があるスズキのミドルクラスSUV「エスクード」は、グローバルモデルとして国内外で人気のクルマでした。

 現行モデルではモノコックシャシを採用し、本格4WDからクロスオーバーSUVに近くなりましたが、他社のSUV戦略に対して苦戦が続いている状況です。

 そして、このエスクードに、かつて3列シート7人乗りの派生車があったことは、あまり知られていません。

 2000年に発売された「グランドエスクード」は、2代目エスクードをベースに全長を485mm延ばした4575mmのロングボディとし、室内は3列シートを採用した7人乗りのSUVです。

 エンジンは新開発の2.7リッターV型6気筒DOHCエンジンを搭載。セレクト式のパートタイム4WDシステムと、高剛性ラダーフレームによって、雪道や未舗装路など悪路の走破性能の高さも兼ね備えていました。

 しかし、販売台数は低迷し、2003年のマイナーチェンジでフロントフェイスの変更などテコ入れされましたが、2005年に生産を終了し、後継車はありませんでした。

 ちなみに、発売時の価格(消費税5%込)は241万2900円と、3列シートのSUVとしてはかなり安価に設定されていました。

●ジムニー L/ジムニーJ2

「ジムニー」といえば、軽自動車ながら本格的なクロスカントリー4WD車という、現在では唯一無二の存在です。

 2018年には、じつに20年ぶりとなるフルモデルチェンジがおこなわれ、2019年11月時点でも納車待ちが1年近くと、高い人気を誇っています。

 先代ジムニーは20年間も販売していたこともあり、多くの限定車、特別仕様車がありましたが、とくにユニークだったのがジムニーなのに2WD車が販売されていたことです。

 先代ジムニーの2WDは2種類あって、1台は2000年に発売された「ジムニー L」で、もう1台は2001年に発売された「ジムニーJ2」です。どちらもフロントデフが無く、駆動方式はFRとなっていました。

 ジムニー Lは、パッと見は4WDのジムニーとの違いはわかりません。装備は上級グレードとほぼ同じで、ルーフレールは装備しておらず、カラーリングは専用のパールホワイトのみです。

 そして、ジムニーJ2は専用のボンネットフード、フォグランプ内蔵の専用フロントバンパー、メッシュタイプの専用フロントグリルを採用し、さらに15インチタイヤの装着などにより35mm車高が下げられています。

 この2車は4WDが不要な地域の女性ユーザーがターゲットで、とくにジムニーJ2はカジュアルなカラーリングが施されていました。

 なお、どちらのモデルとも短命に終わり、中古車市場でも非常にレアなクルマです。

●スプラッシュ

 現在のスズキのラインナップには「スイフト」「イグニス」「クロスビー」などのコンパクトカーがありますが、2008年から2014年まで、スタイリッシュな「スプラッシュ」というモデルがありました。

 スプラッシュはハンガリーにある子会社のマジャールスズキ社で生産され、欧州などにも展開したグローバルカーでもあり、日本ではスズキ初の自社ブランドの輸入車でした。

 Aセグメントのコンパクトなボディながら5名乗車で、6つエアバッグと、リアシートにも3名分のヘッドレストと3点式シートベルトが装備されるなど、クラス標準以上に安全装備が充実。

 エンジンは1.2リッター直列4気筒を搭載し、トランスミッションはCVTのみの1グレードでした。

 個性的なスタイルや内装のデザイン、欧州で走行テストを繰り返した軽快なハンドリングと乗り心地が特徴でしたが、日本ではスイフトと競合したためか販売は低迷。

 さらに、初の輸入車ということでメーカーオプションが数少なく、装備のアップグレードが難しかったことも、販売低迷の一因ともいわれています。

 欧州テイストのコンパクトカーとして評価は高かったものの、ユーザーには伝わらず、現在は同ポジションをイグニスが引き継ぎました。

■この2台を見かけたら超ラッキーかも!?

