M:アルファ・ロメオ・ミト
(翻訳者注:この記事は後編です。アルファベットの「L」以前の車名については前編で紹介しています)
【画像】オーストラリアの砂漠に由来する上級SUV【スバル・アウトバックを写真で見る】 全23枚
イタリア政府には内緒だが、実はアルファ・ロメオはすでにミラノにちなんだ車名を付けている。ミト(MiTo)はイタリアの2つの都市、ミラノとトリノに敬意を表した造語で、それぞれデザインされた都市と生産された都市を指す。ちなみに、アルファ・ロメオは最初、ミトではなく「ジュニア」という名称にする予定だった。運命の歯車というのは奇妙なものだ……。
N:クライスラー・ニューヨーカー
ウォルター・クライスラーは1930年、当時としては世界一の高さを誇るクライスラービルをニューヨークに建てた。それゆえ、最も長く生産されたモデルの1つが、1939年に発売されたニューヨーカー(New Yorker)であるのは当然のことだろう。1996年の生産終了時には、米国車の中で最も歴史の長いモデルとなっていた。
O:スバル・アウトバック
当初はレガシィの派生モデルとして販売されていたアウトバック(Outback)。1980年代にスバルの米国部門が考案したもので、いかにも頑丈そうなクルマであることをアピールしようとしていた。アウトバックとは、オーストラリアの広大な砂漠地帯のことである。
P:フェラーリ・ポルトフィーノ
フェラーリの命名法はやや非論理的なところがあり、納得のいく説明が難しい。同社の2+2グランドツアラーのラインナップにおいて、イタリア北西部リヴィエラの小さなコミューンにちなんで名付けられたポルトフィーノ(Portofino)が、カリフォルニアに先行し、ローマに続くのはなぜだろうか? なお、ポルトフィーノは小さな町ではあるが、欧州の貴族たちのお気に入りの観光地となっており、彼らは高い割合でフェラーリの購入者であると思われる。
Q:日産キャシュカイ
英国で生産されている欧州向けの人気クロスオーバー車。日産の収益に与える影響の大きさから、冗談めかして「キャッシュ・カウ(cash cow)」と発音されるかもしれないが、キャシュカイ(Qashqai)という車名は、イラン南部と中央部に住むキャシュカイ族に由来している。
……そして、キャシュカイ族は伝統的に遊牧民族であるが、イラン周辺をグーグルマップで探せば、ホセナバード・キャシュカイ(Hoseynabad-e Qashqai)という名前の町を見つけることができる。つながりが弱いって? 確かにそうかもしれないけれど、ドイツにクワトロという名前の町があることにするよりはいいだろう。
R:セアト・ロンダ
1982年に登場したロンダ(Ronda)は、母国スペインの地名を付けるというセアトのトレンドの始まりとなった。その理由は、フィアットとのいさかいだった。ロンダはフィアット・リトモのバッジエンジニアリング車であり、当初は車名も共有していたが、1980年代初頭に両社の提携関係が破綻すると、モデルチェンジとブランド変更が必要となった。これ以来、セアトは全車にスペインの地名にちなんだ車名を付けている。イビサ、レオン、アテカ、タラッコ、そして他にも宮殿にちなんだアルハンブラなどがある。
S:プリムス・サヴォイ
プリムスは、高級ホテルの名前をクルマに付けるのが好きだったようだ(プラザやベルヴェディアなど)。このサヴォイ(Savoy)も英国ロンドンのサヴォイ・ホテルに由来するが、その歴史をさらに遡っていくと、フランス南東部の地域名にたどり着く。また、プリムスというブランド名はマサチューセッツ州の都市に由来するので、場所に関するボーナスポイントということで今回はご勘弁いただきたい。
T:ヒョンデ・ツーソン
ヒョンデは、ルート66から少し外れた米国西部の町名を採用することが多い。ツーソン(Tucson)以外にも、サンタフェやサンタクルーズ(またはサンタクルス)がある。ツーソンはアリゾナ州第2の都市で、その名前は先住民のトホノ・オオダム族の言葉に由来する。「黒い山のふもとの泉」という意味だ。クルマの名前としてはキャッチーだ。
U:UAZ 469
「U」という文字では選択肢が限られてしまうので、1970年代のソビエト軍用オフロード車の民生版も含めることにする。この469という車名は、ソ連の合理的な番号付け方式によるものである。各モデルには、生産工場と生産量に基づいて英数字の車名が付けられた。UAZはウリヤノフスク自動車工場(Ulyanovsk Avtozavod)の略で、モスクワの東640kmのウリヤノフスクにある。
V:リンカーン・ベルサイユ
リンカーンはフォードの米国市場向け高級ブランドだが、ベルサイユ(Versailles)という車名はフランスに由来する。もともとは、1950年代にベルサイユ宮殿からほど近いポワシーにあるシムカ工場で生産されていたフォード車に与えられた名称だ。1977年から1980年にかけて、リンカーンのセダンでこの名称が復活している。奇妙なことに、1990年代にはフォードのブラジル法人がフォルクスワーゲン・サンタナのバッジエンジニアリング車にこの名称を使用した。
W:クライスラー・ウィンブルドン
クライスラーはロンドン西部のキュー地区に工場を購入し、そこで米国およびカナダからの輸入車を現地向けに仕上げる作業を行っていた。1930年代には、一部のモデルがキュー地区に近い町の名に改名され、クロイドン、キングストン、モートレイク、そしてウィンブルドン(Wimbledon)などが誕生した。ウィンブルドンは、プリムスP6のバッジエンジニアリング車である。
X:シトロエン・エグザンティア
最近、多くのクルマに「X」という字が使われているが、実際の地理的な場所を示すのではなく、クロスオーバー車を意味するものであることが多い。そこで、今回は1997年から2001年まで販売されていたシトロエンの大型セダン、エグザンティア(Xantia)を取り上げることにしよう。
この名称は、古代リュキアの都市クサントス(Xanthos)に由来し、ギリシャ神話では「黄金」を意味する。クサントスは紀元前8世紀にさかのぼる歴史を持ち、かつては主要な交易拠点であった。その遺跡は現在のトルコにあり、ユネスコ世界遺産に登録されている。
Y:GMCユーコン
GMのトラックブランドであるGMCは、巨大SUVのユーコン(Yukon)を毎年8万台も販売しているが、これはその名前の由来となったカナダのユーコン準州の人口の2倍近い数である。一方、ユーコンの兄弟車であるシボレー・タホは、カリフォルニア州のシエラネバダ山脈にある湖にちなんで名付けられた。
Z:サンヨン・コランドDMZ
これはかなり微妙な例で、サンヨン(Ssangyong)もコランド(Korando)も「Z」では始まらないというご指摘はごもっともである。しかし、ここで取り上げるのはDMZという仕様で、非武装地帯(DeMilitarized Zone)の略称だ。韓国と北朝鮮の間にある緩衝地帯にちなんで名付けられた、一風変わったピックアップトラックなのだ。
コランドDMZには標準で迷彩塗装も施されているが、粗野でやかましいディーゼルエンジンのおかげで、発見されないようにするのは困難を極める。そう、今回のA to Zの旅は、地球上で最も厳重に警備された国境のど真ん中で終わるのだ。観光の無事を祈る。
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がないぞ