■連載/金子浩久のEクルマ、Aクルマ
今年も2月初旬に神奈川・大磯プリンスホテルで開催されたJAIA(日本自動車輸入組合)の合同試乗会に参加した。限られたシチュエーションではあったが、個性豊かなキャラクターが揃う輸入車ならではの発見がたくさんあり、車両を乗り換えるたびに新鮮な気分になるだけでなく、あらためてクルマの楽しさを感じることができる貴重な場だ。今が旬の輸入車たちを厳選して紹介していこう。
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ジープ「JEEP RENAGADE TRAIL HAWK」
数年前からこの頃、ジープを街でよく見かけると思っていたら、案の定、売れているのだった。
「ジープブランドのクルマは、日本での販売台数をこの10年間で13倍に増えました」(FCAマーケティング担当者氏)
2009年の1010台から、2019年に1万3360台に増やしているというのだから、確かにスゴい! もちろん、ジープといっても誰でもが思い浮かべる「ラングラー」ばかりではなく、「チェロキー」や「グランドチェロキー」、最近では「コンパス」や「レネゲイド」など、モデル数を増やしてきた。併せて、全国の販売店も増やしてきたという背景がある。
でも、それを言ったら、他の輸入車ブランドでもモデル数を増やしているところは珍しくはない。でもやはり“10年で13倍”はスゴい。大磯で乗ったのは、末弟の「レネゲード」。ヘッドライトを点灯させると丸くリング状に光ったり、テールライトが“X”の字に見えるのがキャラクターになっていて可愛い。シックなボディカラーが多いのも記憶に残っている。ジープのゴツいイメージを逆手に取って成功している。
運転してすぐに良い印象を抱くのは、実際の寸法以上にコンパクトなことと、視界に優れて運転しやすいところ。フロントガラスが直立気味で、ドライバーに近いところは「ラングラー」以来のジープの流儀だけれども、これが運転しやさに大きく貢献している。「トレイルホーク」というグレードは本格的な4輪駆動システムを備えていて、あいにくとそれを試すことができなかったが、単なる都会派SUVではないところを追求しているところがジープらしい。売れるクルマにはちゃんと理由が備わっている。
ランボルギーニ「ウルス」
世界中で次から次へとSUVが生まれてきているけれども、このクルマは究極の一台。スーパーカーメーカー、ランボルギーニが造ったSUV「ウルス」。カタチやインテリアこそ、期待通りの“ランボルック”だけれども、運転しやすく、乗りやすい。ずっと以前のスーパーカー「ムルシエラゴ」などに較べれば、最新の「アヴェンタドールS」などでもランボルギーニは格段に運転しやすくなってきている。「ウルス」はキャビンの広さや乗り降りのしやすなどが備わっているから、ランボルギーニといってもスーパーカーとはまったく別の種類のクルマだ。
それでも、性能とスペックは超絶的で、停止から100km/hに達するまでに要する時間は、たったの3.6秒。同様に200km/hまでが12.8秒。最高速度は305km/h。こんなに速いSUVは存在しないし、スポーツカーだってこれより速いもののほうが少ない。あのポルシェ「911カレラ」でさえも、0-100km/hの加速は4.6秒で、最高速は295km/hに留まるのである。
注目すべきは「ウルス」の減速距離の短さで、100km/hから停止するのに要する距離が33.7mしかない。強力なブレーキを備えていることと同時にクルマが軽いことが効いている。見た目も実寸法(全長5112mm全幅2016mm全高1638mm)も大きな「ウルス」だが、乾燥重量が2200kgに仕上がっている。
搭載される4.0L V8ツインターボエンジンの最高出力が650ps/6000rpmだから、パフォーマンスの指標として用いられる馬力荷重(パワーウエイトレシオ=1馬力辺りの重量)は3.38kg/psと、こちらもクラス最高を謳っている。SUVの「ウルス」ならではのモードとして「TERRA」(オフロード)と「NEVE」(雪)も設定されている。
エアサスペンションがそれら2つのモードに対応していて、最低地上高を158mmから248mmまで変更することができる。248mmという値はかなり高く、過酷なオフロード走行を想定している。もはや、できないものは何もないと言わんばかりの万能ぶりだ。そして、現代の高性能車らしく、運転支援デバイスも備わっており、長距離旅行は安全で安楽なものが約束されている。タイヤさえ悪路用のものを履けば、地の果てまで走っていけるだろう。
フォルクスワーゲン「T-CROSS」
フォルクスワーゲンのラインナップに新たに加えられたコンパクトSUV「T-CROSS」。コンパクトとはいっても、全幅が3ナンバーサイズの1760mmあるが、全長は4115mmと短い。全高は1580mmと、プラットフォームを同じくする「ポロ」の1450mmよりも130mm高い。JAIAで試乗したのは「TSI 1st Plus」というグレード。1.0L、3気筒エンジンに7速DCTが組み合わされる。
この「T-CROSS」はSUVとはいっても4輪駆動ではなく前輪駆動(FF)。走行モード切り替えもなく、悪路や悪天候を走るのではなく、あくまでも都会派SUVだ。「ポロ」から派生してまとめ上げられているので、走った感じは「ポロ」に似ている。静かで、硬質な乗り心地やハンドリングなどはフォルクスワーゲンらしく好感が持てるのだが、18インチという大径タイヤが採用されていることから、舗装状況が良くない路面ではドタバタと落ち着かないところが難点だ。「ポロ」よりも室内が広い分、居住性に優れ、荷物も多く載る。そこを重視するかどうかで「T-CROSS」の選択が決まってくる。
■関連情報
https://www.jeep-japan.com/renegade-bv.html
https://www.lamborghini.com/jp-en/%E3%83%A2%E3%83%87%E3%83%AB/urus
https://www.volkswagen.co.jp/ja/models/t-cross.html
文/金子浩久(モータージャーナリスト) 撮影/編集部
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