●キザシ

 スズキ「キザシ」は2009年にグローバルで発売された、同社のフラッグシップセダンです。

 ボディサイズは全長4650mm×全幅1820mm×全高1480mmの3ナンバー車で、外観のデザインはスポーティかつスタイリッシュで、日本車離れした欧州テイストです。

 走りも秀逸で、欧州や北米で走行テストを重ね、四輪独立懸架による上質な走りと、乗り心地の良さを両立。

 しかし、日本では受注生産のみとなっていたことと、価格(消費税5%込)が278万7750円と、当時のスズキのラインナップのなかでは高価だったことで販売は低迷します。

 ところが、都市部では意外とキザシを見かける機会が多いのですが、これは捜査車両としてキザシの覆面パトカーが警察庁、警視庁に多数納入されたためです。
 
 結局、一般ユーザーには普及することなく、キザシは2015年に日本での販売を終了し、海外でも2016年には販売を終了して、後継車はありません。

●バレーノ

「バレーノ」は、現在新車で買える国産乗用車のなかでも、もっともレアなクルマではないでしょうか。

 2016年に発売され、ボディは5ドアハッチバックのワイド&ローな流麗なデザインとなっています。生産はインドのマルチスズキ社でおこなわれ、輸入車として日本で販売されています。

 エンジンは102馬力を発揮する1リッター直列3気筒ターボと、91馬力の1.2リッター直列4気筒の2種類をラインナップし、トランスミッションはターボが6速AT、自然吸気がCVTと組み合わされます。

