【トヨタ RAV4の歴史】乗用系基本コンポーネンツを用いた最初のSUV
今でこそ、当たり前になっている乗用系ベースのSUVですが、その誕生はトヨタのRAV4からスタートしました。RAV4というクルマが切り開いてきた乗用系SUVの歴史とともに、歴代RAV4の紹介をしていきます。
RAV4以前、そしてRAV4の登場
SUVという名前が登場する以前、クロスカントリー4WD車と呼ばれた時代はミドルサイズのクロカン4WDは存在していませんでした。小さいモデルとしては1970年に登場したジムニーがありましたが、その上となるとダイハツのタフトです。タフトは当初1リットルでスタートしていますが、最終的には2.8リットルにまで進化するモデルです。またタフトは、ラダーフレームに4輪リーフリジッドというヘビーな仕様だったこともあり、一般ユーザーは受け入れにくいモデルでもありました。
そうしたミドルクロカン4WDのジャンルにデビューし多くのユーザーに支持されたのが1988年登場のスズキのエスクードです。エスクードはフレーム式のプラットフォームながら、フロントサスペンションをストラットの独立式、リヤを1本のAアームと2本のトレーリングアームで支えるという方式。このサスペンションのおかげで、リーフリジッドモデルとは一線を画する乗り心地を確保し、ヒットモデルとなりました。市場が求めていたのはヘビーデューティなクロカン性能ではなく、快適なオンロード性能だったのです。そうしたなか、トヨタから満を持して1994年にRAV4が販売されるのです。
ショートホイールベールの3ドアからスタートしたRAV4
RAV4のデビューは1994年です。一般的にクルマの開発期間は4~5年と言われていますので、RAV4はエクスードを見てから開発がスタート、もしくはほぼ同時期くらいに開発がスタートしているとみていいでしょう。初代RAV4はコロナ系やセリカ系の基本コンポーネンツを利用して作られました。特徴はそのサイズで、5ナンバー枠に収まるコンパクトさでした。発売当初は3ドアのショートホイールベースのみで、搭載されたエンジンは3S型2リットルで、FFを基本としてベベルギヤ式センターデフを用いた4WDを用意しました。サスペンションはフロントがストラット、リヤがダブルウィッシュボーンで4輪独立懸架としました。シリーズ途中となる1995年に5ドアが追加されます。日本でも人気のモデルでしたが、アメリカでは大ヒットとなりました。
ライバルの台頭により紆余曲折を繰り返す
2000年に登場した2代目RAV4は初代同様に3ドアのショートホイールベースモデルが残されましたが、主力はロングホイールベースの5ドアとなりました。5ナンバーサイズはやめ、全幅が1735mmの3ナンバーサイズとなりました。2代目登場時にはホンダからCR-V、日産からエクストレイルが登場したこともあり、ユーティリティに優れる5ドアの人気が高くなったのです。エンジンは3S系から1AZ系&1ZZ系の2リットル&1.8リットルに置き換えられます。サスペンションはフロントストラット、リヤがダブルウィッシュボーンのままです。このモデルも欧米での人気は非常に高いものでした。
3代目は2005年のデビューで、カローラ系に使われたMCプラットフォームを採用しました。日本ではすっかりミニバンが人気の車型となったので、SUVはあまり注目されなくなりました。しかし、欧米の人気は相変わらずで、もはや主力マーケットは欧米に移ります。3ドアも存続されました。エンジンは2AZの2.4リットルです。プラットフォームは変更になりましたが、サスペンション形式は従来どおりを踏襲します。
4代目は2013年のデビューですが、日本には導入されませんでしたが、海外では相変わらず高い人気を誇り、2016年、2017年では世界でSUV販売1位を獲得しました。日本では同じプラットフォームを使う3代目ハリアーが発売されました。3ドアは廃止となりましたが、エンジンは2リットルが1種、2.2リットルディーゼルが2種、2.5リットルハイブリッドが1種とバリエーションを広げています。
そして、2019年4月には5代目が登場。日本での販売がふたたび行われるようになりました。5代目は2リットルと2.5リットルハイブリッドをラインアップします。
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