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ジープの電動化のキモは「4xe」 本格オフローダーブランド、SUV電動化時代をどう生きる?

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ジープの電動化のキモは「4xe」 本格オフローダーブランド、SUV電動化時代をどう生きる?

四輪駆動の再定義 ジープの「4xe」

ジープの電動化に向けた流れがより明確になってきた。

【画像】ジープ最小SUV「アベンジャー」登場【レネゲード4xeと比較】 全97枚

ステランティスは2022年9月8日、「ジープブランド4xeデー」と称するオンライン動画を日本を含むグローバル向けに公開した。

4xe(フォー・バイ・イー)は、ジープがこれまで培ってきた4×4という四輪駆動技術を、次世代に向けて再定義したものだ。

4xeの仲間として、日本ではすでにプラグインハイブリッド車の「レネゲート4xe」が発売されている。

日本でも今後、ジープの新たなる挑戦としての電動化が加速していくのだろうか?

今回「ジープブランド4xeデー」で明らかになった内容を深堀りして、これからの日本での4xeの展開を予想してみたい。

まずは、ステランティスの電動化戦略の基本について触れる。

それが、2022年3月1日に発表した事業方針「ディア・フォワード2030」だ。

この中で、2038年までにステランティス全体としてのカーボンニュートラルを達成することを掲げている。

こうしたカーボンニュートラルに対する動きは、ステランティスに限らず、日系メーカーを含めて世界的に加速している印象がある。

その背景には、なにがあるのだろうか?

そもそも、地球温暖化という大きな社会課題については、国連が1990年代から気候変動に関する国際会議(COP)を開催し、その中で将来に向けた目標を数値化するようになった。

2000年代まで 中心は「アウトドア」

1997年には京都で開催された会議で決議された「京都議定書」がきっかけとなり、自動車メーカーも将来の事業計画の中で環境問題について真剣に取り組むようになる。

日本では90年代後半に、世界初の量産型ハイブリッド車「プリウス」が登場。

2000年代に入ると、燃料電池車の開発が世界各地で進み、そうした中で米カリフォルニアではメーカー各社が共同して燃料電池車の実証試験をおこなうようになる。

こうした中で、ジープもモーターショーなどでパワートレインの電動化を想定したコンセプトモデルを公開するようになる。

そんな2000年代半ばから後半の時点では、いまや世界のBEV業界をリードする立場となったテスラは、初代「ロードスター」事業を軌道に乗せることに苦慮する、ごく小さなベンチャー企業に過ぎなかった。

ジープとしても2000年代までは、電動化を一気に進めようという流れではなく、ラングラーを中核としたアウトドアブランドを着実に浸透させていくことに注力していた。

また、ハイブリッド車については、欧米メーカーでは構造が比較的シンプルな48Vマイルドハイブリッドを一部モデルに導入するにとどまっていた。

BEVについては、2009~2010年にかけて、大手メーカー初となる日産「リーフ」と三菱「アイ・ミーブ」が登場している。

急激な社会変化直面 ジープもBEVへ

ジープなどの欧州ブランド、また日系メーカー各社も当初は、電動化がハイブリッド車から徐々に広がり、一部ではBEVも普及も進むが、その速度は緩やかになると予想していた。

ところが、2010年半ば過ぎから後半にかけて、ジープを含めた世界自動車産業界にとって大きな社会変化に直面することになる。

ESG投資と呼ばれる株式市場での大きな変化だ。

財務状況だけではなく、環境・社会性・ガバナンスを重視した投資のことである。国連の持続可能な達成目標(SDGs)とも深く関係する。

こうした社会変化を強く意識し、欧州連合の執務機関である欧州委員会が欧州グリーンディール政策を推進。その中で「2035年までに欧州内で新車100%を(事実上)EVまたは燃料電池車」とする方針を掲げた。

欧州グリーンディール政策によって、欧州メーカー各社はBEVシフトが必然となっている状況だ。

そのため、今回のステランティスの発表でも、ジープ「2030年までに欧州で発売する新車100%をBEV」と明言している。

モデルとしては、2022年10月のパリモーターショーでBEVの「アベンジャー」を公開する。

アメリカでは、バイデン大統領が2021年8月に「2030年までに新車(乗用車とライトトラック)の50%以上をBEV、プラグインハイブリッド車、燃料電池車とする」という大統領令を発令している。

どうなる? 日本での「4xe」の展開

米大統領令に伴い、ジープも「アメリカで2030年までに新車50%をBEV」と発表したといえるだろう。

アメリカではすでに、プラグインハイブリッド車として、「ラングラー4xe」を発売しており、同セグメントで米トップの販売実績を誇る。

加えて「グランドチェロキー4xe」も発売。

さらに、BEVの「ワゴニアS」と「リーコン」が登場する。

リーコンは2024年生産開始。北米では2023年初めから予約注文をはじめて、そのあと欧州や世界各国で販売する予定だ。

このように、ジープとしては、国や地域の政策や社会状況に応じた電動化戦略を進めていく構えだ。

一方、日本では現状、「2035年までに新車100%を電動化」という政府目標があるが、日本自動車工業会としては「カーボンニュートラルに向けた方法は様々ある」という方針を強く打ち出しており、欧米で進む急激なBEVシフトをけん制している状況だ。

そのため、日本における今後のジープ4xeは、国の政策を注視しつつ、欧米で先行するジープの新しいブランド価値の日本への伝承を考慮していくことになるだろう。

いずれにしても、本格的オフローダーのイメージが強いジープブランドのあり方がいま、日本においても4×4から4xeへと大きく変わろうとしていることはたしかだ。

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