 特筆すべき点は、自然吸気車が910kg、ターボ車が950kgという軽量な車体で、国産3ナンバー車で、もっとも軽量なクルマです。

 ボディ剛性を向上させながら、同時に軽量化を実現する、スズキの技術の集大成といっていいでしょう。

 しかし、スプラッシュと同じくスイフトとバッティングしており、内装の質感も低評価だったためか、販売は低迷したまま推移しています。

 また、発売当初はターボ車がハイオク仕様で、2018年にレギュラー仕様に変更されましたが、これもコンパクトカーとしてはネガティブな要素でした。

 なお、生産国のインドではベストセラーカーで、フロントフェイスもマイナーチェンジで変わるなど、好調です。

※ ※ ※

 今回はスズキの珍車・迷車を紹介しましたが、各メーカーとも同様に売れなかったモデルが多数あります。

 新型車開発は莫大な費用と時間がかかることから、慎重に議論を重ねたうえで製造、販売がおこなわれますが、それでもすべてのクルマが売れるわけではありません。

 それほどまでにクルマの開発は難しいということでしょう。

こんな記事も読まれています

【グリーンが夜の麻布台ヒルズに映える】ベントレー最新モデルをクリスマスイベントで特別展示!
【グリーンが夜の麻布台ヒルズに映える】ベントレー最新モデルをクリスマスイベントで特別展示!
AUTOCAR JAPAN
タイヤも回る本格仕様!「ワーゲンバス」型ティッシュケースが予約販売開始
タイヤも回る本格仕様!「ワーゲンバス」型ティッシュケースが予約販売開始
レスポンス
ずらり並んだ「絶品干物」を自ら選んで定食化! お箸が止まらなくなる「ヒモノ食堂」は素通り厳禁【懐かしのドライブイン探訪その6】
ずらり並んだ「絶品干物」を自ら選んで定食化! お箸が止まらなくなる「ヒモノ食堂」は素通り厳禁【懐かしのドライブイン探訪その6】
WEB CARTOP
不変のオーテック愛「AOG湘南里帰りミーティング2024」は愛車とオーナーの同窓会だ!
不変のオーテック愛「AOG湘南里帰りミーティング2024」は愛車とオーナーの同窓会だ!
旧車王
アウディ史上最強・最速の電動スポーツカー誕生、912馬力の『RS e-tron GT パフォーマンス』
アウディ史上最強・最速の電動スポーツカー誕生、912馬力の『RS e-tron GT パフォーマンス』
レスポンス
ピアストリ、スタート違反でペナルティ「厳しい夜だった。7位が精一杯」首位マクラーレンとフェラーリの点差が縮小
ピアストリ、スタート違反でペナルティ「厳しい夜だった。7位が精一杯」首位マクラーレンとフェラーリの点差が縮小
AUTOSPORT web
トヨタのお膝元にホンダ・シビックで行ってきました|WRCラリージャパン2024取材の裏側
トヨタのお膝元にホンダ・シビックで行ってきました|WRCラリージャパン2024取材の裏側
motorsport.com 日本版
アーティスト・俳優 佐藤友祐(lol)の「あの“絶版旧車”に乗りたい!」──Vol.11 ヤマハRZ250
アーティスト・俳優 佐藤友祐(lol)の「あの“絶版旧車”に乗りたい!」──Vol.11 ヤマハRZ250
GQ JAPAN
1000万円超え!? ホンダ新型「シビック“タイプR”」公開! 320馬力「直4」×MTのみ設定! 迫力エアロがカッコイイ「グループA」比国に登場
1000万円超え!? ホンダ新型「シビック“タイプR”」公開! 320馬力「直4」×MTのみ設定! 迫力エアロがカッコイイ「グループA」比国に登場
くるまのニュース
ランボルギーニの新型電動スーパーカー『テメラリオ』、英YASAの新開発モーター搭載
ランボルギーニの新型電動スーパーカー『テメラリオ』、英YASAの新開発モーター搭載
レスポンス
MotoGPのテスト中無線システム、バニャイヤ超辛辣な評価……使用拒否で「毎回ペナルティだろうね」
MotoGPのテスト中無線システム、バニャイヤ超辛辣な評価……使用拒否で「毎回ペナルティだろうね」
motorsport.com 日本版
[音を良くするコツをプロが指南]「スマホ」をシステムの中心に据えて良い音を楽しむ方法を伝授!
[音を良くするコツをプロが指南]「スマホ」をシステムの中心に据えて良い音を楽しむ方法を伝授!
レスポンス
3位&4位のフェラーリ、ドライバーたちに不満が残るレースに。サインツはピット指示に苛立ち、ルクレールは僚友に激怒
3位&4位のフェラーリ、ドライバーたちに不満が残るレースに。サインツはピット指示に苛立ち、ルクレールは僚友に激怒
AUTOSPORT web
レッドブル、今季の”最低地点”はイタリアGPだと振り返り「タイトルが遠ざかっていく瞬間だった」
レッドブル、今季の”最低地点”はイタリアGPだと振り返り「タイトルが遠ざかっていく瞬間だった」
motorsport.com 日本版
トヨタが2025年参戦体制を発表。ロバンペラが3冠目指しフルシーズン復帰、勝田を含む4名がフル出場へ
トヨタが2025年参戦体制を発表。ロバンペラが3冠目指しフルシーズン復帰、勝田を含む4名がフル出場へ
AUTOSPORT web
【WRC2025】トヨタ GAZOOレーシングはサミ・パヤリも加わり4台体制で挑む
【WRC2025】トヨタ GAZOOレーシングはサミ・パヤリも加わり4台体制で挑む
Auto Prove
100万円サポートクーポンが当たる!アルファロメオ、ブラックフライデーキャンペーンを実施中
100万円サポートクーポンが当たる!アルファロメオ、ブラックフライデーキャンペーンを実施中
LE VOLANT CARSMEET WEB
マヒンドラの新型電動SUV、最終ティーザー…11月26日デビューへ
マヒンドラの新型電動SUV、最終ティーザー…11月26日デビューへ
レスポンス

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

165.4200.2万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

0.0650.0万円

中古車を検索
ジムニーの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

165.4200.2万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

0.0650.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村